介護福祉士の過去問
第21回(平成20年度)
社会福祉援助技術 問32

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問題

介護福祉士国家試験 第21回(平成20年度) 社会福祉援助技術 問32 (訂正依頼・報告はこちら)

訪問介護に関する次の事例を読んで、問題について答えなさい。
【事例】
Eさん(女性、85歳)は、20年前に夫と死別した。現在、近くに住んでいる孫が時々訪れている。両下肢筋力低下、骨粗しょう症のため以前腰椎の圧迫骨折をしたことがあるが、伝い歩きは可能で自室近くにあるトイレには自分で行っている。視力・聴力にも問題はないが、意思疎通がはかれないことがしばしばある。要介護3と認定されており、毎日訪問介護を利用しながらアパートで一人暮らしを続けている。
ある冬の寒い日、いつものようにP訪問介護員(以下「P介護員」という)が訪問すると、トイレからEさんのベッドまで床や手すりが便で汚れていた。Eさんは、ベッドの中で毛布にくるまって横になっていたが、P介護員が声をかけると、「今日は寒いのに、のりちゃん(緊急連絡先の孫の名前)よう来たねぇ」と返事が返ってきた。

【問題】
P介護員からの報告を受けた訪問介護事業所のサービス提供責任者(介護福祉士)の対応に関する次の記述のうち、適切なものの組み合わせを一つ選びなさい。
A Eさんの自宅を訪問し、Eさんの身体的な状況や心理・社会的状況の変化について把握する。
B 孫に連絡を入れ、再々このようなことが起こると訪問介護員が困るので、施設入所を勧める。
C Eさんの居宅サービス計画(ケアプラン)を作成した介護支援専門員に、現在のEさんの状況について相談する。
D 次回の訪問から、Eさんにおむつを当てて、しばらく様子を見るようにとP介護員に伝える。
  • A B
  • A C
  • B C
  • B D
  • C D

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。
対応が誤っているものについて解説します。
B→事実について状況報告をお孫さんに行うのならいいのですが、施設入所をするかどうかは利用者様、利用者のご家族の方からの相談、また医師の判断などが必要であり、サービス提供責任者の立場で決めるべきことではありません。
D→問題文に「自室近くにあるトイレには自分で行っている」とあるため、ポータブルトイレを利用するなど他にも方法があるかもしれません。おむつをすることは、Eさんを傷つける可能性もありますし、寝たきりにしてしまう危険性もあります。「次回の訪問から」と決めてしまうのは問題です。

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02

A ○…正しい内容です。

B ×…緊急連絡先であるお孫さんに連絡すること自体は間違いではありません。誰が行うかについては担当のケアマネジャーと相談しておく必要があります。施設入所について、「介護員が困るから」という理由でサービス事業者の立場から勧めるというのは不適切です。

C ○…現在のケアプラン内容では、自宅での排泄に困難があると考えられます。ケアマネジャーに相談することは欠かせません。

D ×…本人が望まない状況でおむつを使用することは問題の解決にはなりません。失敗してしまうのが「間に合わないから」であれば、ベッドの近くにポータブルトイレを設置するなどの方法も考えられます。いずれにしても、訪問介護の事業者として勝手に判断できることではありません。

したがって、正しい組み合わせは「2」となります。

参考になった数6

03

介護員から報告を受けたサービス提供責任者として「A」自らEさんの状態を把握すること、「C」ケアプランを作成する上で利用者の状態を把握していなければなりませんので、ケアプランを作成した介護支援専門員に状態の変化について報告・相談することは適切なことです。

そのことから正解は2です。

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