介護福祉士の過去問
第27回(平成26年度)
生活支援技術 問59

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問題

介護福祉士国家試験 第27回(平成26年度) 生活支援技術 問59 (訂正依頼・報告はこちら)

Aさん(80歳、男性)は、自宅で妻と二人暮らしである。糖尿病(diabetes mellitus)で通院していた。2年前、肺がん(lung cancer)が発見され、抗がん剤による治療を行っていたが、数か月前から効果が少なくなり中止した。骨転移(bone metastasis)による痛みがあり、麻薬性鎮痛剤を使用している。Aさんは、「できるだけ家で暮らしたい」と希望している。寝ていることが多いが、トイレには伝い歩きで行くことができる。食欲はなく、食事を残すことが多い。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にAさんの日常生活について不安を訴えた。

妻への訪問介護員(ホームヘルパー)の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「家では心配なので、入院しましょう」
  • 「ポータブルトイレにしましょう」
  • 「麻薬は怖いので、増やさないようにしましょう」
  • 「好きなものを食べてもらうようにしましょう」
  • 「なるべく寝ているようにしましょう」

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 4 です。

問題文中には「日常生活についての不安」としかかかれていませんが、選択肢を見ると明らかに正解なのは1つしかないため、落ち着いて考えれば解ける問題です。

1:本人が自宅での生活を望んでいる以上、妻の不安を解消するために入院を勧めることは間違っています。
妻の話を聞く時間を積極的にとるなど、不安を和らげる対応を取るべきです。

2:伝い歩きでトイレに行けているため、現時点でポータブルトイレを導入する必要はありません。

3:明らかに規定量を超えて使用している、もしくは勝手な判断で必要な薬の服用を中止しているなどというのならば、その場で「用法用量を守りましょうね」「お薬は毎日継続的に飲むことが大切ですよ」などと諌めることもありますが、ただ危険性を訴えて不安を煽ってはいけません。
基本的に使用している薬に関する助言は、医療職が行うべきですので、相談を受けた場合には、医療機関に相談するよう勧めるか、事業所や介護支援専門員に報告して対応してもらうようにします。

5:本人がつらいと感じて寝ていることに苦言を呈する必要はありませんが、出来ることならトイレや食事などは起き上がったり、移動したりして行うことが望ましいです。
寝たきりは筋力低下、意欲の低下を引き起こし、廃用症候群などの危険性もあるため、介護士が積極的に勧めることはありません。

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02

<回答>
正解は”4”です。

1×:Aさん本人が「できるだけ家で暮らしたい」と希望をしているため、入院を勧める事は不適切です。

2×:Aさんは伝い歩きをして自力でトイレに行く事が出来ているため、現時点ではポータブルトイレを導入する必要はありません。

3×:薬の服用は、医療行為となります。服薬量に関して、ホームヘルパーが判断したり助言したりする事は危険な行為であり適切な対応ではありません。服薬量に関して利用者から相談を受けた場合には、医療機関へ相談する事を勧めます。

4○:Aさんは「食欲がなく食事を残す事が多い」との記述があります。この文章の中で、妻の日常生活での不安を読み取る事の出来る部分です。そのため、食欲が出るように食事を改善していく助言が適切です。

5×:Aさんは自分でトイレに行くなど、体を動かす事が出来ています。この問題では、日常生活の中で出来る限り自分の事が出来るような工夫を考えていく事が適切であり、寝ている事を勧める事は不適切です。

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03

正解は4です。問題文からAさんがターミナル期であることが読み取れます。また、食欲がないことが書かれています。このことから、好きなものを食べることで、少しでも体にエネルギー源が入ることや生きていることへの心のハリを得ることができます。

他の選択肢については以下のとおりです。
1→ご本人の意向に対する配慮に欠けているため、不適切です。

2→Aさんは伝い歩きできます。Aさんからトイレに関して相談を受けているわけではないので不適切です。

3→麻薬に関しては医療行為のため、ホームヘルパーがこの点に関して言える立場ではありません。

5→トイレを伝い歩きするほど、自分のできることをやっているAさんの気持ちを挫くことになります。不適切です。

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