介護福祉士の過去問
第28回(平成27年度)
認知症の理解 問80
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問題
介護福祉士国家試験 第28回(平成27年度) 認知症の理解 問80 (訂正依頼・報告はこちら)
Dさん(80歳、男性)は一人暮らしで、生活は自立していた。毎朝近所の公園でラジオ体操に参加していたが、2か月ほど前から、物忘れとぼうっとする様子が見られるようになった。また、歩行が不安定となり、最近では尿意を我慢できず失禁がある。Dさんの状態として、最も可能性の高いものを1つ選びなさい。
- 軽度認知障害(mild cognitive impairment)
- アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimer’s type)
- 正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus)
- 前頭側頭型認知症(frontotemporal dementia)
- 血管性認知症(vascular dementia)
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この過去問の解説 (3件)
01
正常圧水頭症の3大症状は、①認知機能障害②歩行障害③尿失禁です。
これらの知識があれば回答を導く出すことは簡単でしょう。
1.軽度認知症は健常者と認知症とのグレーゾーンと言われており、記憶障害はあるものの、日常生活は正常に送ることができます。
2.症状がかぶる点もありますが、アルツハイマー型認知症の初期症状は記憶障害であり、認知機能や歩行障害、尿失禁がこれだけ早期に起きることは考えにくい状況です。
4.ピック病といわれる病気で、若年性認知症の一つとされています。
性格の変化や理解不能な行動が特徴です。
5.脳梗塞後に起こる認知症であり、問題のケースにはあてはまりません。
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02
Dさんの特徴の中には「歩行が不安定」、「尿意が我慢できず失禁がある」というものがあります。
"軽度認知障害・アルツハイマー型認知症・前頭側頭型認知症(ピック症)"は、歩行の不安定や失禁といった症状は顕著にみられるものではないため、Dさんに当てはまる可能性は低いです。
"脳血管性認知症"であれば、歩行障害や尿失禁など、様々な運動機能の低下がみられることもありますが、脳卒中などの発作の再発が原因での機能低下や、日や時間帯によって状態が違う「まだら認知症」がみられるといった特徴があります。
"正常圧水頭症"は、通常、高齢者に起こる脳と神経に関わる病気。歩行障害、認知機能低下、尿失禁の3つの症状が特徴としてあげられ、問題に挙げられている特徴から、一番可能性の高いものに当てはまります。
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03
1.誤り。MCIと略されます。その名の通り、軽微な認知機能の低下が見られる疾患です。
①記憶障害の訴えが本人または家族によって認められる
②日常生活動作は正常
③全般的認知機能は正常
④年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害
⑤認知症ではない
となっています。
2.誤り。この病気は同じ年の試験問題で重複して出題されています。脳の機能が失われる巣症状が出現します。
また、ある程度症状が進むと失禁が増えます。理由としては、尿意便意の感覚が薄れたり、トイレの場所が分からないために間に合わず失禁するなどです。
3.正しい。この疾患は歩行に支障が出て、すり足のような状態が多く見られます。また、転倒が多くなったり、注意力が散漫になったりするほか、意欲の低下や尿失禁がみられるのが特徴です。
4.誤り。この病気は同じ年の試験問題で重複して出題されています。ピック病と呼ばれることもあります。性格の変化と行動が何となくおかしい(行動異常)ために気が付く人もいると思います。 行動異常については反社会行為にまで及ぶことがあり、このような場合、対応を専門職に委ねる必要があります。
5.誤り。この病気は同じ年の試験問題で重複して出題されています。主に脳梗塞・脳出血に伴い発症する認知症です。元々の病気(高血圧・糖尿病など)を悪化させないように治療していくことが必要です。
よって、選択肢3が正解となります。
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