介護福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
人間の尊厳と自立 問2
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問題
介護福祉士国家試験 第33回(令和2年度) 人間の尊厳と自立 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
自宅で生活しているAさん(87歳、男性、要介護3)は、7年前に脳梗塞(cerebral infarction)で左片麻痺となり、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用していた。Aさんは食べることを楽しみにしていたが、最近、食事中にむせることが多くなり、誤嚥を繰り返していた。誤嚥による緊急搬送の後、医師は妻に、「今後も自宅で生活を続けるならば、胃ろうを勧める」と話した。妻は仕方がないと諦めていたが、別に暮らしている長男は胃ろうの造設について納得していなかった。長男が実家を訪れるたびに、Aさんの今後の生活をめぐって口論が繰り返されていた。妻は訪問介護員(ホームヘルパー)にどうしたらよいか相談した。
介護福祉職の職業倫理に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
介護福祉職の職業倫理に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 「医療的なことについては発言できません」
- 「医師の判断なら、それに従うのが良いと思います」
- 「Aさん自身は、どのようにお考えなのでしょうか」
- 「息子さんの気持ちより、一緒に暮らす奥さんの気持ちが優先されますよ」
- 「息子さんと一緒に、医師の話を聞きに行ってみてください」
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3番です。
1 「医療的なことについては発言できません」→「~できません。」という否定は間違いが多いです。
2 「医師の判断なら、それに従うのが良いと思います」→確かに医師の判断は重要だが絶対ではないので間違いが多いです。
4 「息子さんの気持ちより、一緒に暮らす奥さんの気持ちが優先されますよ」→奥様ではなく、Aさんご本人の気持ちが重要です。
5 「息子さんと一緒に、医師の話を聞きに行ってみてください」→重要なのはAさんの気持ちになります。
ここで一番重要なのが、実際に胃ろうをするのはAさんということであり、まずはAさんの考えや意思が重要になってきます。よって、3 「Aさん自身は、どのようにお考えなのでしょうか」という設問が一番合っています。
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02
正解は、3です。
介護福祉職の職業倫理の一つに「本人の意思に基づき、自らの決定を尊重すること」が含まれます。
1.医療的なことについての発言は確かに控えるべきですが、突き放したような言い方は不適切です。生活全般についてのアドバイスは介護福祉職として行うことができます。そのため、不正解です。
2.長男の意見に配慮した発言ではないので不適切です。介護福祉職は中立的な立場をとることが重要です。そのため、不正解です。
3.介護福祉職の立場からは、当事者であるAさん本人の意見を尊重すべきです。正解です。
4.中立的な立場をとるべき介護福祉職の発言としては不適切です。そのため、不正解です。
5.医師は胃ろうを勧めています。長男の気持ちを考えると、中立的な立場からの発言とは言えません。そのため、不正解です。
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03
最も適切なものは3です。
優先されるべきは当事者のお考えです。
認知症などで当事者が状況を判断できない場合は
ご家族のお考えが優先されることもありますが、
この問題文ではAさんがご自身で判断できる状況にないという
情報はありません。
よって、3が最も適切です。
他の選択肢は以下のとおりです。
1.不適切です。
医療的なことについて発言できないのは確かなことですが、
相談を持ち掛けている奥さんに対する配慮やAさんの気持ちに欠けています。
2.不適切です。
医師が必要だと思っていても、同意がなければ胃瘻の増設はできません。
Aさんの気持ちを確認する必要があります。
4.不適切です。
相談をもちかけた奥さんには寄り添っていますが、
Aさんの気持ちを確認していません。
5.不適切です。
「息子さんと一緒に、医師の話を聞きに行ってみてください」というのは
相談というよりは指示に近い言い方です。
介護福祉職として言えることではありません。
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