介護福祉士の過去問 第33回(令和2年度) 障害の理解 問87
この過去問の解説 (3件)
ICF(国際生活機能分類)は、2001年にWHOにより制定されました。対象を「生活機能」としています。
ICFの前身は1980年のICIDH(国際障害分類)であり、「障害」を対象としていました。
ICFは「心身機能・構造」に問題が生じた状態を「機能障害(構造障害を含む)」、「活動」に問題が生じた状態を「活動制限」、「参加」に問題が生じた状態を「参加制約」としています。そしてこれらを統合したものを「障害」としています。
生活機能は「心身機能・構造」、「活動」、「参加」が相互に影響を与え合うとしています。また「健康状態」「環境因子」「個人因子」からも影響を受けるとし、これを相互作用モデルといいます。
ICFはあくまでも生活機能の分類であり、回復や治療、支援等を行わせるものではありません。
これらを踏まえて、正答は3となります。
正解は、3です。
ICF(国際生活機能分類)とは、障害の有無のみではなく、周囲の環境、社会参加状況など幅広い視点から個人を理解し、サポートしていくことを目的としています。
1.個人の問題としてとらえることは、ICFの考え方とは合っていません。そのため、不正解です。
2.病気、外傷だけでなく、環境の影響もICFの考え方に含まれます。そのため、不正解です。
3.さまざまな環境との相互作用を障害の要因の一つとしてとらえることは、ICFの考え方に合っています。正解です。
4.治療だけでなく、社会環境の改善もICFの目的に含まれます。そのため、不正解です。
5.医療だけでなく、社会環境の改善もICFの目的に含まれます。そのため、不正解です。
最も適切なものは3です。
ICFの社会モデルによる障害の捉え方は、
障害を個人の特性ではなく、主として社会によって
作られた問題と考えることで、
社会的な「参加」と「環境因子」に着目します。
他の選択肢については以下のとおりです。
1.不適切です。
ICFの背景因子の「個人」に着目した見方です。
2.不適切です。
ICFの「心身機能・身体機能」に着目した見方です。
4.不適切です。
ICFの医学モデルによる捉え方です。
5.不適切です。
ICFの医学モデルによる捉え方です。
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