介護福祉士の過去問
第33回(令和2年度)
総合問題 問122

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問題

介護福祉士国家試験 第33回(令和2年度) 総合問題 問122 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問題に答えなさい。

〔事例〕
Aさん(10歳、男性)は、自閉症スペクトラム障害(autism spectrum disorder)であり、多動で発語は少ない。毎日のように道路に飛び出してしまったり、高い所に登ったりするなど、危険の判断ができない。また、感情の起伏が激しく、パニックになると止めても壁に頭を打ちつけ、気持ちが高ぶると騒ぎ出す。お金の使い方がわからないため好きなものをたくさん買おうとする。
現在は、特別支援学校に通っており、普段の介護は母親が一人で担っている。

Aさんのサービス利用開始から6か月が経ち、支援の見直しをすることになった。Aさんの現状は、散歩では周囲を気にせず走り出すなど、まだ危険認知ができていない。介護福祉職はルールを守ることや周りに注意するように声かけをするが、注意されるとイライラし、パニックになることがある。
一方で、スーパーではお菓子のパッケージを見て、硬貨を出し、長時間その場から動こうとしない。介護福祉職は、Aさんがお菓子とお金に注目している様子から、その力を引き出す支援を特別支援学校に提案した。
介護福祉職が特別支援学校に提案した支援の背景となる考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • エンパワメント(empowerment)
  • アドボカシー(advocacy)
  • ピアサポート(peer support)
  • ノーマライゼーション(normalization)
  • インクルージョン(inclusion)

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この過去問の解説 (3件)

01

1、適切です。

エンパワメントとは、その人が本来持っている力を引き出し、自らの能力を自覚して生活できるよう援助することをいいます。

2、適切ではありません。

アドボカシーとは、障害などで自らの権利を主張することが困難な人に代わって、代理人が権利を擁護したり、代弁したりすることです。

3、適切ではありません。

ピアサポートとは、障害やがん患者など、同じような悩みを持っている人たちが気持ちを話すことで、お互いを支えあうことです。

4、適切ではありません。

ノーマライゼーションとは、障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すことです。

5、適切ではありません。

インクルージョンとは、障害があっても地域で地域の資源を利用し、市民が包み込んだ共生社会を目指すことです。

参考になった数59

02

最も適切なものは1です。

エンパワメントとは本来「能力や権限を与える」という意味で、

患者やその家族が自らの生活をコントロールできるように

援助することを指します。事例には「Aさんがお菓子とお金に

注目している様子から、その力を引き出す支援を特別支援学校に提案」

とあります。よってこれが適切です。

他の選択肢については以下のとおりです。

2.不適切です。

アドボガシーは擁護や代弁を意味します。

自分でうまくいえない障害者や高齢者にかわり意思を伝えることです。

よって不適切です。

3.不適切です。

ピアサポートは仲間同士の支え合いです。

アルコール依存症や薬物依存症のケアでよく行われるものです。

よって不適切です。

4.不適切です。

ノーマライゼーションとは、障害者や高齢者などが一般の人と

同じように生活できるよう社会基盤や福祉の充実などを整備していくことです。

よって不適切です。

5.不適切です。

インクルージョンとは「社会的包摂」と訳され、

地域包括ケアのもととなった考え方です。

よって不適切です。

参考になった数18

03

正解は1番です。

(正解)1 エンパワメント(empowerment)→正解になります。エンパワメントは、その人(個人)が本来持っている力を引き出して、自分の持っている能力を自覚して生活できるよう援助することをいいます。

2 アドボカシー(advocacy)→間違いになります。アドボカシーとは、擁護、代弁の意味になります。自分の言いたい事を代わりに伝えてくれることをいいます。

3 ピアサポート(peer support)→間違いになります。ピアサポートとは同じような悩みを持った人が集まって仲間同士で支え合うことをいいます。

4 ノーマライゼーション(normalization)→間違いになります。ノーマライゼーションとは、障害者や高齢者などが一般の人と同じようにいきいきと生活していけるような社会にしていく事をいいます。

5 インクルージョン(inclusion)→間違いになります。インクルージョンとは、包括・包含という意味で障害があっても地域資源を利用し、共に生きる共生社会を目指すことをいいます。

参考になった数13