介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
社会の理解 問9

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 社会の理解 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

Cさん(78歳、男性、要支援1)は、公的年金(月額19万円)で公営住宅の3階で一人暮らしをしている。妻と死別後も通所型サービスを利用し、自炊を楽しみながら生活している。最近、膝の具合がよくないこともあり、階段の上り下りが負担になってきた。そこで、転居について、通所型サービスのD介護福祉士に相談をした。
次のうち、D介護福祉士がCさんに紹介する住まいの場として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
  • 介護付有料老人ホーム
  • 軽費老人ホームA型
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 養護老人ホーム

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

Cさんは要支援1であり、自炊を楽しみながら生活をしています。

そのため、入所後も自炊を続けることができる選択肢のある4が適切です。

1→入居条件は、要支援2または要介護1以上の認知症患者である必要があります。

Cさんは要支援1のため、対象外です。

2→日常生活において、ほぼ自立していると考えられるため

介護付きである必要はないと考えられます。

3→家族による支援が困難な方、自炊ができない程度の身体機能の低下がある方が対象で、A型は食事付きです。

自炊を楽しみにしているCさんのニーズには合わないため、不適切です。

5→経済的に困窮している高齢者の為の支援施設です。

Cさんは、経済的問題はないため入所基準に満たしていません。

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02

この問題では、居住系サービスの機能や役割が理解できているかが問われています。

選択肢1. 認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)

認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)は、要介護の認知症高齢者のための住居です。問題文にCさんが認知症であるという記述はないのでこの選択肢は適切ではありません。

選択肢2. 介護付有料老人ホーム

介護付有料老人ホームは、介護保険上の特定施設入居者生活介護の指定を受けた、介護や日常生活上の世話を受けることができる要介護の高齢者向けの住居です。Cさんは、要支援1で自炊も行っているため、介護付きである必要はないと考えられます。

選択肢3. 軽費老人ホームA型

軽費老人ホームA型は、低所得高齢者のために食事の提供や日常生活上必要な便宜を行う住居です。Cさんの年金額や『自炊を楽しんでいる』という記述からこの選択肢は適切ではありません。

選択肢4. サービス付き高齢者向け住宅

サービス付き高齢者向け住宅は、要支援又は要介護の認定を受けた単身者もしくは夫婦世帯の高齢者が居住できる賃貸住居です。バリアフリー構造であることと安否確認・生活相談が必須のサービスです。その他のサービスは各施設により任意であるため、楽しみである自炊を続けることができ、かつ膝の負担を軽減させるバリアフリー構造であるサービス付き高齢者向け住宅が最も適切です。

選択肢5. 養護老人ホーム

養護老人ホームは、環境的・経済的に困窮した高齢者のための入所施設です。老人福祉法上の施設として、措置制度が適用されています。よってこの選択肢は適切ではありません。

※措置制度…サービスの提供にあたって、市町村などの行政機関がサービス実施の要否・内容・提携主体を決定し、利用者にサービスを提供する仕組み。

まとめ

介護保険3施設(介護老人福祉施設・介護老人保健施設・介護療養型医療施設)の機能や特徴も併せて覚えておくとよいでしょう。

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03

正答4

1. 誤り。認知症対応型共同生活介護は、認知症のある要介護者が利用する施設です。Cさんに認知症がある等情報はなく、対象とはなりません。

2. 誤り。介護付有料老人ホームは、民間の事業者によって運営されている介護施設です。公的施設比べると費用が高くなることが多いです。Cさんは月19万円で生活をしているため、負担が大きいと考えられます。

3. 誤り。軽費老人ホームA型は、原則60歳以上の高齢者が入居する施設です。身体機能の低下により自立した生活が困難な場合に利用することができます。Cさんは通所介護を利用しながら自炊して生活が行えているため、適切ではないと考えられます。

4. 正答。サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認や様々なサービスを受けられるバリアフリー対応の賃貸住宅です。比較的介護度が低い方が、自宅での生活が難しくなってきた際に利用されることが多い住宅です。Cさんも自炊するなど身の回りのことができる一方で、階段の上り下りが大変になってきているため、バリアフリーの住宅が適していると考えられます。

5. 誤り。養護老人ホームは、身体的・精神的・環境的・経済的な理由により、自宅での生活が困難になった高齢者を受け入れ、社会復帰を目指す住宅です。特に経済的に困窮している高齢者を受け入れる場所とされています。基本的に介護サービスを利用することはできません。Cさんは経済的に困窮している様子はなく、通所サービスを利用しながら生活が行えているため、適切ではありません。

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