介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
介護の基本 問26
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 介護の基本 問26 (訂正依頼・報告はこちら)
訪問介護員(ホームヘルパー)が、利用者や家族からハラスメント(harassment)を受けたときの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 利用者に後ろから急に抱きつかれたが、黙って耐えた。
- 利用者から暴力を受けたので、「やめてください」と伝え、上司に相談した。
- 利用者が繰り返す性的な話を、苦痛だが笑顔で聞いた。
- 家族から暴言を受けたが、担当なのでそのまま利用者宅に通った。
- 家族からサービス外のことを頼まれて、断ったら怒鳴られたので実施した。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は2です。
利用者やその家族からのハラスメントに対しては、
我慢せずに毅然とした態度で対応し
上司に相談、報告をする必要があるため選択肢2が適切です。
1、3、4、5→厚生労働省が発表している
「介護現場におけるハラスメント対策マニュアル」で、
事業者が具体的に取り組むべきこととして
・マニュアル等の作成や、基本方針の職員・利用者・家族への周知、
報告、相談窓口の設置(体制の構築)
・職員からの速やかな報告・連絡、詳細状況等の把握・分析、
専門機関への相談(発生時の対応)
・マニュアル等の見直しと、再発防止の対応策の策定、
発生事例をもとにした意見交換・利用者やその家族への再周知(発生後の改善)
これらが挙げられており、この考えをもとに
具体的な対策や体制づくりをしていく必要があります。
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02
正答2
介護職員が安心して働くことができるよう、ハラスメント対策を含む職場環境・労働環境の改善を図っていくことが必要です。
1. 誤り。利用者が行なった行為でも、セクシャルハラスメントに該当します。黙って耐えてしまうと、行為が認められていると解釈されてしまう可能性があります。抱きつくという行為に対しては、キッパリと拒否を示すことが望ましいです。
2. 正答。暴力対して拒絶する対応をとることで、利用者に対して該当する行為が正しくないことを伝える必要があります。また、自分の中だけで収めず、上司に相談することで他の職員も同様の行為から守ることができます。
3. 誤り。設問1と同様に、セクシャルハラスメントに該当するため、キッパリと「やめてください」と伝えることが必要です。
4. 誤り。家族からの暴言もハラスメントに該当します。担当とはいえ、度を過ぎた要求や態度に対しては事業所の上司に相談下請けで、対応を検討することが望ましいです。
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03
訪問介護員(ホームヘルパー)など1対1になりやすい環境は、ハラスメントのリスクが高まる場面でもあります。介護福祉職としての適切な対応を理解できているかが問われている問題です。
誤答です。抱きつかれるという行為はセクシャルハラスメントになります。訪問介護員が黙って耐えることによって、その行為を容認していると利用者に思わせてしまう可能性があるので、適切ではありません。
正答です。病気や障害に起因する暴力だったとしても、許される行為ではありません。毅然とした態度でやめるよう伝え、再びそのようなことが起こらないよう上司に相談し、解決への道を探っていく必要があります。
誤答です。繰り返される性的な話もセクシャルハラスメントになります。笑顔で聞くことは、その行為を容認していると利用者に誤ったメッセージとして伝わる可能性があるので、適切ではありません。
誤答です。家族からの暴言は精神的暴力に当たります。ひとりで抱え込みそのまま利用者宅に通うのではなく、上司や事業所に相談し適切に対応する必要があります。
誤答です。サービス外のことを頼まれる理不尽な要求や怒鳴られることは精神的暴力に当たります。サービスの範囲については契約時など事前に説明し、双方の認識が合っていることを確認することが大切です。
介護サービスの利用者や家族等からの身体的暴力・精神的暴力・セクシャルハラスメントが、介護現場におけるハラスメントとして挙げられています。
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