介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
生活支援技術 問36
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問36 (訂正依頼・報告はこちら)
Lさん(25歳、男性)は、第7胸髄節(Th7)を損傷したが、現在、状態は安定していて、車いすを利用すれば1人で日常生活ができるようになった。図はLさんの自宅の浴室であり、必要な手すりは既に設置されている。
Lさんが1人で浴槽に入るための福祉用具として、最も適切なものを1つ選びなさい。
Lさんが1人で浴槽に入るための福祉用具として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 段差解消機
- ストレッチャー
- すべり止めマット
- 四点歩行器
- 移乗台
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この過去問の解説 (3件)
01
正答 5
第7胸椎損傷では、両下肢と胴体の運動麻痺、胸郭から下の感覚喪失が生じます。両腕の機能は保たれるため、上肢を使用した代償的な活動が行えます。
Lさんが自宅で入浴する方法としては、上肢を用いて車椅子から浴槽に移乗を行えるようになることです。車椅子と浴槽の間に移乗台を用いることで、安全な移乗動作が行えるようになります。
1. 誤り。両上肢の機能が保たれているため、段差解消機を使用する必要はありません。
2. 誤り。自力での移乗が可能であると想定されるので、ストレッチャーを使用する必要はありません。
3. 誤り。スムーズな移乗を行うには臀部を滑りやする方が望ましいです。すべり止めを使用すると移乗動作の妨げになると考えられます。
4. 誤り。両下肢の運動機能は失われているため、歩行器を使用する利点がありません。
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02
この問題では、脊髄損傷において損傷の位置とそれに応じて生じる身体への影響が理解できているか、また、障害の程度に合わせた適切な福祉用具を選択することができるかが問われています。
誤答です。段差解消機とは、車椅子のまま設置された台に乗り、上下に動くことで段差を乗り越える機械です。スロープのない階段などで使われるものであり、浴室で使われるものではありません。
誤答です。ストレッチャーは、自力での移動や車椅子の使用が困難な人を、臥位で移動させるための器具です。浴室用のストレッチャーもありますが、Lさんは車椅子を自力で使用しているため適切ではありません。
誤答です。すべり止めマットは、浴槽内や洗い場の床に敷いて足元が滑るのを防止するためのマットです。第7胸髄を損傷したLさんは下肢麻痺の状態であり、立ち上がって移動するのではなく、上肢の力で移動すると考えられます。よってこの選択肢は適切ではありません。
誤答です。四点歩行器は、身体を囲むように作られている4脚の歩行器です。Lさんは第7胸髄の損傷で下肢麻痺の状態にあると推測できるので、歩行を補助するための四点歩行器の使用は適切ではありません。
正答です。移乗台は、座ったままの状態で安全に浴槽に入るための福祉用具です。浴槽のふちに設置し、高さを合わせることで座ったまま湯舟を跨ぐ動作を行うことができます。下肢麻痺があり、上肢の力で移動を行うLさんが1人で浴槽に入るのに適した福祉用具です。
脊髄損傷の種類と、それに応じて生じる麻痺の部位も併せて覚えておくとよいでしょう。
頚髄損傷…四肢麻痺
胸髄損傷…体幹麻痺・下肢麻痺(対麻痺)
腰髄損傷…下肢麻痺(対麻痺)
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03
正解は5です。
「車いすを利用すれば1人で日常生活ができるようになった。」
とあるため、上肢の力を利用し浴槽への出入りが出来るように
以上台の設置が適切です。
1→主に玄関での段差を乗り越えるために利用されるものです。
2→ストレッチャーは、寝たきりなど重度の利用者が利用するものです。
そのため、選択肢2は不適切です。
3→すべり止めマットは、主に浴槽内で使用されるものです。
Lさんは日常生活で車椅子を利用しており、
1人で浴槽に入るための福祉用具との記述から、選択肢3は不適切です。
4→四点歩行器は、自力での歩行が困難となった利用者の
介助用・リハビリ用として利用されるものであり、
日常生活でLさんは車椅子を利用しているので、選択肢4は不適切です。
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