介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
生活支援技術 問39

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問39 (訂正依頼・報告はこちら)

Mさん(84歳、男性)は、10年前に脳梗塞(cerebral infarction)で右片麻痺(みぎかたまひ)になり、右上肢の屈曲拘縮がある。今までは自分で洋服を着ていたが、1週間ほど前から左肩関節の周囲に軽い痛みを感じるようになり、上着の着脱の介護が必要になった。
Mさんへの上着の着脱の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 服を脱ぐときは、右上肢から脱ぐ。
  • 右手首に袖を通すときは、介護福祉職の指先に力を入れて手首をつかむ。
  • 右肘関節を伸展するときは、素早く動かす。
  • 右肘に袖を通すときは、前腕を下から支える。
  • 衣類を準備するときは、かぶり式のものを選択する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

右片麻痺とのことから、

麻痺側である右肘に袖を通すときは、

前腕を下から支えて保護します。

そのため、選択肢4が適切です。

1→洋服を脱ぐときは、麻痺のない左側から脱ぎます。

2→手首をつかむのではなく、下から支えることにより

痛みを感じにくくなります。

あらかじめ袖をたくし上げておくと

すんなりと腕を通しやすくなります。

3→素早く動かすことで、脱臼などの事故が起きる可能性があります。

そのため、下から支えるようにゆっくり丁寧に行います。

5→屈曲拘縮があり痛みを感じているMさんにとって、

かぶり式の衣類の場合負担となってしまいます。

前開き式の衣類の方が、Mさん・介護者共に

負担が少なくスムーズに着脱出来ます。

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02

正答4

1. 誤り。Mさんは右片麻痺です。服を脱ぐ際は非麻痺側の左上肢から袖を脱ぎ、最後に右上肢を脱ぐ方が麻痺側の上肢への負担を減らすことができます。

2. 誤り。脳梗塞を患った方は、血栓予防のために抗凝固薬を服用していることが多いです。抗凝固薬を服用している場合、強い力で手首を掴んでしまうと痣ができやすいため、指先に力を入れず手のひら全体で優しく支える方法が望ましいです。

3. 誤り。麻痺している筋肉を素早く動かすと、筋肉が収縮してしまい関節伸ばすことが困難となってしまいます。右肘を伸展する際は、ゆっくりと痛みの出ない範囲で動かしましょう。

4. 正答。麻痺している腕は自力で支える力が弱くなり、重く感じます。前腕を下から支えることで、上肢の重みを軽減することができます。

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03

身体に麻痺や痛みがある要介護者(この問題では右上肢の屈曲拘縮)に対しての適切な着脱介助方法を理解できているかが問われています。

選択肢1. 服を脱ぐときは、右上肢から脱ぐ。

誤答です。服を脱ぐときは健側(Mさんの場合は左上肢)から脱ぎます。

選択肢2. 右手首に袖を通すときは、介護福祉職の指先に力を入れて手首をつかむ。

誤答です。麻痺側に触れる時は手のひら全体を使って優しく触れる必要があります。

選択肢3. 右肘関節を伸展するときは、素早く動かす。

誤答です。素早く動かすのは関節に負担がかかり危険です。ゆっくりと痛みがないか確認しながら伸展させましょう。

選択肢4. 右肘に袖を通すときは、前腕を下から支える。

正答です。設問の通りです。上から持つと指先に力が入ってしまったり、手を滑らせたりして、怪我をさせてしまう可能性があります。優しくしっかり下から支えましょう。

選択肢5. 衣類を準備するときは、かぶり式のものを選択する。

誤答です。上肢に麻痺がある場合は(特にMさんは左肩にも痛みを感じているので)前開き式が負担が少なく適切です。

まとめ

麻痺や痛みなどで衣服の着脱動作が困難な要介護者に対しては、前開き式の他に、生地は伸縮性のあるもの襟ぐりが広いものなどを選ぶとよいでしょう。

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