介護福祉士の過去問 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問40
この過去問の解説 (3件)
正解は2です。
上顎部の汚れが喉へ流れないように、
奥から手前に向けて口腔ケアをします。
1→スポンジブラシに水分を大量に含ませ使用すると
誤嚥してしまう恐れがあります。
水で湿らせた後は、余分な水分をガーゼでふき取ってから使用します。
3→栄養剤の注入後すぐに口腔ケアを行うと、
刺激が原因で、嘔吐や逆流を引き起こし
誤嚥して、重大な事故につながる恐れがあります。
そのため、栄養剤注入前もしくは栄養剤注入後に
一定の時間を空けてから口腔ケアを行う必要があります。
4→口腔内が乾燥することで、唾液の持つ自浄作用が失われ、
口腔細菌の増殖、歯周病の増悪、舌苔や虫歯の増加、口臭の悪化が懸念されます。
そのため、口腔ケア終了後は
口腔湿潤用ジェルを使用したり、居室内の湿度を保つなどして
口腔内の乾燥を防ぐことが大切です。
5→栄養剤注入後に口腔ケアを行うと、
誤嚥が起きる可能性があるため、
空腹時や栄養剤注入後一定時間を空けてから口腔ケアを行います。
正答2
経管栄養中は口で咀嚼をしないために、唾液の分泌が減って自浄作用が低下します。
1. 誤り。水分量が多すぎると誤嚥を起こす可能性があります。スポンジ部分に少量の水を含ませ、しっかり絞ってから使用します。
2. 正答。手前から奥に向かって清拭を行うと、誤嚥する危険が高くなります。そのため、奥側から手前に向かって清拭するのが望ましいです。
3. 誤り。注入後に口腔ケアを行うと、刺激で胃内容物の逆流や嘔吐が誘発され誤嚥する恐れがあります。そのため、栄養剤注入前か注入後一定の間隔を開けた空腹時に行う方が良いでしょう。
4. 誤り。口腔内が乾燥してしまうと、唾液の自浄作用が低下し雑菌が繁殖しやすくなります。口腔内を保湿して終了します。
5. 誤り。3でも説明しましたが、胃内容物の逆流を避けるため、空腹時に行う方が望ましいです。
口腔ケアに関する正しい知識を有しているかということに加えて、経管栄養を行っている利用者の身体の状態や配慮すべき事柄について理解できているかが問われています。
選択肢1. スポンジブラシは水を大量に含ませて使用する。
誤答です。経管栄養を行っているということは、嚥下機能が低下しているということになります。水を大量に含ませて使用すると、その水で誤嚥する危険性があります。水分が落ちない程度に湿らせて使用するのが適切です。
選択肢2. 上顎部は、口腔(こうくう)の奥から手前に向かって清拭する。
正答です。汚れが喉の方へ流れていき、誤嚥を起こしてしまうのを防ぐために、上顎部(上顎部だけでなく口腔内)の清拭は奥から手前に向かって行います。
選択肢3. 栄養剤注入後すぐに実施する。
誤答です。栄養剤注入直後に口腔ケアを行うと、その刺激により嘔吐が誘発され誤嚥を起こす可能性があります。口腔ケアは経管栄養の前か一定時間を置いた後に行うのがよいでしょう。
選択肢4. 口腔内(こうくうない)を乾燥させて終了する。
誤答です。経管栄養を行っている利用者は、唾液の分泌の減少により自浄性が低下し、細菌が繁殖しやすい状況にあります。口腔保湿剤などで、口腔内を保湿させてから終了とします。
選択肢5. 空腹時の口腔(こうくう)ケアは避ける。
誤答です。経管栄養直後は、胃の内容物が逆流を起こしやすい状態にあります。よって、空腹時に口腔ケアを行うのが望ましいでしょう。
経管栄養を行っている利用者のへ口腔ケアだけでなく、麻痺のある利用者への口腔ケア時の注意点なども併せて覚えておくとよいでしょう。
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