介護福祉士の過去問 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問53
この過去問の解説 (3件)
正解:1
1:〇
→汚れた衣類を隠してしまう行為は、自尊心を守るために取繕ってしまう自衛的な行動です。
否定するのではなく、周囲が本人の行動に合わせた対応を取ることがポイントです。
2:×
→タンスに注意書きを貼る行為は本人の自尊心を傷つけてしまうことになるため、誤りです。
3:×
→「監視」という言葉には、「悪いことをしないように見張る」という意味にとれます。
排泄の様子を見張るという行為は本人の自尊心を傷つけるため、適切ではありません。
排泄後にさりげなく衣類を確認させてもらうなど、最大限羞恥心に配慮した対応が必要です。
4:×
→つなぎ服を着せるという行為は、本人が自らの意思で衣類の着脱をできなくするということな
なので、身体拘束に該当します。
本人や周囲の人の生命や身体に危険を及ぼす状況でない限り 身体拘束を行うことは禁止され
ています。
5:×
→間違いを指摘したり怒ったりすると、かえって取繕い行動や混乱を招きます。
隠された汚れ物を見つけたときは、さりげなく片付けるようにしましょう。
正解は 1 です。
認知症高齢者に対応する上で大切なのは、その言動の理由を探り、自尊心を傷つけず、個々に合わせた対応を行うことです。
1.○ 衛生面と羞恥心への配慮からこの選択肢が最も適切であると考えられます。
2.× 誰の目にも触れられるこの方法は、羞恥心への配慮が欠けていると考えられるため適切ではありません。
3.× 『監視』とは「見張ること、取り締まること」という意味であり、介護福祉士の在り方として適切ではありません。
4.× この利用者は自らトイレに行き、一連の排泄動作は行えていると推測されるので、その動作をより困難にさせるつなぎ服を勧めることに全く効果はありません。
また『つなぎ服』は身体拘束として原則禁止されています。『厚生労働省「身体拘束ゼロへの手引き」(2001年)介護保険指定基準において禁止の対象となる具体的な行為』に「脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。」と明記されています。
5.× 注意や𠮟責は、かえって混乱をもたらし自尊心を傷つけ、逆効果になることもあります。
「タンスに隠してしまう」という文章から、この利用者が汚れた衣類を「どうしたらいいか分からない」「他者に知られたくない」という気持ちを推測することができます。
「なぜ隠すのか」という心理面に着目し、衣類を汚さずに生活を送れるようになるケアが求められます。
この問題でポイントとなるのは、利用者の自尊心を守りつつ対応することです。
1:〇
タンスの中に汚れた衣類を入れることは、汚れた衣類(失敗)を他人に見られたくないという自尊心が働いたと予想できます。そのため、汚れた衣類を入れる場所を確保することは適切と考えます。
2:×
貼紙をすることは、他者にも知られてしまう可能性があり、利用者の自尊心を傷つける可能性があります。対応として適切ではありません。
3:×
トイレに同行して”近く”で監視することは、自尊心を傷つける可能性があります。そのため対応として適切ではありません。
4:×
つなぎ服を着用してしまうと、衣服の着脱が困難になり自力でトイレ動作を行うことが困難です。また身体拘束に該当し、原則として禁止されてます。対応としては不適切です。
5:×
汚れた衣類を隠す行動は自尊心を守る働きによるものです。それを毎回注意すると自尊心を傷つける可能性があります。そのため適切な対応ではありません。
汚れた衣類を隠す利用者への対応は、自尊心を傷つけないように配慮しながら対応することが大切です。
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