介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
生活支援技術 問58
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 生活支援技術 問58 (訂正依頼・報告はこちら)
Bさん(102歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。高齢による身体機能の衰えがあり、機能低下の状態が長く続いていた。1週間前から経口摂取が困難になった。1日の大半は目を閉じ、臥床状態(がしょうじょうたい)が続いている。医師から、「老衰により死期が近い」と診断され、家族は施設で看取りたいと希望している。
死が極めて近い状態にあるBさんの看取りに必要な情報として、最も適切なものを1つ選びなさい。
死が極めて近い状態にあるBさんの看取りに必要な情報として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 体重の減少
- 夜間の睡眠時間
- 延命治療の意思
- 嚥下可能(えんげかのう)な食形態
- 呼吸の状態
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この過去問の解説 (3件)
01
正解:5
1:×
→健康管理の上で体重減少について把握することは大切なことです。しかしこの設問ではすでに家族が看取りを選択し、積極的な対処を行わないことを指しています。このため、体重の減少に関する重要度は低くなります。
2:×
→健康管理の上で睡眠時間の確保は大切なことです。しかしこの設問ではすでに「一日の大半を目を閉じて過ごしている」看取りの状態であり、常に臥床している状況のため重要度は低くなります。
3:×
→この設問では、自ら意思を示さなくなった本人に代わり家族が「看取り」を行うことを決めています。看取りを行うということは延命処置を実施ないことを意味することから、誤りです。
4:×
→この設問では、すでに1週間前から経口摂取が困難になっていると説明されています。嚥下可能な食形態の検討を行うべき段階はすでに過ぎていることから、誤りとなります。
5:〇
→死期が近くなると顎を動かしながら呼吸する下顎呼吸(努力呼吸)や、無呼吸の時間が長くなったり浅く速い呼吸を繰り返したりする状況となります。看取りケアにおいては対象者の呼吸状態を把握し、死期が近づいたら速やかに家族へ連絡して別れの時間を設けるなどの対応が重要です。
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02
正解は 5 です。
1.× 終末期において見られる段階の一つに『体重の減少』はあります。しかしこれに注意を払うべきは、体を動かし、食事ができている状態の時で「死が極めて近い状態」である現状では最も適切とはいえません。
2.× 終末期においては、死への不安や悲しみ・絶望感などから不眠を訴える利用者もいらっしゃいます。なので、夜間の睡眠時間を確認すべきは本人と意思疎通ができるもっと早い段階です。「1日の大半は目を閉じ」「死が極めて近い状態」である現状では最も適切とはいえません。
3.× 延命治療の意思については、本人や家族の意向が反映されます。設問では死期が近いことを告げられた家族が「施設で看取る」こと希望しているため、この選択肢は最も適切とはいえません。延命治療を行うか否かについては、本人の意向が確認できるもっと早い段階で、本人・家族がよく話合い、施設職員と意向を共有する必要があります。
4.× 設問では「1週間前から経口摂取が困難になった」とあります。食形態の変更については、嚥下が可能な時期に検討されるべきであり「死期が極めて近い」現状においては最も適切とはいえません。
5.○ 死の直前になると下顎(かがく)呼吸やチェーンストークス呼吸が見られることがあります。呼吸が乱れ、間隔があき、弱りながら徐々に最期の時を迎えます。「死が極めて近い」現状においては、最も適切であると判断されます。
下顎呼吸…顎を大きく動かし喘ぐような呼吸
チェーンストークス呼吸…無呼吸と深く速い呼吸が出現する異常呼吸
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03
この設問は、意思決定のできない状態の利用者の看取りに関する設問です。
どの選択肢が適しているか考えていきましょう。
1:×
体重の減少は、高齢者の健康状態を把握するために必要ですが、
この設問は機能低下の状態が長く続いている高齢者の看取りに必要な情報を選択するので、
最も適切とは言えません。
2:×
設問は、一日の大半は目を閉じている状態の高齢者の看取りに必要な情報ですから、
夜間の睡眠時間が最も適切とは言えません。
3:×
この設問は、医師が「老衰により死期が近い」と診断し、
家族も看取りを希望している臥床状態の高齢者ですから、最も適切な情報とは言えません。
延命治療については、意思決定ができるうちにご本人の意思を確認し、
家族の意思と合わせて確認しておく必要があります。
4:×
摂食ができる時期に、嚥下可能な食形態を選定することは大切ですが、
この設問は、1週間前から経口摂取が困難になった高齢者の看取りに必要な情報ですから、
嚥下可能な食形態が最も適切な情報とは言えません。
5:〇
死期が近づくと呼吸が不規則になり、下顎呼吸という、
下顎を大きく動かして喘ぐような呼吸になります。
この設問のように、死期が近い高齢者の場合、
下顎呼吸が観察されたら、速やかに家族に連絡し、
最期の看取りに備える時間を設けることが最も適切と考えます。
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