介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
介護過程 問66
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 介護過程 問66 (訂正依頼・報告はこちら)
Cさん(84歳、女性、要介護3)は、2か月前に自宅で倒れた。脳出血(cerebral hemorrhage)と診断され、後遺症で左片麻痺(ひだりかたまひ)になった。Cさんは自宅での生活を希望している。長男からは、「トイレが自分でできるようになってから自宅に戻ってほしい」との要望があった。そのため、病院から、リハビリテーションを目的に介護老人保健施設に入所した。
入所時、Cさんは、「孫と一緒に過ごしたいから、リハビリテーションを頑張りたい」と笑顔で話した。Cさんは、自力での歩行は困難だが、施設内では健側を使って車いすで移動することができる。また、手すりにつかまれば自分で立ち上がれるが、上半身が後ろに傾くため、移乗には介護が必要な状態である。
入所時に介護福祉職が行うアセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
入所時、Cさんは、「孫と一緒に過ごしたいから、リハビリテーションを頑張りたい」と笑顔で話した。Cさんは、自力での歩行は困難だが、施設内では健側を使って車いすで移動することができる。また、手すりにつかまれば自分で立ち上がれるが、上半身が後ろに傾くため、移乗には介護が必要な状態である。
入所時に介護福祉職が行うアセスメント(assessment)に関する次の記述のうち、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
- 自力で歩行ができるのかを確認する。
- 排泄(はいせつ)に関連した動作について確認する。
- 孫と面会する頻度について希望を聞く。
- リクライニング車いすの活用について尋ねる。
- 住宅改修に必要な資金があるのかを確認する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解:2
1:×
→家族は在宅復帰を受け入れるためには「トイレが自分でできるようになってから」と希望しています。現状は車椅子を使って自力移動ができているため、自力で歩行する能力については特段求められている状況ではないため、適切とは言えません。
2:〇
→家族が希望しているのは「トイレが自分でできるようなってから」と説明していることから、現在は自力での排泄動作は難しい状態であると考えられます。そのため、どこを改善すれば自力で排泄動作ができるようになるのかを判断するため、現在の排泄関連動作を確認する必要があります。
3:×
→Cさん本人は「孫と一緒に過ごしたい」と話していますが、これは「在宅復帰してまた孫と一緒に暮らしたい」という意味であり、施設に孫が面会に来ることを求めているということではありません。よって、孫との面会頻度について調整する優先度が高いとは言えません。
4:×
→リクライニング車椅子は、主に通常の車椅子では座位を保つことが難しい方に対して使用されます。Cさんの場合、現時点で車椅子を自操して移動することが出来ていることから、座位を十分保つことが出来る能力があると判断できるため、リクライニング車椅子を使用する必要はありません。よって、この選択肢は誤りです。
5:×
→住宅改修は、利用者の身体状況と家屋の状況を総合的に判断し、必要性が認められた後に検討します。また、介護保険制度における住宅改修の支給対象となるのは在宅の被保険者であり、入所間もないCさんの場合は給付対象となりません。よって、この選択肢は誤りです。なお、住宅改修費の支給は事前申請が原則ですが、退院・退所に向けて環境整備が早急に必要になる場合は自治体の判断により事後申請が認められる場合があります。
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02
正解は 2 です。
この問題を回答する上でのポイントは、
・Cさんは今後自宅での生活を希望している。
・家族からは、在宅復帰は排泄行為が自立してからという要望がある。
・左片麻痺で車椅子使用だが、手すりにつかまれば立ち上がれる。しかし上半身が後ろに傾くため、現時点では移乗に介護が必要。
という三点です。
介護老人保健施設は、在宅復帰に向けてリハビリテーションなどを行い、生活の再構築を目指すという目的を持つ施設であるという視点を持つことも大切です。
1.× 上記の観点から、在宅復帰に必要なのは『自力で歩行ができるかどうか』ではないということが導き出されるため、この選択肢は最も優先すべきとはいえません。
2.○ 上記の観点から、両者の意向を踏まえ在宅復帰をかなえるためにはCさんの排泄行為の自立が最優先されるべき課題として浮かび上がってきます。なので、現在の排泄動作を確認するというこの選択肢が最も優先されます。
3.× 孫と一緒に過ごすことをモチベーションとしているので、アセスメントの一環としてこのことを聞くのも大切ですが、この問題では最優先すべきものを問われているので、この選択肢は適切ではありません。
4.× リクライニング車いすは、主に座位保持が困難な方に使用されます。Cさんの身体状況では使用に適していません。
5.× 現時点で車いすを使用しているCさんが在宅復帰をするに当たって、自宅での車いすの使用の可否と、住宅改修の必要性の有無は必要な情報といえますが、資金の有無の確認は最優先ではありません。
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03
この設問の情報を整理します。
Cさん(84歳、女性、要介護3)は、左片麻痺です。
Cさんは、自宅での生活を希望しており、
家族からは、「トイレが自分でできるようになってから自宅にもどってほしい」と要望があります。
Cさんの状態は、施設内では健側をつかって車いすで移動することができる。
手すりにつかまれば自分で立ち上がれるが、上半身が後ろに傾くため、移乗には介護が必要です。
答:×
家族の要望は、「トイレが自分でできるようになってから自宅にもどってほしい」であり、
自力歩行の確認がもっとも適切とはいません。
答:〇
家族の要望「トイレが自分でできるようになってから自宅にもどってほしい」に沿っています。
最も適切な選択肢といえます。
答:×
面会の頻度を確認することは、施設内生活においてのQOLを考えると必要といえますが、
今回の設問は、自宅での生活を希望している女性であり、
問題文の中に孫も登場していません。
以上より適切な回答ではありません。
答:×
リクライニング車いすは通常の車いすで座位が保持できない方が使用します。
健側を使って車いすで移動できるCさんですから、
リクライニング車いすの活用について尋ねることは、適切とはいえません。
答:×
車いすで移動している状況ですから、Cさんの身体的状況と自宅の環境により、
改修が必要になることもあります。
しかし、必要な賃金があるかの確認は介護福祉職が行うアセスメントとして適切とはいえません。
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