介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
介護過程 問68
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 介護過程 問68 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事例〕
Dさん(73歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。
入居後、本人の同意のもとに短期目標を、「食事の準備に参加する」と設定し、順調に経過していた。ある日、Dさんが夕食の準備に来なかった。翌日、担当する介護福祉職が居室を訪ねて理由を聞くと、「盛り付けの見た目が・・・」と小声で言った。
当日のDさんの記録を見ると、「お茶を配ると席に座ったが、すぐに立ち上がり、料理を皿に盛り付けるEさんの手元を見ていた」「配膳された料理を見て、ため息をついた」とあった。その後、食事の準備には参加していないが、早く来て様子を見ている。また、食事中は談笑し、食事も完食している。
以上のことから再アセスメントを行うことになった。
カンファレンス(conference)が開かれ、Dさんの支援について検討することになった。Dさんを担当する介護福祉職が提案する内容として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Dさん(73歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)に入居した。
入居後、本人の同意のもとに短期目標を、「食事の準備に参加する」と設定し、順調に経過していた。ある日、Dさんが夕食の準備に来なかった。翌日、担当する介護福祉職が居室を訪ねて理由を聞くと、「盛り付けの見た目が・・・」と小声で言った。
当日のDさんの記録を見ると、「お茶を配ると席に座ったが、すぐに立ち上がり、料理を皿に盛り付けるEさんの手元を見ていた」「配膳された料理を見て、ため息をついた」とあった。その後、食事の準備には参加していないが、早く来て様子を見ている。また、食事中は談笑し、食事も完食している。
以上のことから再アセスメントを行うことになった。
カンファレンス(conference)が開かれ、Dさんの支援について検討することになった。Dさんを担当する介護福祉職が提案する内容として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
- 食器の満足度を調べること。
- 昼食時だけでも計画を継続すること。
- 居室での食事に変更すること。
- 食事の準備の役割を見直すこと。
- 食事以外の短期目標を設定すること。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解:4
1:×
→Dさんが食器に対する不満を示している状況がないため、食器の満足度を調べる必要性は認められません。
2:×
→Dさんが食事の準備に参加できていない今の現状について不満を感じていることが明らかです。無理に現状のまま支援を継続することはDさんの意欲を低下させることにもつながることから、計画の見直しが必要な状況です。よって、この選択肢は誤りです。
3:×
→日頃から食事中は周囲の方と談笑して食事を楽しんでいることから、居室での食事に変更することはDさんの意向に反します。それだけでなく、Dさんを孤立させる原因にもなってしまうため、この選択肢は適切な対応ではありません。
4:〇
→DさんはEさんの食事の盛り付けが気になっており、「自分が盛り付けをしたい」と希望している様子も見て取れます。このことから、Eさんからも協力してもらったうえで食事の準備の役割を見直すという対応が適切です。
5:×
→「食事の準備に参加する」と短期目標を決めたのは、Dさん本人の意思です。職員の判断だけで短期目標を変更することは適切ではありません。また、食事準備の役割を見直すことによって現状が改善する可能性が残されていることから、この短期目標を達成不可能と判断することも時期尚早です。
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02
正解は 4 です。
担当介護福祉職が提案すべきは『Dさんに今必要なことは何か』ということを問われている問題です。
本人の同意のもと設定した「食事の準備に参加する」という目標がかなえられていないことから再アセスメントを行い、Dさんの言動から『盛り付けに満足がいっていないのでは』という結論が導き出せます。以上を踏まえた上で回答を選ぶとよいでしょう。
1.× Dさんの言動からは、食器に不満を持っていることを推し測ることはできません。よってこの選択肢は最も優先すべきとはいえません。
2.× 担当介護福祉職が理由を訪ねた際に「見た目が…」と話をしています。なので、改善すべきはこの発言に隠されており、準備に参加する回数の問題ではないと分析できるので、この選択肢は適切ではありません。
3.× 「食事中は談笑している」という記録からは、周囲の利用者との関係は良好であることがうかがえます。孤立を促してしまう居室での食事を提案することは適切とはいえません。
4.○ 「食事の準備に参加はしない」が「盛り付けをするEさんの手元を見ている」「早く来て様子を見ている」という記録からは、『現在の盛り付けに思うところがあり、Dさんも盛り付けを行いたいのでは』と分析することができます。なので、この選択肢が適切であると考えられます。
5.× 「食事の準備に参加する」という短期目標に本人も同意しており、「早く来て様子を見ている」という記録からも『食事の準備』そのものには興味があると推測できます。なので、この選択肢が適切とはいえません。
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03
順調に経過してた短期目標ができなくなったことについて分析し、支援を検討する場面についての設問です。
Dさんの様子から、各選択肢について考えていきましょう。
答:×
Dさんが夕食の準備に来なかった翌日、「盛り付けの見た目が・・・」と小声で言った。
と設問にありますが、食器のことには触れていません。
さらに「Eさんの手元を見ていた」「配膳された料理を見て、ため息をついた」と設問にあります。
そのことより、盛り付けの見た目は、食器のことではないと解釈できます。
選択肢は不適切です。
答:×
現状の計画が実施できていない理由について、解決策が見いだせていない状況で
計画を継続することは不適切です。
「ある日、夕食の準備にこなかった」ことをきっかけに、「食事の準備に参加しなくなった」のであり、回数を限定しても解決策にはならないと考えられます。
答:×
「食事中は談笑し、食事も完食している」と設問に記載があります。
そのため、食事している場所が原因とは解釈できません。
よって選択肢は不適切です。
答:〇
設問中のDさんの様子について
「盛り付けの見た目が・・・」と小声で言った。
「料理を皿に盛り付けるEさんの手元を見ていた」
「配膳された料理を見て、ため息をついた」
と記載があります。
そのことから、Dさんも盛り付けを行いたいのではないかと解釈できます。
答:×
設問には、本人の同意のもとに短期目標を、「食事の準備に参加する」と設定したと記載があります。
また、食事の準備には参加していないが、早く来て様子を見ている という記載もあります。
以上より、Dさんが食事の準備に関心があると解釈できます。
そのため食事以外の短期目標にすることは、Dさんの意思に沿ってないと解釈できます。
選択肢は不適切です。
再アセスメントには、利用者の発言や行動を分析することが重要です。
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