介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
発達と老化の理解 問72
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 発達と老化の理解 問72 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(87歳、女性、要介護3)は、2週間前に介護老人福祉施設に入所した。Aさんにはパーキンソン病(Parkinson disease)があり、入所後に転倒したことがあった。介護職員は頻繁に、「危ないから車いすに座っていてくださいね」と声をかけていた。Aさんは徐々に自分でできることも介護職員に依存し、着替えも手伝ってほしいと訴えるようになった。
Aさんに生じている適応(防衛)機制として、最も適切なものを1つ選びなさい。
Aさんに生じている適応(防衛)機制として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 投影
- 退行
- 攻撃
- 抑圧
- 昇華
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 2 です。
適応(防衛)機制とはアンナ・フロイトが提唱した「欲求不満や緊張・不安などのストレスがかかった状態から自分を守り、心理的欲求を得ようとする無意識な心の働き」のことをいいます。
1.× 投影(投射)は「認めたくない自分の感情や欲求は他者の中にあるとして、それを指摘・避難する」ことを指します。よってこれは適切ではありません。
2.○ 退行は「解決困難な状況に置かれた時に、甘えるなどの未熟な行動を取る」ことを指します。よってこれが正解です。
3.× 攻撃は「自分の欲求を満たすことが阻止された時に、その不満を八つ当たりなどの反抗的な行動で示す」ことです。よってこれは適切ではありません。
4.× 抑圧とは「認めがたい欲求や感情が、表に現れないよう無意識の底に抑え込む」ことです。よってこれは適切ではありません。
5.× 昇華とは「『置き換え』の一形態です。社会的に認められない欲求や感情を、社会に認められるような形で満たそうとする」ことです。よってこれは適切ではありません。
他にも、逃避、代償、補償、合理化、同一化、置き換え、反動形成などの適応(防衛)機制があります。
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02
正解:2
1:×
→投影とは、受け入れがたい自分の感情や欲求を、他人のものであるかのように押し付ける防衛行動の事を言います。よって、この事例には合致しません。
2:〇
→退行とは、受け入れがたい感情や欲求から、他社に甘えたり依存したりすることによって自信を守ろうとする防衛行動のことを言います。設問の事例に当てはまるのが、この退行です。
3:×
→攻撃とは、不満なことや納得いかないことに対して周囲の人や物に当たることによってストレスから自信を守ろうとする防衛行動の事を言います。よって、この事例には合致しません。
4:×
→抑圧とは、受け入れがたい感情や欲求を自分の心の底に押し込めてしまう防衛行動のことを言います。よって、この事例には合致しません。
5:×
→昇華とは、受け入れがたい感情や欲求を他の方法に置き換えて発散しようとする防衛行動のことを言います。よって、この事例には合致しません。
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03
適応(防衛)機制についての問題です。
代表的な、適応(防衛)機制について整理しておくとよいでしょう。
答:×
投影とは、自分の心の中にある好ましくない感情や欲望を、
相手がもっているものと錯覚する心的機制のことです。
自分の悪い一面を認めたくないときに、
相手にその悪い一面を押し付ける(投影する)心の働きです。
選択肢は、不適切です。
答:〇
退行とは、現在の段階より未発達な段階に逆戻りし、
不安を解消したり、欲求を満足させる心的機制です。
選択肢は、適切です。
答:×
攻撃とは、破壊的な行動や反抗的態度で欲求不満を解消する心理機制のことです。
自分に攻撃が向く自傷行為も含まれます。
選択肢は、不適切です。
答:×
抑圧とは、現実とは相容れないものを無意識に押し込める心的機制のことです。
選択肢は、不適切です。
答:×
昇華とは、抑圧された衝動を、
社会的・文化的に受け入れやすく変換して発散する心的機制のことです。
選択肢は、不適切です。
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