介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
認知症の理解 問85
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 認知症の理解 問85 (訂正依頼・報告はこちら)
認知症(dementia)の人に配慮した施設の生活環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- いつも安心感をもってもらえるように接する。
- 私物は本人の見えないところに片付ける。
- 毎日新しい生活体験をしてもらう。
- 壁の色と同系色の表示を使用する。
- 日中は1人で過ごしてもらう。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 1 です。
1.○ 行動・心理症状(BPSD)は環境や周囲の接し方によって軽減されもするし、悪化もします。安心感を持って過ごせる居心地の良い快適な環境を提供することが大切です。
2.× 環境が変化することによって起こるダメージをトランスファーショック(リロケーションタメージ)と呼びます。慣れ親しんだ私物はできるだけ本人の側に置くとよいでしょう。
3.× 変化の激しい生活は、行動・心理症状(BPSD)を誘発する可能性があります。しかし、新しい体験は脳への刺激になり、認知症進行の予防にもなります。慣れ親しんだ規則正しい生活時間を送りながら、新しい体験はアクティビティ・ケアなどで取り入れるのがよいでしょう。
4.× 認知症ケアにおいては、その方の残存機能を最大限発揮できるように援助することが大切です。部屋やトイレなどの表示は色のコントラストをつけてはっきりと、文字は大きく、視界に入りやすい場所に掲示するなどの工夫が必要です。
5.× 閉じこもりがちでコミュニケーションの少ない生活は、認知症を進行させます。他者との交流を促し、なじみの関係を作れるよう配慮するとよいでしょう。
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02
正解は1です。
環境や対応により、症状の軽減、悪化につながります。
そのため安心感を持って生活できるような
環境づくりや対応をすることが大切です。
2→私物を見えないところに片付けてしまうと、
見当識が保てずになくなったという不安により
物盗られ妄想へ発展したり、不安感の原因となります。
そのため選択肢2は不適切です。
3→認知症患者は、環境の変化により不安やストレスを感じます。
そのため、生活習慣を大きく変化させずに
慣れ親しんだ環境づくりをして
安心できる環境に近づけることが大切です。
4→高齢者になると、視力の低下により
色覚の判別が難しくなる場合があります。
そのため、壁と表示のコントラストを付けて
はっきりと分かりやすい表示にすることが大切です。
5→日中を1人ですごすことで
コミュニケーションが少なくなり、孤独感や不安感により
認知症を進行させてしまう原因となります。
そのため、出来るだけ他者との交流の機会を増やしたり
一人の時間を極力減らした生活をすることが大切です。
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03
正解:1
1:〇
→設問の通りです。認知症の方は記憶力や見当識の低下から、自分が置かれている状況を理解できずに不安を感じる場面が増えていきます。安心感を持ってもらえるように配慮して対応することが大切です。
2:×
→私物を本人の見えない所に片づけてしまうと、あったはずのものがなくなったという不安感から物盗られ妄想や不穏の原因となります。馴染みの物は日ごろから本人の目に入るところに置いておくようにしましょう。
3:×
→認知症になると、新しいことをするのが苦手になります。慣れないことをして失敗してしまった場合は失敗体験のマイナス感情だけが残り、意欲の低下につながってしまいます。昔親しんだことや、趣味など本人が興味を示すことを提供するとよいでしょう。
4:×
→高齢者は、加齢によって徐々に色を見分けることが難しくなります。認知症になるとさらに顕著になるため、観て欲しい表示を壁の色と同系色にしてしまうと気付いてもらえないことが増えます。表示は分かりやすく簡潔にし、壁の色を考慮して目立つ色で記入するようにしましょう。
5:×
→認知症の人は記銘力の低下から、常に不安と戦っている状態です。身近に慣れ親しんだ人がいると、それだけで安心します。一人になる時間を極力減らし、傍にいることを理解してもらえるような環境を作りましょう。
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