介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
障害の理解 問89

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 障害の理解 問89 (訂正依頼・報告はこちら)

Dさん(35歳、男性)は重度の知的障害があり、地元の施設入所支援を利用している。Dさんの友人Eさんは、以前に同じ施設入所支援を利用していて、現在は共同生活援助(グループホーム)で暮らしている。Dさんは、共同生活援助(グループホーム)で生活するEさんの様子を見て、その生活に関心をもったようである。施設の職員は、Dさんの共同生活援助(グループホーム)での生活は、適切な援助を受ければ可能であると考えている。一方、Dさんの母親は、親亡き後の不安から施設入所支援を継続させたいと思っている。
介護福祉職が現時点で行うDさんへの意思決定支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 母親の意思を、本人に伝える。
  • 共同生活援助(グループホーム)の生活について話し合う。
  • 介護福祉職の考えを、本人に伝える。
  • 具体的な選択肢を用意し、選んでもらう。
  • 地域生活のリスクについて説明する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解:2

1:×

→Dさん本人がグループホームでの生活に興味を持ち、施設職員としては支援があれば可能と考えていることを踏まえると、母親の意思を本人に伝えるのではなく、本人の意思の元で母親と一緒に話し合うことが適切です。

2:〇

→Dさん本人がグループホームでの生活に興味を持っているので、本人の意思を尊重して意思決定の支援をするために話し合うことが適切です。

3:×

→介護福祉職の仕事は、本人の意思決定を支援し必要な援助を実施することです。介護福祉職の意見を本人に対して主張するのは適切ではありません。

4:×

→選択肢を用意してDさん本人に選ばせるということは、本人の可能性を狭めるだけでなく本人の選択を不当に誘導することにもつながります。Dさん本人の意思を確認しながら、Dさん自身が意思決定することを支援することが大切です。

5:×

→リスクのみを説明することはネガティブな決定に繋がってしまうため、どうすればDさん本人の意思を叶えることが出来るのかというポジティブな視点で話し合うことが大切です。

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02

正解は2です。

Dさんは、グループホームでの生活に興味を持っていて

施設の職員は適切な援助を受ければ可能であるとの考えであるという記述から

本人の意思を尊重し、グループホームでの支援のために

話し合うことが大切です。

1→Dさんは、グループホームでの生活に興味を持ち

施設職員も受け入れが可能との返答から

母親の意思ではなく、Dさんの意思に対して

母親と話し合うことが大切です。

3→介護福祉職は、本人の意思を尊重し、適切な支援をする為の仕事です。

そのため介護福祉職の考えの主張は不適切です。

4→Dさんに選択肢を与え選ばせることは、

Dさんの意思とは異なる選択を誘導することにつながります。

Dさん本人の意思を尊重し、自身が意思決定をすることが大切です。

5→地域生活のリスクなどネガティブな情報のみ説明するのではなく、

Dさんの意思を確認し、快適な生活を送れるように一緒に考え

支援することが大切です。

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03

正解は 2 です。

意思決定にはそれまでの経験や周囲の人々との関係・現在の置かれている環境などの影響を強く受けます。どのような障害のある人であっても最大限『本人が選択し、決定する』ための支援を行う必要があります。

1.× 生活の場の選択は重要な意思決定の場面です。一方的な意思の伝達だけで物事が決まってしまわないよう、Dさんと母親が話し合える環境を作るのがよいでしょう。

2.○ Dさんがより具体的に共同生活援助(グループホーム)での生活をイメージした上で、意思決定できるように話し合いの機会を持つのがよいでしょう。よってこの選択肢が適切と考えられます。

3.× 施設入所支援を利用しているDさんにとって、介護福祉職の発言は強い影響力を持つ可能性があります。そのことが本人の意思決定に色濃く影響を与えることを避けるためにも、一方的に考えを伝えるだけのこの選択肢は適切とはいえません。

4.× 用意された選択肢の中から選ぶという行為は、意志決定の誘導につながる恐れがあります。本人自らが選択肢を用意できるように情報提供を行うのがよいでしょう。

5.× リスクの説明だけでは、マイナスイメージを本人に植え付ける可能性があります。リスクだけでなくメリットも同時に説明し、本人の意思決定を支援していく必要があります。

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