介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
障害の理解 問91
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 障害の理解 問91 (訂正依頼・報告はこちら)
Fさん(21歳、男性)は、交通事故による頸髄損傷(けいずいそんしょう)(cervical cord injury)で重度の四肢麻痺(ししまひ)になった。最近はリハビリテーションに取り組まず、周囲の人に感情をぶつけ強くあたるようになった。
介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 歩けるようになるために、諦めずに機能訓練をするように支援する。
- トラブルが起きないように、Fさんには近寄らないようにする。
- 生活態度を改めるように、Fさんに厳しく注意する。
- 自分でできることに目を向けられるように、Fさんを支援する。
- 障害が重いので、Fさんのできることも手伝うようにする。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解:4
1:×
→現在Fさんは、5段階の障害受容のうち混乱期にあたる状態です。誰かを怒っているのではなく、行き場のない怒りを表している状況のため、励ますことは逆効果です。本人の精神状況を理解し、受け止める姿勢が大切です。
2:×
→同上
3:×
→混乱期にある方に対して厳しく注意するという行為は逆効果になります。
4:〇
→残存している能力を活かして自分で出来ることを一緒に考え、これからの生活を前向きにイメージできるように支援することがポイントです。
5:×
→本人ができることまで行ってしまうと、過度な依存心が芽生え今後の生活に向けたリハビリテーションにとって逆効果となります。自分でできることを伸ばしていけるような支援を心がけましょう。
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02
正解は 4 です。
この問題を解くに当たっては障害受容の過程を理解しておく必要があります。障害を受け入れる過程にはショック期→否認期→混乱期→解決への努力期→受容期という段階があります。
Fさんはこのうちの他者や自分を責めたりする混乱期に当たると考えられます。
1.× 機能訓練に気持ちが向かうよう支援する際は、客観的事実に基づいた言動で行わなければなりません。Fさんに過度に期待を持たせるような言動は避けましょう。
2.× Fさんを孤立させてしまう行為は、さらなる事態の悪化を招く可能性があります。混乱期にあるFさんの気持ちに寄り添う態度を示し、信頼関係を築くことが大切です。
3.× 障害受容は一連の過程を段階的に進むのではなく、行ったり来たりを繰り返します。その中でネガティブな感情を露出するというのも、障害の受容に向けた大切なステップの一つです。厳しく注意するのではなく、感情を受け止めることが介護福祉職の大切な役割です。
4.○ 設問の通りです。Fさんが障害を受容し、これからの生活に残された機能を活用していけるよう支援していく必要があります。
5.× 介護福祉職の基本的な在り方はあくまでも自立支援です。できることまで手伝うことはFさんの自立を妨げる恐れがあります。Fさんが残存機能を活かし、Fさんなりの『自立』を獲得できるように支援していく必要があります。
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03
正解は4です。
Fさん本人が出来ることを共に考え、
今後の生活に生かせるよう支援することが大切です。
1→Fさんは突然の事故による四肢麻痺になったため
混乱している状態と考えられます。
そのため機能訓練を行うよう励ますのではなく
今のFさんの気持ちに目を向け、受け止めることが大切です。
2→トラブルを回避するために接触せず、近寄らないことで
余計にFさんを混乱させてしまう悪循環に陥ります。
Fさんの今の心情、意思を受け止め支援方法を考える必要があります。
3→混乱しているFさんに厳しく接することは、
混乱状態を悪化させる恐れがあるため不適切です。
5→全て介助支援をしてしまうことにより
Fさん本人の意欲が低下し、自分で出来ることも出来なくなってしまう恐れがあります。
自分で出来ることを考え、出来るように支援することが大切です。
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