介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
こころとからだのしくみ 問97
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) こころとからだのしくみ 問97 (訂正依頼・報告はこちら)
Kさん(83歳、女性、要介護1)は、3年前にアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断された。一人暮らしで訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。金銭管理は困難であり、長男が行っている。
最近、認知症(dementia)の症状がさらに進み、訪問介護員(ホームヘルパー)がKさんの自宅を訪問すると、「通帳を長男の嫁が持っていってしまった」と繰り返し訴えるようになった。
考えられるKさんの症状として、適切なものを1つ選びなさい。
最近、認知症(dementia)の症状がさらに進み、訪問介護員(ホームヘルパー)がKさんの自宅を訪問すると、「通帳を長男の嫁が持っていってしまった」と繰り返し訴えるようになった。
考えられるKさんの症状として、適切なものを1つ選びなさい。
- もの盗られ妄想
- 心気妄想
- 貧困妄想
- 罪業妄想
- 嫉妬妄想
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この過去問の解説 (3件)
01
正解:1
1:〇
→設問の訴えは、物盗られ妄想です。通帳をどこかにしまったが物忘れにより見つけられなくなってしまったとき等に現れます。不安感を示すサインであり、一緒に探してさりげなく本人が見つけることが出来るように誘導するようにすることが適切な対応です。
2:×
→心気妄想とは、自身の健康状態に対しての不安感を抱いてしまうことを言います。
3:×
→貧困妄想とは、しっかりとした収入があるのに「収入が少なく、生活が立ち行かない」と思い込んでしまって必要以上に心配してしまう状態のことを言います。よって、設問とは合致しません。
4:×
→罪業妄想とは、気に掛けるほどではない過去の自分の言動が周囲の人に迷惑をかけた重大な誤りであったと思い込み、過剰に自分自身を責めてしまう精神症状のひとつです。
5:×
→嫉妬妄想とは、一般的に見て異常なほどに嫉妬に駆られている状態のことを言います。
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02
正解は 1 です。
1.○ 現金や通帳•貴金属など大事なものをしまった場所を忘れ、盗まれたと思い込んでしまう症状です。認知症の行動・心理症状(BPSD)として初期段階によくみられ、身近な人がその対象になりやすい傾向にあります。
2.× 実際には健康であるにも関わらず、重い病気にかかっていると強く思い込んでいる状態です。うつ病患者によくみられる症状です。
3.× お金がないと思い込んでいる状態です。「支払えるお金がない」「多額の借金がある」などと訴えることがあります。うつ病患者によくみられる症状です。
4.× そのような事実はないのにも関わらず「自分は罪を犯している」「すべて自分が悪い」と自分自身を責める妄想です。うつ病患者によくみられる症状です。
5.× パートナーや配偶者が浮気をしていると思い込む妄想です。認知症の行動・心理症状(BPSD)としてみられることがあります。介護福祉職もその対象となることがあります。
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03
正解は1です。
「通帳を長男の嫁が持っていってしまった」との訴えですが、
実際には通帳を持って行ったわけではなく、
通帳をどこに片付けたか分からなくなってしまい、盗られたと思い込んでしまいます。
この場合、Kさんと一緒に通帳を探すふりをして
Kさんが通帳を発見できるよう誘導することが大切です。
2→心気妄想とは、実際は健康であるにもかかわらず
「自分は命にかかわる重い病気になってしまった」
などの思い込みをしてしまい、
身体の健康状態に対して不安感を抱いてしまう症状です。
3→貧困妄想とは、きちんとした収入があっても
生活が出来ない、お給料が少ないなど必要以上に不安になってしまう症状です。
うつ病の微小妄想の一つですが、周囲からは
お金にがめつい人などと思われてしまうこともあります。
4→罪業妄想とは、どんなに小さなことでも
自分の過去の言動で、迷惑をかけてしまった。
重大な過ちを犯してしまった。
などと思い込み、自分自身を責めてしまう症状です。
5→嫉妬妄想とは、配偶者や恋人が
実際には、浮気していないのに浮気していると思い込んでしまったり
過剰な嫉妬をしてしまう症状です。
認知症の周辺症状の一つで、本人の性格や周囲の環境に起因します。
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