介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
こころとからだのしくみ 問108
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問題
介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) こころとからだのしくみ 問108 (訂正依頼・報告はこちら)
Bさん(76歳、女性)は、病気はなく散歩が日課である。肺がん(lung cancer)の夫を長年介護し、数か月前に自宅で看取った。その体験から、死期の迫った段階では延命を目的とした治療は受けずに、自然な最期を迎えたいと願っている。
Bさんが希望する死を表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。
Bさんが希望する死を表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 脳死
- 突然死
- 尊厳死
- 積極的安楽死
- 心臓死
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は3です。
尊厳死とは、死期が迫った段階での過剰な延命治療を行わずに、
自然な経過に任せる最期のことを言います。
Bさんは、延命処置を受けずに自然な最期を迎えたいと希望しています。
そのため選択肢3の尊厳死が適切です。
1→脳死とは、脳幹を含む脳の機能全体が失われた状態です。
脳死すると、機能は回復せず元に戻ることはありません。
人工呼吸器や薬剤にて心臓をしばらく動かすことができますが
多くは数日内に心臓も停止します。
2→突然死とは、健康と考えられていた人が急に死亡することです。
WHOは突然死の定義を
「瞬間的な死亡、もしくは原因となる病気を発症してから24時間以内に死亡すること」
としていますが、交通事故や落下事故などの外因的な死は含みません。
4→積極的安楽死とは、本人の自発的な意思により
致死量の薬物投与を受けるなどして、苦痛を避け死に至ることです。
日本では、積極的安楽死は認められていないため
処置をした医師は殺人罪に問われる可能性があります。
5→心臓死とは、心臓の拍動が停止し死に至ることをいいます。
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02
正解は 3 です。
1.× 脳死とは、脳幹を含む脳全体の機能が失われ回復不可能な状態にあることをいいます。人工呼吸器などで心臓を動かし続けてもやがて呼吸や心臓は停止してしまいます。
2.× 突然死とは、健康で通常の生活を送っていた人が急速に死に至ることをいいます。原因となる病気を発症してから24時間以内に死亡することという定義もあります。交通事故や落下事故などは突然死には含まれません。
3.○ 尊厳死とは、人としての尊厳を保ちながら死を迎える状況をいいます。過剰な医療や延命治療を避け、自然に死を迎える状況を表します。
4.× 積極的安楽死とは、病気による苦痛を除去する目的で、本人の意思により致死量の薬物投与などを受けるなどして生命を絶つことです。日本では認められていません。
5.× 心臓死とは、心拍が停止し死に至ることをいいます。
心停止・呼吸停止・瞳孔散大を死の三大徴候といいます。
死期が迫った人生の最終段階において、本人が判断力のある時点で終末期医療の希望や方針を意思表示しておく文章のことをリビング・ウィルといいます。
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03
正答3
1. 誤り。脳死とは、脳幹を含めた脳の全ての働きがなくなった状態です。回復する可能性はなく、元に戻ることはありません。
2. 誤り。突然死とは、それまで健康的に日常生活を送っていた人が、急速な経過で死に至ることです。
3. 正答。尊厳死とは、患者が過剰な延命処置を拒否しながら安らかな死を望むことを、あらかじめ意思表示しておき、人間として尊厳を保ちつつ死を迎えることです。Bさんの望む死は、尊厳死にあたります。安楽死と異なり、自然死と同じ意味合いとなります。
4. 誤り。積極的安楽死とは、本人の自発的な意志により、致死量の薬物投与を受けるなどして、病苦などを避けて死に至ることです。日本では、処置を行った医師らは殺人罪の対象となりうる方法です。尊厳死と異なり、故意に死に至らしめる行為です。
5. 誤り。心臓の拍動が停止し、死に至ることです。脳死の対義語として用いられます。
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