介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
総合問題 問115

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 総合問題 問115 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事例〕
Cさん(83歳、女性)は、一人暮らしで、近所に買い物に行く以外はテレビを見て過ごしている。近県に息子がいるが、仕事が忙しく、会いに来ることはあまりなかった。
ある日、息子が久しぶりに訪問すると、部屋の中がごみや衣類などで散らかっていた。病院を受診するとCさんはアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)と診断され、要介護1と認定された。
Cさんは、時々、電気湯沸しポットの使い方がわからなくなって湯が出せなかったり、お茶を入れる順番がわからずに混乱する様子が見られた。
心配した息子は、介護保険サービスを利用することにした。後日、介護支援専門員(ケアマネジャー)が訪問し、介護保険サービスの利用についてCさんや息子と話し合った。週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用することになり、介護支援専門員(ケアマネジャー)は、「自宅で、衛生的な生活ができる」をケアプランの長期目標とした。

Cさんは、たびたび息子に電気湯沸しポットが壊れていると訴えるようになった。Cさんのこのような状態に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。
  • 空間認知障害
  • 視覚認知障害
  • 遂行機能障害
  • 失認
  • 観念運動失行

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

遂行機能障害とは、物事を順序立てて

実行することが難しくなり、

仕事や家事の段取りが悪くなってしまいます。

そのため選択肢3が適切です。

1→空間認知障害とは、物と物との距離

位置関係の把握が出来なくなる障害です。

そのため選択肢1は誤りです。

2→視覚認知障害は、視力の低下などの視覚に問題はありませんが

別のものに見えてしまったり、存在しないものが見えてしまう障害です。

そのため選択肢2は誤りです。

4→失認とは、感覚機能に問題はないにもかかわらず

目で見たものが何かわからなくなる障害です。

また、視覚では分からなかったものが

触ってみると分かることが多いと言われています。

5→観念運動失行とは、自発的な運動であれば

問題なくできますが、口頭などで指示された動作が再現できないなど

意識的に行う行動が出来なくなってしまう障害です。

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02

正答3

1. 誤り。空間認知障害とは、視力が障害されていないにもかかわらず、顔や物品の認識や物品を見つける能力の障害です。設問の内容とは異なります。

2. 誤り。視覚認知障害があると、失認や失読、見え方の変化といった症状が現れます。設問の内容とは異なります。

3. 正答。遂行機能障害とは、計画を立てて物事を行うことができなくなることです。電気湯沸かしポットを使ってお茶を淹れることができなくなったのは、遂行機能障害が原因です。

4. 誤り。失認は、目や耳などの感覚機能に異常がないのに、物体を認識できなくなることです。設問の内容とは異なります。

5. 誤り。観念運動失効とは、自発的な運動であれば可能であるが、口頭指示や模倣による習慣的な運動や簡単な動作が再現できないことをいいます。設問の内容とは異なります。

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03

正解は 3 です。

1.× 空間認知障害とは、対象となる物の置かれている場所や向き・大きさ・形・動く速さ、物と物の距離や位置関係などの把握が難しくなる障害です。署名欄の枠の中に名前を書こうとしてもはみ出してしまったり、物にぶつかりやすくなったりします。

2.× 視覚認知障害とは、視覚に異常はないにもかかわらず、視覚で得た情報を脳内で適切な情報に変換することが難しくなる障害です。図形の理解が苦手になったり、文字をかく時に鏡文字になってしまったりします。

3.○ 遂行機能障害とは、目的をもった一連の活動を段取り良く行うことが難しくなる障害です。電気湯沸しポットからお湯を出すためには、ポットに水を入れる→(コンセントが入っているか確認する)スイッチを入れ湯を沸かす→ボタンを押して湯を出すという手順が必要です。Cさんはこの手順がたびたび分からなくなっている状態です。

4.× 失認とは、感覚機能に問題はないのにもかかわらず、見たり聞いたりしたことが正しく認識できなくなることです。物や人を認識できなくなったり、鏡に映った自分が誰だか分からなくなったり(鏡像認知障害)します。

5.× 観念運動失行とは、無意識の時には行えている動作を、指示されたり、真似をしようとしたりするとできなくなることをいいます。普段は箸を使えているのに、箸を使うよう指示されるとできなくなってしまいます。

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