介護福祉士の過去問
第34回(令和3年度)
総合問題 問120

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問題

介護福祉士国家試験 第34回(令和3年度) 総合問題 問120 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで、問いに答えなさい。
〔事例〕
Eさん(35歳、男性)は、1年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。当初の症状としては、ろれつが回らず、食べ物の飲み込みが悪くなり、体重の減少がみられた。
その後、Eさんの症状は進行し、同居している両親から介護を受けて生活をしていたが、両親の介護負担が大きくなったため、障害福祉サービスを利用することになった。障害支援区分の認定を受けたところ、障害支援区分3になった。Eさんは訪問介護員(ホームヘルパー)から食事や入浴の介護を受けて自宅で生活をしている。

Eさんが病院を受診するきっかけになった症状に該当するものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 対麻痺(ついまひ)
  • 単麻痺(たんまひ)
  • 球麻痺(きゅうまひ)
  • 安静時振戦
  • 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は球麻痺(きゅうまひ)です。

選択肢1. 対麻痺(ついまひ)

対麻痺とは、両下肢に起きる麻痺のことです。

選択肢2. 単麻痺(たんまひ)

単麻痺とは、上肢、下肢の片側のいずれか

生じる麻痺のことです。

選択肢3. 球麻痺(きゅうまひ)

球麻痺の主な症状は、構音障害や嚥下障害です。

Eさんの症状と一致しているため、球麻痺(きゅうまひ)が適切です。

選択肢4. 安静時振戦

安静時振戦とは、自分の意思とは関係なく

手足が震える症状です。

選択肢5. 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

間欠性跛行とは、少しの距離を歩いただけで

ふくらはぎなど足に、痛みやしびれが生じて

歩くのが困難になってしまう症状です。

参考になった数61

02

正解は 球麻痺(きゅうまひ) です。

選択肢1. 対麻痺(ついまひ)

× 対麻痺とは、両側下肢が麻痺している状態です。胸から下の脊髄(胸髄・腰髄)の損傷が主な原因となります。

選択肢2. 単麻痺(たんまひ)

× 単麻痺とは、四肢のうちの一肢だけが麻痺している状態です。末梢神経の損傷が主な原因となります。

選択肢3. 球麻痺(きゅうまひ)

○ 球麻痺とは、口・舌・喉に麻痺がおこる障害です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状の一つです。問題文のように、ろれつが回らなくなる構音障害や、飲み込みが悪くなる嚥下障害の他に、呼吸や循環にも障害があらわれます。

選択肢4. 安静時振戦

× 安静時振戦とは、身体を安静にしている時に手・足・身体全体にふるえが起こることです。パーキンソン病の四大徴候の一つです。ふるえている箇所を意識的に動かそうとするとふるえが止まるという特徴があります。

選択肢5. 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

× 間欠性跛行とは、歩行時に足の痛みやしびれが起こり歩き続けることができなくなる状態です。立ち止まったり、座ったりして少し休憩すると症状が楽になります。主な原因には、閉塞性動脈硬化症と腰部脊柱管狭窄症が挙げられます。

まとめ

麻痺の種類には他に、以下の種類があります。

四肢麻痺…両側上下肢の麻痺。大脳・脳幹・頚髄などの障害が主な原因。

片麻痺…片側上下肢の麻痺。脳の疾患や頭部への外傷などで、片側の大脳や脳幹・脊髄に損傷を受けることが主な原因。

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03

正答 球麻痺(きゅうまひ)

選択肢1. 対麻痺(ついまひ)

誤り。対麻痺は、両下肢のみの運動麻痺を示す障害で、特に胸髄以下の脊髄障害および脊髄損傷によって起こります。

選択肢2. 単麻痺(たんまひ)

誤り。単麻痺は、四肢のち一肢のみが麻痺している状態です。

選択肢3. 球麻痺(きゅうまひ)

正答。球麻痺は、延髄にある脳神経核が傷害され、口・舌・喉の運動障害によって起こる症状です。構音障害(呂律が回らない)、嚥下障害(飲み込みが悪くなる)、呼吸や循環の障害が生じます。筋萎縮性側索硬化症でも生じる症状であり、設問の状態にも適合します。

選択肢4. 安静時振戦

誤り。安静時振戦は、主に筋肉が安静な状態にあるときに、手、頭、声帯、体幹、脚などの一部に起こる、不随意でリズミカルな震えのことです。

選択肢5. 間欠性跛行(かんけつせいはこう)

誤り。間欠性跛行は、一定の距離を歩くと、ふくらはぎなどに痛みや痺れ。疲労感があって歩行が困難となり、しばらく休息すると治るものの、また歩き続けると再び痛み出すという症状です。

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