介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
社会の理解 問8

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 社会の理解 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

「障害者総合支援法」の居宅介護を利用したときの利用者負担の考え方として、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
  • 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。
  • 利用者の負担能力に応じて負担する。
  • 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。
  • 利用したサービス費用の全額を負担する。
  • 利用者は負担しない。

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この過去問の解説 (3件)

01

居宅介護とは、介護が必要な方の自宅に訪問し日常生活の支援をするサービスです。

対象は、障害支援区分1以上の障害者(児)のほかに、

障害支援区分が区分2以上で一定の条件を満たす場合も該当します。

支援内容は食事や入浴、排せつなどの身体介護から、調理や洗濯、掃除など家事援助、生活に関する相談対応など様々です。

一定の条件とは、障害支援区分の認定調査項目のうち、下記のいずれか一つ以上に認定されていること。

歩行:全面的な支援が必要

移乗・移動:見守り等の支援が必要、部分的な支援が必要または全面的な支援が必要

排尿:部分的な支援が必要または全面的な支援が必要

排便:部分的な支援が必要または全面的な支援が必要

選択肢1. 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。

×:誤りです。障害者福祉サービスの自己負担は、所得に応じて

「生活保護」、「低所得」、「一般1」、「一般2」の4つの区分の負担上限額が設定され、

ひと月に利用したサービス量にかかわらず、それ以上の負担は生じません。

選択肢は不適切です。

選択肢2. 利用者の負担能力に応じて負担する。

〇:障害者福祉サービスの自己負担は、所得に応じて負担上限額が設定されています。

選択肢は適切です。

選択肢3. 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。

×:利用したサービス費用の一定の割合を負担するわけではありません。

所得に応じて負担上限額が設定されています。

選択肢は不適切です。

選択肢4. 利用したサービス費用の全額を負担する。

×:利用したサービス費用の全額を負担しません。

所得に応じて負担上限額が設定されています。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 利用者は負担しない。

×:所得に応じて「生活保護」、「低所得」、「一般1」、「一般2」の4つの区分があり、

負担上限額が設定されています。

選択肢は不適切です。

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02

障害者総合支援法における障害福祉サービス利用の利用者負担は、2010(H22)年の改正で現行の負担方法へと見直しが行われました。その内容が理解できているかが問われています。

選択肢1. 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。

誤答です。現行の障害者総合支援法では、応能負担が取り入れられています。よってこの選択肢は適切ではありません。

選択肢2. 利用者の負担能力に応じて負担する。

正答です。家計の負担能力に応じた金額を負担します。このことを応能負担と言います。

選択肢3. 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。

誤答です。2010(H22)年の改正以前は、利用者が利用したサービスの量に応じて上限を1割とした費用を負担していました。サービス量に応じて定率の負担を行うこと応益負担と言います。

選択肢4. 利用したサービス費用の全額を負担する。

誤答です。障害福祉サービスの費用は応能負担です。ちなみに、介護保険制度では保険料を滞納した場合に利用したサービス費用の全額を負担し、後日申請を行うことで自己負担分を除いた金額が払い戻されるという(償還払い)制度があります。併せて覚えておくとよいでしょう。

選択肢5. 利用者は負担しない。

誤答です。家計の負担能力に応じた金額を負担します。

まとめ

障害者総合支援法における居宅介護(ホームヘルプサービス)とは、介護給付費の対象となる障害福祉サービスのひとつです。障害児・者を対象に行われる、居宅で行われる入浴・排泄・食事など生活全般にわたる援助サービスのことを指します。

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03

障害者総合支援法に基づく居宅介護サービスの内容は、身体介護と家事援助となります。

サービスの提供に要する費用の1割を上限に負担能力に応じた負担が必要となります。

利用者負担には応能負担方式が用いられており、利用者の支払い能力に応じて負担額が決まります。収入が多い場合は多く支払い、収入が少ない場合は少なく支払います。

所得が少ない方でも安心して利用できる反面、自己負担が大きくなる高所得者層からは不満が出てしまいます。

また、自己負担額には上限があり、生活保護、低所得、一般1、一般2の4区分に分けられています。

選択肢1. 利用したサービスの種類や量に応じて負担する。

誤りです。利用者負担には応能負担方式が用いられており、利用者の支払い能力に応じて負担額が決まります。

選択肢2. 利用者の負担能力に応じて負担する。

正解です。利用者負担には応能負担方式が用いられており、利用者の支払い能力に応じて負担額が決まります。

選択肢3. 利用したサービス費用の一定の割合を負担する。

誤りです。利用者負担には応能負担方式が用いられており、利用者の支払い能力に応じて負担額が決まります。

選択肢4. 利用したサービス費用の全額を負担する。

誤りです。サービスの提供に要する費用の1割を上限に負担能力に応じた負担となります。

選択肢5. 利用者は負担しない。

誤りです。生活保護、低所得は負担がありませんが、基本的にサービスの提供に要する費用の1割を上限に負担能力に応じた負担となります。

まとめ

障害者総合支援法に基づく利用者負担額は基本となりますが、収入に応じて負担額の上限が設けられています。

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