介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
社会の理解 問10

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 社会の理解 問10 (訂正依頼・報告はこちら)

「高齢者虐待防止法」に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
(注)「高齢者虐待防止法」とは、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」のことである。
  • 虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。
  • 対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。
  • 徘徊(はいかい)しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。
  • 虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。
  • 虐待の認定は、警察署長が行う。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

高齢者虐待防止法は、年々深刻化する高齢者への虐待を防止し、高齢者の尊厳を守るために2005(H17)年に制定されました。その内容が理解できているかが問われています。

選択肢1. 虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。

誤答です。高齢者虐待防止法では、高齢者虐待65歳以上の者(または要介護施設に入所・利用、または要介護事業のサービスを利用する65歳未満の障害者)に対する、家庭での養護者または、要介護施設従事者等からの虐待行為と定義しています。

選択肢2. 対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。

誤答です。高齢者虐待には、身体的虐待ネグレクト(介護・養護の放棄)心理的虐待性的虐待経済的虐待があります。介護保険サービスを利用していなくとも65歳以上の高齢者にこれらの行為が行われている場合には、高齢者虐待防止法の対象となる虐待に当たります。

選択肢3. 徘徊(はいかい)しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。

誤答です。この行為は身体拘束に当たり原則禁止されています。『緊急やむを得ない』場合以外の身体拘束は、身体的虐待に当たります

選択肢4. 虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。

正答です。高齢者虐待防止法には、要介護施設従事者への市町村への通報義務と同時に、要介護施設では虐待防止のための研修の実施や苦情処理体制の整備、その他虐待を防止するための措置を取ることが明記されています。

選択肢5. 虐待の認定は、警察署長が行う。

誤答です。虐待かどうかの判断を最終的に行うのは市町村です。虐待が起きている場に立ち入り調査などが必要と判断される場合には、市町村長から警察署長に援助要請を行う場合があります。

まとめ

身体拘束の『緊急やむを得ない』場合の要件として、『身体拘束ゼロへの手引き』で切迫性非代替性一時性三つの要件をすべて満たした場合と決められています。それ以外はすべて身体的虐待となります。併せて覚えておくとよいでしょう。

参考になった数24

02

高齢者虐待防止法のに関する問題です。

高齢者への虐待とは、身体への暴行、心理的外傷をあたえる行為、養護の著しい怠慢、

財産の不当な処分などをいいます。

高齢者の人権や利益を守るため、高齢者虐待の防止等に関する国等の責務、

虐待を受けた高齢者の保護の為の処置、擁護者の負担軽減を定めた高齢者虐待防止法が、

平成18年4月より施行されました。

選択肢1. 虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。

×:家庭内虐待と施設内虐待の二つに分けられています。

選択肢は不適切です。

選択肢2. 対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。

×:65歳以上の高齢者を対象としています。

家庭内虐待と施設内虐待に分けています。

選択肢は不適切です。

選択肢3. 徘徊(はいかい)しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。

×:車いすへの固定は身体的拘束に該当します。

選択肢は不適切です。

選択肢4. 虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。

〇:要介護者に高齢者虐待を発見した者は、

速やかに市町村に通報するように努めなければならず(努力義務)、

高齢者の生命または身体に重大な危険が生じている場合は、

速やかに市町村に通報しなければならない(義務ー罰則はなし)。

つまり、高齢者虐待に気が付いた人は市町村への通報が努力義務となり、

その高齢者の生命、身体に重大な危険が生じている場合には、

市町村への通報が義務化されています。

選択肢5. 虐待の認定は、警察署長が行う。

×:虐待の事実認定は、市町村が開催するコアメンバー会議で行います。

コアメンバー会議の出席者は、市町村の高齢者虐待担当部署の管理職・職員、地域包括支援センターの職員です。

事例によって、市町村の他部署の職員や専門家などに出席を依頼することがあります。

参考になった数8

03

高齢者虐待防止法は、平成17年11月1日に「高齢者に1誤りです。高齢者虐待防止法では、高齢者虐待を「養護者による高齢者虐待」と「養護介護施設従事者による高齢者虐待」に分けています。

養護者は、家族、親族、同居人等が該当すると考えられます。対する虐待の防止、高齢者の擁護者に対する支援等に関する法律」として成立し、平成18年4月1日より施行されました。

高齢者虐待防止法では、65歳以上のものを「高齢者」と定義しています。

選択肢1. 虐待が起こる場として、家庭、施設、病院の3つが規定されている。

誤りです。高齢者虐待防止法では、高齢者虐待を「養護者による高齢者虐待」と「養護介護施設従事者による高齢者虐待」に分けています。

養護者は、家族、親族、同居人等が該当すると考えられます。

選択肢2. 対象は、介護保険制度の施設サービス利用者とされている。

誤りです。対象者は65歳以上の高齢者であり、介護保険制度のサービスを利用していなくても対象となります

選択肢3. 徘徊(はいかい)しないように車いすに固定することは、身体拘束には当たらない。

誤りです。車いすに固定することは身体拘束に該当します。

選択肢4. 虐待を発見した養介護施設従事者には、通報する義務がある。

正答です。高齢者福祉に業務上または職務上関係のあるものは、高齢者虐待を発見しやすい立場であることを自覚し、高齢者虐待の早期発見に努めなければなりません。通報の義務が求められます。

選択肢5. 虐待の認定は、警察署長が行う。

誤りです。高齢者虐待の事実認定は、市町村が虐待の相談・通報に対して事実確認の調査を行い、虐待の事実の有無及び緊急性、当面の対応方法を判断します。

まとめ

高齢者虐待は早期発見、早期対応が必要となります。

参考になった数6