介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
認知症の理解 問3
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 認知症の理解 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)の、もの盗られ妄想に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 説明をすれば自身の考えの誤りに気づくことが多い。
- 本人の不安から生じることが多い。
- 現実に存在しない人が犯人とされる。
- 主に幻視が原因である。
- 症状の予防には抗精神病薬が有効である。
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この過去問の解説 (3件)
01
もの盗られ妄想とは、認知症の被害妄想の一つです。
お金や通帳、宝石など大事なものを盗られたと思い込んでしまう症状です。
置き忘れとの違いは、自分が置いた(失くした)という自覚がないところです。
×:自分が失くした自覚がないのが、もの盗られ妄想です。
説明しても自分の考えの誤りに気がつきません。
〇:認知症の症状である記憶障害や本人の性格や生活背景なども関係しています。
×:家族など身近な人が犯人とされる場合がほとんどです。
×:自分が置いた(失くした)ことを忘れてしまう記憶障害が原因です。
×:もの盗られ妄想など、認知症による被害妄想には認知症の治療薬が有効です。
コリンエステラーゼ阻害剤やNMDA受容体拮抗薬などが用いられます。
また、抗精神病薬によって記憶障害が生じる場合もあります。
選択肢は不適切です。
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02
もの盗られ妄想とは、認知症の行動・心理症状のひとつで、アルツハイマー型認知症の軽度の段階で起こりやすい症状です。もの盗られ妄想についての理解を問われている問題です。
誤答です。もの盗られ妄想は『自分でそこにしまった』という記憶そのものが失われていることで起こります。なので、説明しても自分の考えの誤りに気づくことは少なく、『この人は自分を騙そうとしているのではないかと』かえって混乱し疑心暗鬼になってしまいます。
正答です。もの盗られ妄想の多くは、現金や財布・貴金属などの貴重品がその対象となります。環境が変化した時やもの忘れを叱責された時など、不安感が増した時に『大切なものはなくしてはいけない』といつもと違う場所にしまうことにより起こります。
誤答です。同居の家族や主に介護を担っている人、ヘルパーや施設職員など身近な人物を犯人と思い込んでしまうことが多くあります。
誤答です。もの盗られ妄想の根本的な原因は記憶障害(エピソード記憶の障害)です。自分でしまった場所やその行動自体をすっかり失っているので『いつもの場所ない、自分が動かした記憶はない』→『誰かが持っていったんだ』という思考になるのです。
誤答です。抗精神病薬は主に統合失調症の治療に用いる薬です。
もの盗られ妄想への対応としては、本人の訴えをすぐには否定せず、よく話を聞いて共感的な態度を示すことが大切です。それから一緒に探すのがよいでしょう。この時、介護者側が発見してしまうと「隠した本人だからすぐに見つけられたんだ。やっぱりこの人が犯人だ」と思われてしまうこともあるので、本人が見つけられるように何気なく誘導するのが良いとされています。
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03
もの盗られ妄想は、認知症で起こりやすい被害妄想の一つで、財布や現金など大事なものを盗られたと訴える症状です。
誤りです。認知症の中核症状により記憶が失われ、自分で大切なものをしまったこと自体を覚えていられなくなります。誤りに気がつくのは難しいため、落ちつて話を聞いたり、別の話題に変えたりするといった対応が適切です。
正解です。もの盗られ妄想は、環境の変化などによる不安が原因となっていることがあります。
誤りです。もの盗られ妄想では、介護をしている時間が長い人が疑われることが多くなります。お嫁さんや娘さんが対象となる場合が多いです。
誤りです。もの盗られ妄想は、記憶障害、思考力の低下、不安感や喪失体験の連続による怒りや悲しみが原因となると考えられています。
誤りです。抗精神病薬は統合失調症の治療に用いられることが多い薬物です。アルツハイマー型認知症の症状であるので、認知症の薬を用いるのが適切です。
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