介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
認知症の理解 問4
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 認知症の理解 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
慢性硬膜下血腫(chronic subdural hematoma)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 運動機能障害が起こることは非常に少ない。
- 頭蓋骨骨折を伴い発症する。
- 抗凝固薬の使用はリスクとなる。
- 転倒の後、2~3日で発症することが多い。
- 保存的治療が第一選択である。
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この過去問の解説 (3件)
01
慢性硬膜下血腫は、頭部の外傷などがきっかけで脳を覆っている硬膜という膜と脳の間に血液がたまる病気です。比較的時間をかけて緩やかに血液の塊ができた状態です。
誤りです。血腫の位置によっては、運動機能障害が起こることがあります。
誤りです。頭部外傷がきっかけで発症しますが、非常に軽い外傷でも発症することがあり、必ずしも頭蓋骨骨折を伴うわけではありません。
正解です。抗凝固薬の服用のほか、アルコール多飲、脳の萎縮、水頭症の手術後、透析などが発症のリスクを上げます。
誤りです。外傷の1〜2か月後に、頭痛や認知症といった症状が見られます。
誤りです。基本的な治療方法は、手術による血腫の除去です。血腫の大きさや緩徐の状態によっては内科的治療を行うこともあります。
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02
慢性硬膜下血腫とは、脳を包む硬膜・くも膜・軟膜のうち、一番外側にある硬膜の下に血腫(組織内にできる血のかたまり)ができる疾患のことです。これについての知識が問われています。
誤答です。血腫により脳が圧迫され、手足の麻痺や歩行障害など運動機能障害を起こすことがあります。
誤答です。転倒など脳を打撲した時などに硬膜の血管が破れることで起こります。必ずしも頭蓋骨骨折を伴うわけではありません。
正答です。抗凝固薬とは、血栓ができるのを防止し、血をサラサラにする薬です。抗凝固薬を使用していると、出血が止まりにくくなるのでリスクの一つとなります。他にも、加齢や高血圧、飲酒過多などがリスク因子となります。
誤答です。慢性硬膜下血腫は、頭部打撲のあと徐々に進行し、1〜3か月後に頭痛やもの忘れなどの症状を発症することが特徴です。
誤答です。血腫の大きさにより内服治療や外科的手術が選択されます。いずれにせよ、保存的治療は第一選択ではありません。
活気がなくなる・もの忘れ・尿失禁など認知症とよく似た症状があるのが特徴です。治療により症状が改善されるので、『治る認知症』と表現されることがあります。
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03
慢性硬膜下血腫は、比較的軽微な頭部外傷の受傷後、2週間から3か月程度経過した時期に硬膜と脳との間に徐々に血液(血腫)が貯留する疾患です。
×:片麻痺などの運動機能障害、頭痛、嘔気、言語障害、意識障害、物忘れなどがおこります。
×:比較的軽微な頭部外傷で発症するため、骨折を伴いません。
〇:アルコールの多飲、血液透析、アスピリンなどの抗血小板薬やワーファリンなどの抗凝固薬などは危険因子です。
×:転倒のあと、数週間後に発症することが多いです。
×:血腫が小さい場合は自然治癒や内服薬で経過を見ることもありますが、
経過により血腫が増大してくるものや血腫のサイズが多く神経症状をきたしているような場合には、外科的治療が必要になります。
保存的治療が第一選択ではありません。
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