介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
認知症の理解 問5

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 認知症の理解 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

Lさん(83歳、女性、要介護1)は、アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)である。一人暮らしで、週2回、訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用している。
ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、息子が来ていて、「最近、母が年金の引き出しや、水道代の支払いを忘れるようだ。日常生活自立支援事業というものがあると聞いたことがあるが、どのような制度なのか」と質問があった。
訪問介護員(ホームヘルパー)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「申込みをしたい場合は、家庭裁判所が受付窓口です」
  • 「年金の振込口座を、息子さん名義の口座に変更することができます」
  • 「Lさんが契約内容を理解できない場合は、息子さんが契約できます」
  • 「生活支援員が、水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」
  • 「利用後に苦情がある場合は、国民健康保険団体連合会が受付窓口です」

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この過去問の解説 (3件)

01

日常生活自立支援事業とは、認知症や障害によって、一人では日常生活に不安のある人が、地域で安心して自立した生活が送れるよう、利用者との契約に基づき、福祉サービスの利用を支援する事業です。判断能力が不十分な人の金銭管理や重要書類などの管理の支援などを行います。社会福祉協議会によって実施されています。

選択肢1. 「申込みをしたい場合は、家庭裁判所が受付窓口です」

×:日常生活自立支援事業は、市区町村の社会福祉協議会が窓口です。

選択肢2. 「年金の振込口座を、息子さん名義の口座に変更することができます」

×:日常生活自立支援事業では、年金や預金通帳の管理などのお手伝いもしています。

口座を息子の名義に変更するように説明することは、事業の一環ではありません。

選択肢3. 「Lさんが契約内容を理解できない場合は、息子さんが契約できます」

×:日常生活自立支援事業では、生活に必要な利用料の支払い手続きのお手伝いもしています。

Lさんが契約内容を理解できない場合、息子が契約できるなどと説明することは、

事業の一環ではありません。

選択肢は不適切です。

選択肢4. 「生活支援員が、水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」

〇:日常生活自立支援事業では、生活に必要な利用料の支払い手続きのお手伝いもしています。

選択肢5. 「利用後に苦情がある場合は、国民健康保険団体連合会が受付窓口です」

×:日常生活自立支援事業の窓口は、市区町村の社会福祉協議会です。

選択肢は不適切です。

参考になった数20

02

日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者や知的・精神障害者などのうち判断能力が不十分な人が、地域で自立した生活を送るための支援を行う事業です。この制度についての知識があるかが問われています。

選択肢1. 「申込みをしたい場合は、家庭裁判所が受付窓口です」

誤答です。受付窓口市町村社会福祉協議会で、実施主体都道府県(または指定都市)社会福祉協議会です。家庭裁判所が窓口(申し立てを行う場所)になっているのは、成年後見制度です。

選択肢2. 「年金の振込口座を、息子さん名義の口座に変更することができます」

誤答です。日常生活自立支援事業で行われるのは、日常的金銭管理福祉サービスの利用援助日常生活上の契約や行政手続きの援助などです。そもそも年金の振込口座は本人以外は認められていません

選択肢3. 「Lさんが契約内容を理解できない場合は、息子さんが契約できます」

誤答です。日常生活自立支援事業は、日常生活を送るための情報収集や判断などが不十分であっても、本人がこの事業の契約内容について理解できる場合に利用することができます

選択肢4. 「生活支援員が、水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」

正答です。生活支援員が、支払いや手続きの同行・代行や契約手続きの援助・助言などを行います。専門員支援計画の作成や定期的な見直し契約締結審査会契約内容や利用者の判断能力の確認などを行います。

選択肢5. 「利用後に苦情がある場合は、国民健康保険団体連合会が受付窓口です」

誤答です。日常生活自立支援事業利用での苦情は、都道府県(または指定都市)社会福祉協議会に設置された運営適正化委員会が受付窓口となっています。国民健康保険団体連合会が苦情受付窓口となっている制度は介護保険です。

まとめ

認知症高齢者などの権利擁護に関する事業として、日常生活自立支援事業の他に、成年後見制度があります。その違いについてはよく把握しておくとよいでしょう。

参考になった数13

03

日常生活自立支援事業とは、認知症高齢者など判断能力が不十分な方が地域において自立した生活が送れるように援助を行うものです。

援助の内容は、福祉サービスの利用援助、苦情解決制度の利用援助、住宅改修・居住家屋の賃借・日常生活上の消費契約・住民票の届出等の行政手続きに関する援助等となります。

選択肢1. 「申込みをしたい場合は、家庭裁判所が受付窓口です」

誤りです。利用希望者は、実施主体である都道府県・指定都市社会福祉協議会に対して申請を行います。

選択肢2. 「年金の振込口座を、息子さん名義の口座に変更することができます」

誤りです。年金の受け取り口座は、年金受給者の名義以外の口座には振り込みが行えません。

選択肢3. 「Lさんが契約内容を理解できない場合は、息子さんが契約できます」

誤りです。対象者の条件として、「日常生活自立支援事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる方」とあり、あくまでも本人の意志が尊重されて行われます。

選択肢4. 「生活支援員が、水道代の支払いをLさんの代わりに行うことができます」

正解です。税金や電気、ガス、水道などの公共料金の支払い手続きといった生活の援助を、「専門員」や「生活支援員」が行います。

選択肢5. 「利用後に苦情がある場合は、国民健康保険団体連合会が受付窓口です」

誤りです。日常生活自立支援事業の利用に関するご相談は、居住する市町村の社会福祉協議会で受け付けています。

参考になった数6