介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
医療的ケア 問3

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 医療的ケア 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

喀痰吸引(かくたんきゅういん)を行う前の準備に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 医師の指示書の確認は、初回に一度行う。
  • 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。
  • 腹臥位(ふくがい)の姿勢にする。
  • 同室の利用者から見える状態にする。
  • 利用者に手指消毒をしてもらう。

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この過去問の解説 (4件)

01

喀痰吸引とは、吸引チューブを口や鼻から挿入し痰を吸いだす医行為です。医行為である喀痰吸引を行うためには、さまざまな決まりや手順があります。そのことを理解できているかが問われています。

選択肢1. 医師の指示書の確認は、初回に一度行う。

誤答です。医師の指示ならびに看護師からの指示・引継ぎ事項などを喀痰吸引実施前に必ず確認する必要があります。

選択肢2. 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。

正答です。口や鼻からチューブを入れる喀痰吸引は苦痛や恐怖心を伴う行為です。実施する前は毎回必ず声かけ(説明)を行い、同意の上で行う必要があります。

選択肢3. 腹臥位(ふくがい)の姿勢にする。

誤答です。吸引時は利用者の意向を確認し、できる限り楽に吸引を受けられる姿勢を整えます。自力でも痰を排出できる場合は起き上がった状態、口腔内吸引の場合は仰臥位で枕を外した状態、嘔吐反射がでやすい場合は顔を横に向けたセミファーラー位でなどとさまざまなパターンが検討されます。

選択肢4. 同室の利用者から見える状態にする。

誤答です。喀痰吸引は、嘔吐反射や苦痛を伴う行為です。カーテンやパーテーションなどで、プライバシーを保護してから行いましょう。

選択肢5. 利用者に手指消毒をしてもらう。

誤答です。喀痰吸引前の徹底した手指消毒が必要なのは、吸引を実施する介護福祉士側です。感染症予防のためです。

まとめ

喀痰吸引については、使用する器具や消毒方法、手順・利用者の状態観察、想定されるトラブルやその対応方法など、関連する事柄は多いですがきちんと理解しておくと良いでしょう。

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02

喀痰吸引は、カテーテル(チューブ)を、鼻腔や口腔から挿入し、咽頭や気管に貯留した分泌物を吸い出す医療行為です。

選択肢1. 医師の指示書の確認は、初回に一度行う。

×:医師の指示など、実施する時の注意事項など、吸引を実施する前に確認することが大切です。

初回に一度だけではありません。

選択肢2. 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。

〇:利用者の苦痛を和らげるため、同意を得るため、説明は、吸引のたびに行います。

選択肢3. 腹臥位(ふくがい)の姿勢にする。

×:吸引は仰臥位など、できるだけ利用者が楽な姿勢で行います。

選択肢4. 同室の利用者から見える状態にする。

×:利用者のプライバシーの保護の為、カーテンを閉めるなど同室者から見えない状態にします。

選択肢5. 利用者に手指消毒をしてもらう。

×:感染症の予防などのため、手指消毒をおこなうのは、実施する医療者・介護者側です。

選択肢は誤りです。

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03

介護職員が行う喀痰吸引について問う内容です。医療行為によりできませんでしたが、一定度の条件をクリアすれば行えることになっています。

選択肢1. 医師の指示書の確認は、初回に一度行う。

×:医師の指示は初回ではなく、事前に医師へ文書による指示を受けることとされています。

選択肢2. 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。

〇:原則吸引前に毎回説明する事になっています。利用者の意思疎通が図れない場合は家族等へ確認します。

選択肢3. 腹臥位(ふくがい)の姿勢にする。

×:腹臥位にして吸引というより、利用者が楽な姿勢であればどの姿勢になってもかまいません。仰向けになって吸引する場合もあります。

選択肢4. 同室の利用者から見える状態にする。

×:同室者から見える形での吸引行為は、プライバシーの確保から推奨できません。

選択肢5. 利用者に手指消毒をしてもらう。

×:手指消毒は利用者ではなく、実施する職員が行います。

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04

介護福祉士及び一定の研修を受けた介護職員等は、医師や看護との連携による安全確保が図られていることなど、一定の条件の下に痰の吸引等の行為を実施することができます。

選択肢1. 医師の指示書の確認は、初回に一度行う。

誤りです。喀痰吸引の医師の指示書は指示の内容に変更がある際や6カ月ごとに発行を依頼する必要があります。

選択肢2. 利用者への吸引の説明は、吸引のたびに行う。

正解です。利用者本人から吸引の依頼を受けたり、意思を確認したりしてから吸引を行いましょう。

選択肢3. 腹臥位(ふくがい)の姿勢にする。

誤り。口腔内や鼻腔内から吸引を行う場合は、背臥位で顎を少しあげた状態で行うとチューブが入りやすくなります。

選択肢4. 同室の利用者から見える状態にする。

誤りです。プライバシー保護や感染対策の観点から、カーテンを閉めるなど周囲から見えない状況で行うのが望ましいです。

選択肢5. 利用者に手指消毒をしてもらう。

誤りです。感染症のリスクを軽減するために、実施者は必ず手指の消毒を行う必要があります。利用者側の手指消毒は必須ではありません。

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