介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
生活支援技術 問16

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 生活支援技術 問16 (訂正依頼・報告はこちら)

女性利用者のおむつ交換をするときに行う陰部洗浄の基本に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。
  • おむつを交換するたびに、石鹸(せっけん)を使って洗う。
  • タオルで汚れをこすり取るように洗う。
  • 尿道口から洗い、最後に肛門部(こうもんぶ)を洗う。
  • 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。

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この過去問の解説 (4件)

01

陰部洗浄は、陰部の清潔を保つために行います。また、皮膚トラブルや褥瘡の有無を確認する機会でもあります。手順を的確に手早く行うだけでなく、羞恥心への配慮や、室温の確認なども必要です。

選択肢1. 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。

誤答です。湯温は、介護福祉職の前腕内側にかけて確認します。38〜39℃の微温湯で行いますが、最終的には利用者の大腿部内側にかけて、ご本人に湯温を確認してもらいます。

選択肢2. おむつを交換するたびに、石鹸(せっけん)を使って洗う。

誤答です。石鹸(洗浄剤)を使用しての陰部洗浄は1日1回が基本です。洗いすぎは皮膚が傷ついたり、皮脂が欠乏してかゆみが増したりする原因になります。

選択肢3. タオルで汚れをこすり取るように洗う。

誤答です。汚れは泡立てた石鹸(洗浄剤)で浮かせて包み込み、微温湯で洗い流します。タオルでこすり取るのは皮膚が傷つく原因となるため不適切です。

選択肢4. 尿道口から洗い、最後に肛門部(こうもんぶ)を洗う。

正答です。肛門側から洗うと大腸菌などが尿道口から侵入してしまい、感染症を起こす危険性があります。尿道口から洗い、最後に肛門部を洗うのが適切です。

選択肢5. 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。

誤答です。陰部洗浄後に水分が残っていると、不快感や皮膚トラブルにつながるおそれがあります。おしりふきや拭き取り用ペーパーなどでしっかり水分を拭き取ります。

まとめ

陰部を洗う時は尿道口から肛門側にかけて洗うのは同じですが、

・女性の場合は、大陰唇を開き、小陰唇の間もしっかりと洗う

・男性の場合は、亀頭部の包皮の内側や陰茎の裏側も丁寧に洗う。

必要があります(共に垢がたまりやすいので)。

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02

陰部洗浄の問題です。

各選択肢について、確認してみていきましょう。

選択肢1. 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。

×:湯温は、介護福祉職の前腕の内側にかけて温度を確認します。

選択肢2. おむつを交換するたびに、石鹸(せっけん)を使って洗う。

×:頻繁な洗浄は皮脂を取り去り、皮膚表面が損傷してドライスキンになる可能性があります。

1日1回の洗浄が基本的です。

選択肢3. タオルで汚れをこすり取るように洗う。

×:泡でなでるように汚れを落とします。

選択肢4. 尿道口から洗い、最後に肛門部(こうもんぶ)を洗う。

〇:選択肢の通りです。

肛門部からの大腸菌などの細菌感染を防ぐために、尿道口から肛門にかけて洗います。

選択肢5. 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。

×:洗浄後はおしりふきか、拭き取り用ペーパーで拭き取ります。

選択肢は誤りです。

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03

排泄ケアでもっとも大切なことは、自力または介護者の誘導によって、トイレやポータブルトイレで排泄することです。しかし、歩くことも立つこともできない、ベッドから横移動してポータブルトイレに移ることもできない、介護力がないなどの理由で、ベッドの上でしなければならないこともあるでしょう。

高齢者の皮膚は薄く、皮膚のバリア機能が低下しているため、方法を誤ると感染症を引き起こす事があります。陰部洗浄は正しい方法で介助すると利用者も快適に過ごす事ができます。

選択肢1. 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。

×:陰部は刺激に対して敏感です。そのため介護者が素早くかつ皮膚の薄い箇所で湯温を確認します。手のひらは最も素早く確認できる箇所の1つですが、皮膚が厚い部分でもあります。

上腕内側で温度を確認するのは、体のほうに向いている皮膚の感度が高いためで、まさしく「肌で感じる」ことです。そのため手のひらより上腕内側で確認する事が適切となります。

選択肢2. おむつを交換するたびに、石鹸(せっけん)を使って洗う。

×:石鹸を必要以上に使うと、必要な油分などを洗い流し乾燥させる原因になって今います。石鹸は都度ではなく汚れを洗い流す目的で使用しましょう。

選択肢3. タオルで汚れをこすり取るように洗う。

×:タオルで汚れをこすり取るようにすると、皮膚が切れる原因となり細菌感染を引き起こす原因にもなります。タオルを使用するのであれば優しく、押し拭きしましょう。

選択肢4. 尿道口から洗い、最後に肛門部(こうもんぶ)を洗う。

〇:尿道から洗う理由は細菌感染を防ぐためです。逆に肛門から洗い流すと大腸にある菌を陰部に流し込む事になるため、細菌感染のリスクを高めてしまいます。

選択肢5. 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。

×:蒸しタオルではなくタオルになります。蒸しタオルを使用すると一見肌に優しそうに思えますが、陰部に水分を残す結果になり、皮膚のただれや痒みの原因になってしまいます。タオルを使用するときも優しく拭きましょう。

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04

陰部洗浄は、入浴が行えない方を対象に、陰部の清潔を保つために行うケアです。最低でも1日1回、さらに汚染が強い時に実施します。

選択肢1. 湯温は、介護福祉職の手のひらで確認する。

誤りです。湯温は前腕の内側で確認を行います。

選択肢2. おむつを交換するたびに、石鹸(せっけん)を使って洗う。

誤りです。陰部洗浄は最低でも1日1回、オムツ交換の際は汚染が強い時に行います。

選択肢3. タオルで汚れをこすり取るように洗う。

誤りです。陰部の皮膚や粘膜は傷つきやすので、擦ってはいけません。石鹸を泡立ててなでるようにやさしく洗います。

選択肢4. 尿道口から洗い、最後に肛門部(こうもんぶ)を洗う。

正解です。肛門側からの細菌感染を防ぐため、尿道口から肛門にかけて、一方向に洗います。

選択肢5. 洗浄後は、蒸しタオルで水分を拭き取る。

誤りです。拭き取る際は、拭き取り用ペーパーやお尻拭きをやさしく押し当てるようにして行います。

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