介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
生活支援技術 問18

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 生活支援技術 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

ノロウイルス(Norovirus)による感染症の予防のための介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。
  • 嘔吐物(おうとぶつ)は、乾燥後に処理をする。
  • マスクと手袋を着用して、嘔吐物(おうとぶつ)を処理する。
  • 手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。
  • 嘔吐物(おうとぶつ)のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

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この過去問の解説 (4件)

01

ノロウイルス感染症とは、急性胃腸炎を引き起こすウイルス性の感染症です。接触感染(経口感染を含む)で感染し、潜伏期間は約1日。激しい嘔吐下痢腹痛などの症状があります。介護の現場では集団感染が危惧され、予防や嘔吐物処理などの正しい知識が求められます。

選択肢1. 食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。

誤答です。食品中のウイルスを加熱で不活化させるためには、中心部温度が85〜90℃90秒以上の加熱が必要です。

選択肢2. 嘔吐物(おうとぶつ)は、乾燥後に処理をする。

誤答です。ノロウイルスは乾燥すると空気中に漂い、これを吸い込むと感染してしまいます。なので、嘔吐物は濡れたペーパータオルなどで覆い、周囲から人を遠ざけ、換気を十分に行ったうえで処理する必要があります。

選択肢3. マスクと手袋を着用して、嘔吐物(おうとぶつ)を処理する。

正答です。嘔吐物の処理をする介護福祉職自身が感染したり、ウイルスを媒介して他者への感染源になってしまったりすることを防ぐため、マスク手袋、そしてガウン着用で嘔吐物の処理を行います。

選択肢4. 手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。

誤答です。ノロウイルスの消毒には次亜塩素酸ナトリウムを使用します。ただし、次亜塩素酸ナトリウムは腐食や変色を起こすことがあるので、消毒後は別の濡れタオルなどで拭き取ることをおすすめします。

選択肢5. 嘔吐物(おうとぶつ)のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

誤答です。リネン類は嘔吐物が飛び散らないよう処理し、しぶきを吸い込まないよう静かにもみ洗いします。消毒は85℃以上で1分間以上の熱水洗濯か、次亜塩素酸ナトリウム溶液につけて行います。

まとめ

感染者の嘔吐物や排泄物の処理方法や熱処理の温度と時間、消毒に使用する次亜塩素酸ナトリウム溶液の濃度は確実に覚えておくとよいでしょう。

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02

ノロウイルスの対応についての設問です。

様々な対処方法がありますので、整理して覚えましょう。

各選択肢について考えていきます。

選択肢1. 食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。

×:食品の中心部が85℃~90℃の状態で90秒以上加熱すると、

ウイルスの感染性はなくなるといわれています。

選択肢は不適切です。

選択肢2. 嘔吐物(おうとぶつ)は、乾燥後に処理をする。

×:放置すると感染が広がってしまうことが懸念されます。

速やかな対処が必要です。

利用者を遠ざけ、マスクと手袋を着用した上で、タオルや雑巾などで嘔吐物を拭き取ります。

拭き取りの時に、嘔吐物を予め塩素系消毒液に浸したペーパータオルで覆い、

ビニール袋でタオルごと拭き取る方法も用いられています。

選択肢3. マスクと手袋を着用して、嘔吐物(おうとぶつ)を処理する。

〇:選択肢の通りです。ゴーグルなどで目の防御をすることも推奨されます。

選択肢4. 手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。

×:ノロウイルスの消毒には、塩素系消毒液を用います。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 嘔吐物(おうとぶつ)のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

×:嘔吐物のついたシーツや衣類は、マスクと手袋をした上で、

バケツやたらいで水洗いした後で、塩素系消毒液で消毒します。

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03

病院や高齢者施設で流行すると対応に苦慮する感染症の1つがノロウィルスです。ノロウィルスは石鹸で洗い流す行為は効果が低いとされ、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒が有効とされています。症状は、おう吐、下痢、腹痛などを起こします。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐ぶつを誤って気道に詰まらせて死亡することがあります。

選択肢1. 食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。

×:加熱温度が誤りです。ノロウィルスは熱に弱いので、食品の中心までしっかり熱が通るようしますが、中心温度は85~90度以上で90秒間以上加熱とされています。

選択肢2. 嘔吐物(おうとぶつ)は、乾燥後に処理をする。

×:乾燥するとウィルスが飛散するのですぐに処理するが正解です。また新聞紙やペーパータオル等で飛び散らないよう静かに拭き取りましょう。

選択肢3. マスクと手袋を着用して、嘔吐物(おうとぶつ)を処理する。

〇:自身が感染しないようにグローブ、マスク、エプロンなど必要な物品を準備して万全の態勢で臨みましょう。

選択肢4. 手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。

×:ノロウィルスはエタノールでは効果がないとされています。次亜塩素酸ナトリウムを使用して消毒しましょう。

選択肢5. 嘔吐物(おうとぶつ)のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

×:いきなり洗濯機で水洗してもウィルスが残っているため、次亜塩素酸ナトリウムで消毒してから洗うようにしましょう。

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04

ノロウイルスは手指や食品を介して口から感染し、嘔吐、下痢、腹痛といった症状が見られます。感染者の便や嘔吐物に大量のウイルスが排出され、人の手などを介して二次感染を起こします。

選択肢1. 食品は、中心部温度50℃で1分間加熱する。

誤りです。食品は中心温度が85℃〜90℃で90秒以上の加熱を行います。

選択肢2. 嘔吐物(おうとぶつ)は、乾燥後に処理をする。

誤りです。嘔吐物が乾燥すると飛散し二次感染の危険が高くなります。ペーパータオル等を用いて静かに拭き取ります。

選択肢3. マスクと手袋を着用して、嘔吐物(おうとぶつ)を処理する。

正解です。嘔吐物を処理する際は、使い捨てのガウン、マスク、手袋を着用して処置します。

選択肢4. 手すりの消毒は、エタノール消毒液を使用する。

誤りです。ノロウイルスはアルコールに耐性があるため、次亜塩素酸ナトリウムや亜塩素酸水を用いて処置を行います。

選択肢5. 嘔吐物(おうとぶつ)のついたシーツは、洗濯機で水洗いする。

誤りです。嘔吐物のついたシーツは塩素系漂白剤の希釈液につけておくか、熱湯で殺菌をして高温乾燥します。

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