介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
生活支援技術 問19

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 生活支援技術 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

弱視で物の区別がつきにくい人の調理と買い物の支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 買い物は、ガイドヘルパーに任せるように勧める。
  • 財布は、貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。
  • 包丁は、調理台の手前に置くように勧める。
  • まな板は、食材と同じ色にするように勧める。
  • よく使う調理器具は、いつも同じ場所に収納するように勧める。

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この過去問の解説 (4件)

01

弱視で物の区別がつきにくい人の支援についての設問です。

各選択肢について適切か不適切か考えていきましょう。

選択肢1. 買い物は、ガイドヘルパーに任せるように勧める。

×:ガイドヘルパーは、視覚障がい、全身性障がい、知的障がい、精神障がいなどによって

一人で外出する事が困難な方に対して移動を安全に配慮し、介助することが目的です。

買い物をガイドヘルパーに任せることは、本来の目的と異なります。

選択肢は不適切です。

選択肢2. 財布は、貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。

×:設問に「物の区別がつきにくい人」と記載があります。

貨幣と紙幣を同じ場所に収納してしまうと、区別がつきにくく、

支払いの際に支障がでます。

貨幣と紙幣をそれぞれ区別して収納できる財布を勧めることが推奨されます。

よって選択肢は不適切です。

選択肢3. 包丁は、調理台の手前に置くように勧める。

×:「物の区別がつきにくい人」ですから、手で触って物を区別していることが

考えられます。手前に包丁があると、誤ってけがをする恐れがあります。

選択肢は不適切です。

選択肢4. まな板は、食材と同じ色にするように勧める。

×:食材とまな板が同じ色では、区別がつきにくくなります。

選択肢は不適切です。

選択肢5. よく使う調理器具は、いつも同じ場所に収納するように勧める。

〇:選択肢の通りです。

よく使う調理器具は、場所を決めていつも同じ場所に収納するよう勧めます。

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02

この問題では、弱視の特徴や弱視の人への適切な支援の方法が理解できているかが問われています。

選択肢1. 買い物は、ガイドヘルパーに任せるように勧める。

誤答です。ガイドヘルパーは、全身性の障害や視覚障害・知的障害などによって一人で外出することが困難な方の外出や移動の介助を行います。なので、ガイドヘルパーを伴っての買い物を勧めることはあっても、買い物を任せることを勧めるというのは不適切です。

選択肢2. 財布は、貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。

誤答です。この場合は、触って判別がしやすいように、貨幣や紙幣を区別して収納できるものを勧めるのがよいでしょう。

選択肢3. 包丁は、調理台の手前に置くように勧める。

誤答です。この場合、調理台の境が認識できない可能性があります。調理台の手前に置くことで足の上に落としてしまわないよう、包丁はまな板の奥に刃を向こう側にして置くことを勧めましょう。

選択肢4. まな板は、食材と同じ色にするように勧める。

誤答です。この場合、食材とまな板が同じ色だと判別しづらく、食材を切りにくいでしょう。なので、食材との対比が際立つ色のまな板(白と黒の2種など)を勧めましょう

選択肢5. よく使う調理器具は、いつも同じ場所に収納するように勧める。

正答です。よく使う調理用具は、いつも同じ場所に収納することにより、どこに何があるかを把握しやすくなります。

まとめ

視覚障害者の歩行の介助方法や、食事の時に料理の位置を説明する方法(クロック・ポジション)、コミュニケーション手段なども併せて覚えておくとよいでしょう。

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03

ガイドヘルパーは、別名「移動介護従事者」と呼ばれ、その名の通り「移動を介助する」お仕事です。視力障がいがあって目が不自由である、知的な障害で言葉が読めない方でもガイドヘルパーが付き添う事で安全に外出できます。

一方でヘルパーは調理や買い物、掃除を行う介護職であり、ガイドヘルパーとは区別されています。問題内容はガイドヘルパーについて、ヘルパーの役割について、ヘルパーがするべき利用者への配慮についての内容になっています。

選択肢1. 買い物は、ガイドヘルパーに任せるように勧める。

×:ガイドヘルパーの役割とは、あくまで本人が生活で困っている事の補助行為であるため、本人が出来る事までする必要はありません。設問では本人がどこまで出来る、出来ないの記載はありませんが、何の情報もなしに買い物をガイドヘルパーに任せるのは不適切です。

選択肢2. 財布は、貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。

×:コインケースとお札入れのように別々に収納した方が弱視の方は分かりやすい場合が多いです。

選択肢3. 包丁は、調理台の手前に置くように勧める。

×:包丁はまな板の奥側に置くことで、怪我のリスクを下げる事ができます。その際、刃は自分と向かって逆さに置くよう配慮しましょう。

選択肢4. まな板は、食材と同じ色にするように勧める。

×:まな板と食材を同じ色にすると色の識別が難しい場合があります。白い茶碗にお米を入れると残ったご飯の見分けができない高齢者の方もおりますので、その際は黒い茶碗を勧めてみましょう。色を変えるだけでも生活がしやすくなる事があります。

選択肢5. よく使う調理器具は、いつも同じ場所に収納するように勧める。

〇:紛失防止のためにも良い習慣です。視力が落ちても、物を決めた場所に置く事を習慣化すれば本人も生活しやすくなるでしょう。

参考になった数4

04

弱視で物の区別がつきづらいため、環境を調整することで出来ることを増やしていきます。

選択肢1. 買い物は、ガイドヘルパーに任せるように勧める。

誤りです。ガイドヘルパーは、障がいを持つ方が安全に外出できるよう支援する仕事です。買い物の全てを行う仕事ではありません。

選択肢2. 財布は、貨幣や紙幣を同じ場所に収納できるものを勧める。

誤りです。お金を管理する際は、紙幣と硬貨をそれぞれの種類別に収納できるものの方が区別しやすく利便性が高くなります。

選択肢3. 包丁は、調理台の手前に置くように勧める。

誤りです。包丁を無造作に置くと、手を切るなどの危険が考えられます。まな板の奥に刃を反対側に向けておくと安全性が上がります。

選択肢4. まな板は、食材と同じ色にするように勧める。

誤りです。まな板と食材が同じ色だと、区別がつきづらく包丁を使った際に怪我をする恐れがあります。白と黒の面があるまな板を用い、白っぽい野菜を切るときは黒い面を使用すると区別がつきやすくなります。

選択肢5. よく使う調理器具は、いつも同じ場所に収納するように勧める。

正解です。包丁など刃物は特に決められた場所に収納することで、怪我の危険を予防することができます。

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