介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
生活支援技術 問22
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 生活支援技術 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
利用者の入眠に向けた介護福祉職の助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 「足をお湯につけて温めてから寝ましょう」
- 「寝室の照明を、昼光色の蛍光灯に変えましょう」
- 「布団に入ってから、短く浅い呼吸を繰り返しましょう」
- 「入眠への習慣は控えましょう」
- 「寝る前に、汗をかく運動をしましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
入眠に向けた助言に関する設問です。
入眠には、寝室の光や音、寝具の湿度や温度など様々な要因があります。
各選択肢について確認していきます。
〇:足浴を、就寝の前におこなうことは入眠の導入に効果的です。
×:昼光色の色温度は6200~6500K(ケルビン)です。
就寝前の光の色温度は、明るすぎない光を選択することが良いとされています。
色温度は、K数値の低い順に、電球色(2700~3000K)、温白色(3500K)、昼白色(5000K)、昼光色(6200~6500K)です。
色温度の低い電球色や温白色の選択が推奨されます。
よって選択肢として不適切です。
×:入眠前はゆっくり、深い呼吸が良いとされています。
選択肢は不適切です。
×:入眠への習慣は、心と身体をリラックスさせ眠りを誘うといわれています。
よって選択は不適切です。
×:日中の運動は、睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を多くするために必要です。
しかし、就寝前に運動をすると覚醒を促してしまいます。
選択肢は不適切です。
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02
高齢者の多くが、睡眠に関する悩みを抱えています。夜間の安眠の確保は、生活リズムを整え、体調を維持することにつながります。介護福祉職は、不眠の原因を多角的に分析し、安眠へ導くための技法を理解している必要があります。
正答です。足浴をすると、足が温まるのと同時に深部体温も上昇します。足浴を終えた足からは熱が放出され、深部体温も徐々に下降していきます。この深部体温が下降することで人は眠気を感じます。そのため、就寝前の足浴は安眠への援助として適切です。
誤答です。昼光色とは、蛍光灯の中で最も明るい色です。青白い光でモノがはっきり見えるので、リビングや学習部屋などに向いています。寝室に設置するならば、オレンジがかった温かい色味の電球色の蛍光灯が良いでしょう。
誤答です。布団に入ってからは深呼吸を意識するのが良いでしょう。腹式呼吸で長く深い呼吸をすると、自律神経が整い副交感神経が優位になります。すると、身体がリラックス状態になり、自然と身体が睡眠モードになっていきます。
誤答です。良い睡眠を得るためには、生活リズムを整えることが大切です。安眠を得るための習慣として、朝は一定の時間に起きる・朝起きたら太陽の光を浴びる・夕食は就寝の3時間前までに済ませておくなどの行為を習慣化させることは大切です。
誤答です。寝る前に汗をかくほどの激しい運動をすることは適切ではありません。交感神経が優位になり、心身ともに興奮状態となってしまいます。運動は就寝の2〜3時間前に終えるようにするのが良いでしょう。
安眠のためには、室温25℃前後、布団の中の温度35℃前後、湿度50〜60%が良いとされています。個人差があるので、介護福祉職はその人に合った睡眠環境を整えてあげることが大切です。
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03
良質な睡眠を得るための生活習慣(入浴・運動など)や睡眠環境(寝室の照明など)の知識を問われています。
適切
足浴・入浴は体温を上げる効果があり、気分を落ち着かせ、眠気を感じさせます。
湯温は熱すぎると交感神経が優位となり入眠の妨げとなるため、ぬるめのお湯で行います。
不適切
寝室の照明は、一般的には「電球色」が良いとされています。
温かみのあるオレンジがかった色合いで、自然とリラックスできる効果があります。
選択肢にある「昼白色」は、青みかった明るい色合いで、勉強部屋やリビングなどに使用されます。
不適切
短く浅い呼吸ではなく、腹式呼吸で長く深い呼吸が良いとされています。
腹式呼吸をすることで、副交感神経が優位となり、リラックスできます。
不適切
人はルーティンの行動をすることで、副交感神経が優位となりリラックスできます。
読書をする、ストレッチをする、水を飲む等、それぞれのルーティンを見つけると良いでしょう。
また、規則正しい生活を行い、体内時計を整えることも大切です。
不適切
睡眠はメラトニンという睡眠ホルモンの働きにより促されます。
メラトニンの分泌が低下することで、眠りが浅くなったり、寝付けないなどの不眠症状に繋がります。
このメラトニンの分泌を活性化するためには、眠る3時間前に、ウォーキングなどの軽い運動を行うことが効果的です。
不眠によって昼間の活動量が減り、閉じこもりや身体機能の低下など二次的な影響も出てきます。
利用者のより良い睡眠へ繋げるためには、どのような環境調整や生活習慣が適切か整理しておきましょう。
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