介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
生活支援技術 問24
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 生活支援技術 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
介護老人福祉施設に入所している利用者の看取りにおける、介護福祉職による家族への支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 利用者の介護は、介護福祉職が最期まで行い、家族には控えてもらう。
- 利用者の反応がないときには、声をかけることを控えるように伝える。
- 利用者の死後は、毎日電話をして、家族の状況を確認する。
- 利用者の死後は、気分を切り替えるように家族を励ます。
- 家族が悔いが残ると言ったときは、話を聴く。
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この過去問の解説 (3件)
01
看取りに関する設問です。
看取りにおける主なケアは、
身体的ケア、精神的ケア、家族へのケアがあります。
各選択肢について考えていきましょう。
×:最期の時に家族が立ち会えるように準備します。
「家族には控えてもらう」ことは不適切です。
×:反応がなくても、聴覚は保たれています。
「声をかけることを控えるように伝える」ことは不適切です。
×:葬儀会社とのやり取りを行う場合もありますが、
「利用者の死後に、毎日電話して家族の状況を確認する」ことは不適切です。
×:不安や寂しさなどの気持ちに寄り添うために、できるかぎり傾聴するよう努めます。
選択肢は不適切です。
〇:ご家族の気持ちに寄り添い、精神的なサポートを行うことが大切です。
選択肢は適切です。
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02
利用者の終末期においては、その家族も死への不安と直面しています。利用者・家族共に残された時間を悔いなく過ごすことができるよう、家族もケアの対象者とし双方に配慮を行っていく必要があります。
誤答です。介護老人福祉施設に入所していたとしても、家族関係が途切れるわけではありません。悔いが残らないよう、意向や負担も考慮しながらケアに参加してもらい、最期の時間に立ち合えるよう支援するのがよいでしょう。
誤答です。意識が低下してきても、聴覚は最後まで残存するとされています。声かけを控えるよう伝えるのではなく、声をかけ続けてもらうのがよいでしょう。
誤答です。看取りを行った家族もケアの対象となりますが、毎日電話をするのは過剰な対応です。もし、家族が病的に悲嘆している(悲嘆が長期化している、うつ状態になっているなど)のなら、専門の機関に支援をつなげるのがよいでしょう。
誤答です。無理に気分を切り替えるよう励ますのは適切ではありません。介護福祉職は何かを助言するのではなく、共感的態度で十分に話を聞くのがよいでしょう。
正答です。残された家族が喪失感や悲しみを受け止め、徐々に立ち直っていくための作業をグリーフワークと呼び、周囲の人たちがこれをサポートすることをグリーフケアといいます。介護福祉職は、家族をねぎらい後悔や罪悪感を引きずらないよう、聞き手となるのがよいでしょう。
利用者の死後そのケアの振り返りを行うことを、デスカンファレンスといいます。看取りケアにおける評価を行い、今後に向けてケアの質の向上へとつなげることができます。また、悲しみを共有することで、職員の心理的負担や不安をを軽減させる効果もあります。
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03
看取りとは、延命治療はせず、亡くなるまで身体的・精神的な苦痛を緩和するためのケアを行うことです。利用者が安心して最期を迎えるためには、家族の関わりは非常に大切です。そのため、看取りの介護においては、本人だけでなく家族への支援も対象となります。
不適切
家族の思いを聞きながら、負担のない程度に利用者の介護に参加して頂くことを考えます。
家族は大切な人を失う恐怖や不安を抱えており、家族の意向をしっかりと聞くことが大切です。
不適切
人の五感のうち、聴覚は最後まで保たれると言われています。
利用者の反応がなくなっても、施設の介護福祉職はもちろん、家族からの声かけを続けることで、利用者の精神的ケアに繋がります。
不適切
看取り後の家族への精神的ケア(グリーフケア)は必要です。ただし、毎日電話して状況確認することは過剰な対応です。大切な人を亡くしたご家族に寄り添い、悲しみを少しでも和らげるようにサポートをします。
不適切
大切な人との死別は、心に喪失感をもたらします。気分を切り替えるように励ますのではなく、家族の気持ちに寄り添う姿勢が大切です。
適切
看取り後に、悲しみ、後悔、怒りなど複雑な感情を抱き、なかなか立ち直れない家族もいます。家族の不安定な心情があることを理解し、話を傾聴し共感します。
施設での看取りでは、予め利用者や家族の意向をしっかりと汲み取り、納得できるような最期を迎えられるような関わり方をしていくことが大切です。
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