介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
生活支援技術 問26

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 生活支援技術 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

福祉用具等を安全に使用するための方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 車いすをたたむときは、ブレーキをかけてから行う。
  • 入浴用介助ベルトは、利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。
  • 差し込み便器は、端座位で使用する。
  • 移動用リフトで吊(つ)り上げるときは、利用者のからだから手を離して行う。
  • 簡易スロープは、埋め込み工事をして使用する。

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この過去問の解説 (3件)

01

福祉用具の使用についての問題です。

各選択肢の福祉用具の取り扱い方について、整理して覚えましょう。

選択肢1. 車いすをたたむときは、ブレーキをかけてから行う。

〇:車いすをひろげたり、たたんだりする時はブレーキを必ず掛けます

選択肢は適切です。

選択肢2. 入浴用介助ベルトは、利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。

×:入浴用介助ベルトは、利用者のからだに巻いて使用します。浴室で立ち上がる時にバランスを崩しやすい方の補助をする用具です。真上ではなく、横や斜め上方向に持ち上げます。

選択肢は不適切です。

選択肢3. 差し込み便器は、端座位で使用する。

×:差し込み便器は、仰臥位(仰向けに寝た状態)でお尻の下に差し込んで使用する便器です。選択肢は不適切です。

選択肢4. 移動用リフトで吊(つ)り上げるときは、利用者のからだから手を離して行う。

×:移動用リフトは、自力で移乗できない人のからだを吊り上げ、ベッドから車いす、トイレや浴室などへの移動を補助する福祉用具です。

吊り上げ、横に移動する時は手を添えます。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 簡易スロープは、埋め込み工事をして使用する。

×:簡易スロープは、段差のある所に立てかけた板によって傾斜をつける補助具です。

埋め込み工事は必要ありません。

選択肢は不適切です。

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02

福祉用具を使用する際には、介助者および要介助者のリスク回避の視点を持ち、安全な取り扱いに努めます。

選択肢1. 車いすをたたむときは、ブレーキをかけてから行う。

適切

車いすをたたむ時には、①ブレーキをかける、②フットレスト(足置き)を上げる、③座面の中央部分を両手で引き上げる という手順で行います。よって選択肢は適切です。

一方、車いすを開く場合には、①ブレーキをかける、②アームレスト(肘置き)を開く、③座面のシートを押し広げる(手を挟まないように注意する)という手順で行います。併せて覚えておきましょう。

選択肢2. 入浴用介助ベルトは、利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。

不適切

入浴用介助ベルトは、浴室での起立介助を安全に行えるよう腰部に巻くベルトです。介助者はベルトの持ち手を持ち、介助者側に斜め前方に引き上げて起立介助をします。よって利用者の腰部を真上に持ち上げるのは適切ではありません。

選択肢3. 差し込み便器は、端座位で使用する。

不適切

差し込み便器は、寝たきりの方などベッド上で排泄を行う場合に、仰臥位でお尻の下に差し込み使用します。端座位とは、ベッドの端などに座る姿勢であり、適切ではありません。

選択肢4. 移動用リフトで吊(つ)り上げるときは、利用者のからだから手を離して行う。

不適切

移動用リフトは、要介助者の身体をベルトで吊り上げ、ベッド・浴室・トイレなどへの移動を助ける福祉用具です。安全な使用のために点検や正しい装着方法を守ります。吊り上げる時には揺れが伴うため、必ず手を添えて行います。

選択肢5. 簡易スロープは、埋め込み工事をして使用する。

不適切

簡易スロープは、取り外しができるスロープです。折り畳み式やスライド式などがあります。使用時に配置するため、工事の必要はありません。

まとめ

福祉用具の使用に関する事故なども報告されています。福祉用具を安全に使用するために、利用者に適合した用具を選択するとともに、それぞれの福祉用具の使用時の注意点などを押さえておきましょう。

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03

福祉用具の適切な使用方法が理解できているかが問われています。

選択肢1. 車いすをたたむときは、ブレーキをかけてから行う。

正答です。車椅子をたたむときは、ブレーキをかける→フットサポートを上げる→シートの中央部の前方と後方を両手で持ち上げる、という順番で行います。

選択肢2. 入浴用介助ベルトは、利用者の腰部を真上に持ち上げて使用する。

誤答です。入浴介助ベルトとは、入浴時の起立動作や移乗の介助を補助するために利用者の腰部に巻いて使用するベルトです。真上ではなく斜め前方に持ち上げて使用します。

選択肢3. 差し込み便器は、端座位で使用する。

誤答です。差し込み便器は仰臥位で使用します。便意はあるものの、座位をとることができない利用者に使用します。

選択肢4. 移動用リフトで吊(つ)り上げるときは、利用者のからだから手を離して行う。

誤答です。移動用リフトとは、自力で移動が困難な方の身体を吊り上げ、移乗動作をサポートする福祉用具です。吊り上げたときには、揺れが伴うので利用者の身体から手を離さないようにします。

選択肢5. 簡易スロープは、埋め込み工事をして使用する。

誤答です。簡易スロープとは、段差を解消し緩やかな傾斜を作ることで車椅子などでの移動を安全に行えるようにする福祉用具です。工事で設置するものではなく、簡単に持ち運び、設置・撤去することができるものです。

まとめ

福祉用具はその使用方法を間違えると、利用者にケガをさせてしまったり、痛みや恐怖心を与えてしまったりすることもあります。安全に使うことができるよう、その使用方法をきちんと覚えておきましょう。

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