介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
介護過程 問1
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 介護過程 問1 (訂正依頼・報告はこちら)
介護過程を展開する目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 業務効率を優先する。
- 医師と連携する。
- ケアプランを作成する。
- 画一的な介護を実現する。
- 根拠のある介護を実践する。
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この過去問の解説 (3件)
01
介護過程に関する問題です。
介護過程は、
①アセスメント ②計画立案 ③実施 ④評価
の4つのプロセスで成り立っています。
①アセスメント:利用者の家族構成や病歴、日常生活動作などの情報収集をおこない、
収集した情報を分析したうえで、必要な支援を総合的に判断して見つけます。
②計画の立案:アセスメントで明確になった課題を解決するために必要なケアを、
個別介護計画として立案します。
③実施:個別介護計画で作成したプログラムを実施していきます。
④評価:実施してきた介護ケアを振り返り、効果を客観的に判定し、目標がどれくらい達成できているかを評価します。
一人ひとりにあった適切な介護ケアを行い、利用者が望むQOLの向上につなげます。
×:利用者一人ひとりにあったケアを優先することが大切です。
選択肢は不適切です。
×:アセスメントの際に、医療ソーシャルワーカーや介護相談員などから情報を集めます。
×:ケアプランは、ケアマネージャが作成する計画のことです。利用する施設や介護サービスの方向性を定めるためのものです。
介護計画は、介護施設において介護職が立案する具体的な介護ケアの計画です。
×:利用者一人ひとりに寄り添った介護を実現するために立案します。
〇:選択肢の通りです。
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02
介護過程とは、アセスメント→計画の立案→実施→評価のプロセスを経て行われる課題解決アプローチです。この介護過程を経てケアを実践することの目的が問われています。
誤答です。介護過程は、利用者本人が望む生活・よりよい生活を実現するために行うものです。
誤答です。介護過程の展開における基本的視点の中に『多職種協働・連携』が挙げられますが、医師と連携するためのツールではありません。
誤答です。ケアプランはケアマネジャーが立案するものであり、介護過程における介護計画とケアプランは同一のものではありません。介護計画はケアマネジャーが立てたケアプランに従って、介護福祉職の立場から利用者の生活課題を解決する方法を示したものです。
誤答です。介護過程の基本視点として『個別ケアの実践』が挙げられます。個々人の希望や特性を尊重し、その人が望む生活を実現するためのものです。
正答です。介護過程は、利用者の課題を整理・分別し、解決するための計画を立て、実施し、評価するという一連の過程を経て、客観的で科学的な根拠に基づいた介護を実践することを目的としています。
介護過程の展開における8つの基本視点
・ICFの視点に基づく利用者像の把握
・尊厳を守るケアの実践
・個別ケアの実践
・生活と人生の継続性の尊重
・生きがいや役割のある生活
・生活の自立支援
・多職種協働、連携
・根拠に基づく介護実践と的確な記録
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03
介護過程を展開すると、①アセスメント(課題分析)、②介護計画の立案、③ケアの実施、④モニタリング(評価)となります。この①~④の過程を繰り返しながら介護を行うことで、質の高い介護に繋がります。介護過程の目的は、利用者様へ根拠ある介護を提供することです。
不適切
利用者に関わる介護者が統一したケアを行うことは必要となりますが、業務効率を優先するものであってはなりません。
不適切
多職種連携やアセスメントにおいて医療情報を得ることは必要です。しかし、介護過程の展開において、医師との連携が最も適切とは言えません。
不適切
ケアプランとは、利用者への支援方針や提供される介護サービスの目標や内容を示す計画書です。作成はケアマネジャーが行います。
一方、介護過程においては目標達成に向けたケアの内容や手法を示す計画書の作成が必要となります。
不適切
介護過程においては「個別性」が重視されており、利用者一人一人に合った介護が提供されなければなりません。そのためにも、アセスメントで利用者の情報を集め、客観的に評価することが重要となります。
適切
介護過程を展開する目的は、アセスメントで導き出された課題、それを解決する目標やケア方法の計画、計画やケアの実施状況の評価を行っていくことで、根拠ある介護の提供を行うことです。関わる介護者がそれぞれ個人の思いや考えでは利用者に適切な介護は提供されません。
介護福祉職にとって、利用者への質の高い介護を提供するために、介護過程を理解した上でのケアの実践は必要不可欠です。介護過程の全体構成と、各過程における視点を理解しておきましょう。
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