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介護福祉士の過去問 第35回(令和4年度) 介護過程 問5

問題

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次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔事例〕
Lさん(76歳、女性、要介護1)は、自宅で娘と暮らしている。軽度の認知症(dementia)と診断されたが、身体機能に問題はなく、友人との外出を楽しんでいる。ある日、外食の後、自宅近くで保護されたとき、「ここはどこなの」と言った。その後、自宅から出ようとしなくなった。心配した娘が本人と相談して、小規模多機能型居宅介護を利用することになった。
利用開始時に、Lさんの短期目標を、「外出を楽しめる」と設定した。2週間が過ぎた頃、Lさんから、近くのスーパーへの買い物ツアーに参加したいと申し出があった。
当日、他の利用者や介護福祉職と笑顔で買い物をする様子が見られた。買い物が終わり、歩いて戻り始めると、笑顔が消え、急に立ち止まった。
介護福祉職が声をかけると、「ここはどこなの。どこに行くの」と不安そうに言った。

Lさんの状況から、短期目標と支援内容を見直すためのカンファレンス(conference)が開かれた。
担当する介護福祉職の提案として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。
   1 .
外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。
   2 .
表情がかたくなったときは帰り道を変更する。
   3 .
外出する意欲を持つ必要がある。
   4 .
歩くために身体機能の改善が必要である。
   5 .
事業所をなじみの生活空間にする。
( 介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 介護過程 問5 )
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この過去問の解説 (3件)

6

軽度認知症の利用者への支援と短期目標に関する問題です。

Lさんの状態にあった提案かどうか、それぞれの選択肢について適切か不適切か考えていきます。

選択肢1. 外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。

〇:近くのスーパーへの買い物ツアーの帰りに不安になった様子が記載されています。

選択肢は適切です。

選択肢2. 表情がかたくなったときは帰り道を変更する。

×:買い物が終わって、歩いて戻りはじめたときに不安になった様子が記載されています。

帰り道そのものに何か問題があったわけではありませんので選択肢は不適切です。

選択肢3. 外出する意欲を持つ必要がある。

×:”買い物ツアーに参加したい”と申し出をされたLさんですから、

外出の意欲はあると考えます。選択肢は不適切です。

選択肢4. 歩くために身体機能の改善が必要である。

×:問題文に”身体機能に問題はなく”と記載があります。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 事業所をなじみの生活空間にする。

×:問題文では、事業所で不安になったのではなく、

外出先からの帰り道に不安になった様子が記載されています。

そのため、選択肢は不適切です。

付箋メモを残すことが出来ます。
2

介護計画において短期目標とは、長期目標(利用者が希望とする状態)を達成するための段階的な目標のことをいいます。問題文の経過を経て、今、Lさんが安心して過ごすためにもっとも解決すべき事柄は何であるかを考えると、答えが出る問題です。

選択肢1. 外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。

正答です。サービス利用に至ったのも、外出時に場所が分からなくなりそれが原因で自宅から出ようとしなくなったことが理由であり、サービス利用中の買い物ツアーでも同様の訴えが聞かれたことから、Lさんが安心して過ごすためには、この『外出先から返れなくなる不安』に対するアプローチが最も優先であると考えるのが適切です。

選択肢2. 表情がかたくなったときは帰り道を変更する。

誤答です。『通る道を変更することで、Lさんが場所を把握することができた』という経緯があるのなら、帰り道を変更することに意義もあるかもしれませんが、問題文にはそのような記述はありません。よってこの選択肢は適切ではありません。

選択肢3. 外出する意欲を持つ必要がある。

誤答です。問題文中に『Lさんから買い物ツアーに参加したいと申し出があった』とあります。サービスを利用することで、外出する意欲が出てきているので、この提案は適切ではありません。

選択肢4. 歩くために身体機能の改善が必要である。

誤答です。Lさんはサービス利用前から身体機能には問題はなく、サービス利用後についても、歩行機能や身体機能の低下に関する記述はありません。よってこの選択肢は的外れです。

選択肢5. 事業所をなじみの生活空間にする。

誤答です。Lさんの見当識障害は事業所内ではなく、外出時に現れています。よって、外出時に場所が分からなくなるという不安を解決することが最も優先すべき事柄といえます。

まとめ

カンファレンスとは、よりよいケアを提供することを目的とする会議のことです。利用者の希望や意向の確認、情報共有や認識のすり合わせ、介護計画の評価・修正などを行います。

0

この問題を解くポイントは、短期目標について評価の視点です。

Lさんの短期目標は、「外出を楽しめる」と設定されています。しかし、Lさんは場所の見当識障害により外出に不安感を抱えています。介護福祉職は、Lさんの「場所の見当識障害による外出に対する不安」をいかに軽減し「外出を楽しめる」ようにケアできるのか考えなければなりません。

選択肢1. 外出先から帰れなくなる不安への対応が必要である。

適切

見当識障害により保護され外出を控えた経緯があること、買い物ツアーで場所が分からなくなったことから、Lさんの不安が読み取れます。短期目標の「外出を楽しめる」ようになるためには、まずはLさんの不安への対応が優先されます。

選択肢2. 表情がかたくなったときは帰り道を変更する。

不適切

買い物ツアー中のLさんの発言より、現在いる場所に対する不安と推測されます。場所が分からないまま、帰り道を変更した場合には、更に不安が強まり混乱を招く恐れもあります。

選択肢3. 外出する意欲を持つ必要がある。

不適切

Lさん自身から買い物ツアーに参加したいとの申し出があり、外出への意欲はあると考えられます。

選択肢4. 歩くために身体機能の改善が必要である。

不適切

事例の文中に「身体機能に問題なく」と明記されており、身体機能の改善は適していません。

選択肢5. 事業所をなじみの生活空間にする。

不適切

Lさんの見当識障害による不安感は、事業所にいる時ではなく外出先で現れており、事業所の空間づくりの提案は適していません。

まとめ

介護福祉職は、短期目標と支援内容を見直す際には、目標達成の状況を評価します。

もしも、目標達成できなかった場合には、

・目標達成していない場合にはその原因は何か

・目標達成するためにはどのようにケアすべきか

・目標自体の見直しが必要か

など検討し、カンファレンスなど関係者への情報提供および情報共有を行い、利用者にとってより良いサービスを目指していきます。

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