介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
介護過程 問7
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 介護過程 問7 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題に答えなさい。
〔事例〕
Mさん(35歳、男性、障害支援区分5)は、脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)による四肢麻痺(ししまひ)で筋緊張がある。日常生活動作は全般に介護が必要であり、電動車いすを使用している。これまで、本人と母親(70歳)の希望で、自宅で二人暮らしを続けてきた。
Mさんは3年前から、重度訪問介護を利用している。軽度の知的障害があるが、自分の意思を介護者と母親に伝えることができる。相談支援専門員が作成したサービス等利用計画の総合目標は、「やりたいことに挑戦し、生活を充実させる」となっている。Mさん自身も、やりたいことを見つけたいと介護福祉職に話していたことから、次の個別支援会議で検討する予定になっていた。
ある日、重度訪問介護の利用時、パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが、介護福祉職に、「ボール投げるの、おもしろそう」と話した。
いくつかのスポーツクラブを見学後、介護福祉職はMさんから、「このスポーツクラブが近いから、入会前に体験したい」と伝えられた。
Mさんへの介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Mさん(35歳、男性、障害支援区分5)は、脳性麻痺(のうせいまひ)(cerebral palsy)による四肢麻痺(ししまひ)で筋緊張がある。日常生活動作は全般に介護が必要であり、電動車いすを使用している。これまで、本人と母親(70歳)の希望で、自宅で二人暮らしを続けてきた。
Mさんは3年前から、重度訪問介護を利用している。軽度の知的障害があるが、自分の意思を介護者と母親に伝えることができる。相談支援専門員が作成したサービス等利用計画の総合目標は、「やりたいことに挑戦し、生活を充実させる」となっている。Mさん自身も、やりたいことを見つけたいと介護福祉職に話していたことから、次の個別支援会議で検討する予定になっていた。
ある日、重度訪問介護の利用時、パラリンピックのテレビ中継を見ていたMさんが、介護福祉職に、「ボール投げるの、おもしろそう」と話した。
いくつかのスポーツクラブを見学後、介護福祉職はMさんから、「このスポーツクラブが近いから、入会前に体験したい」と伝えられた。
Mさんへの介護福祉職の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 筋緊張から回復する訓練を行うように伝える。
- 母親が決めたスポーツクラブを選ぶように勧める。
- スポーツクラブにすぐに入会するように勧める。
- 意思決定に必要な情報を提供する。
- 相談支援専門員の許可を得るように勧める。
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この過去問の解説 (3件)
01
事例検討の問題です。
各選択肢について適切か不適切かを考え、正答を導きましょう。
×:Mさんは、脳性麻痺による四肢麻痺で筋緊張があると問題文に記載があります。
筋緊張から回復することは難しいと考えます。
選択肢は不適切です。
×:Mさんは軽度の知的障害があるが、自分の意思を介護者と母親に伝えることができる人です。
ご本人の意思決定を尊重します。そのため選択肢は不適切です。
×:Mさんは、「入会前に体験したい」と介護福祉職に伝えています。
体験せずに、”すぐに入会するように勧める”という選択肢は不適切です。
〇:入会前に体験したいという希望がMさんにあります。
体験の機会があるか?脳性麻痺があるMさんが安心して入会できるスポーツクラブか?
ボール投げができるか?など、さまざまな情報が必要となります。
選択肢は適切です。
×:相談支援専門員は、障がいをもつ方やご家族の相談に応じ、福祉サービスを利用できるように助言する専門職です。
Mさんが許可を得る必要はありません。
選択肢は不適切です。
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02
Mさんの事例を通して、介護福祉職の基本理念や役割が理解できているかが問われています。
誤答です。介護福祉職は、ケアを提供するチームの一員です。問題文には他のサービス利用については明記されていませんが、運動や機能訓練にはそれを専門としているスタッフがおり、四肢麻痺や筋緊張があるMさんの運動や機能訓練の内容を、介護福祉職一人の判断で決めるべきではありません。
誤答です。『利用者主体』は介護福祉職の基本的な理念です。最も尊重されるべきはMさんの意向です。
誤答です。Mさんは「入会前に体験したい」と話されています。であれば、それを叶えるための情報を提供するのが介護福祉職の役割です。
正答です。介護福祉職は、利用者の主体性を尊重し、利用者自身が選択と決定をできるよう十分な情報提供を行います。
誤答です。Mさんは障害福祉サービスを利用していますが、すべての行動に相談支援専門員の『許可』が必要な訳ではありません。ですが、総合目標には『やりたいことに~』とあるので一連の経過を伝えるよう勧める(または、介護福祉職が相談支援専門員に伝える)のがよいでしょう。
相談支援専門員は、障害のある人に対して、日常的・社会的な生活を送るための相談支援や、障害福祉サービスなどを利用するためのサービス等利用計画書の作成、地域生活へ移行・定着するための地域移行支援計画の作成など、幅広い支援を行います。
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03
Mさんとのやりとりの中から「Mさんのニーズが何か」を読み解く問題です。また、得られたニーズから、Mさんの「意思決定」を支援するための介護福祉職の対応を問われています。
不適切
機能訓練についての助言は、主治医や機能訓練を担当する職員の判断により行われるものです。介護福祉職が機能訓練の指示・助言をすることは誤りです。
不適切
Mさんの意思決定を促すためには、Mさんの選択を叶えられるように支援することが必要となります。母親の決めたことを勧めるべきではありません。
不適切
Mさんは「体験後の入会」を希望しており、本人の希望に反して「すぐの入会」を勧めるべきではありません。
適切
Mさん自身が納得できる意思決定ができるように、関連する情報提供を行う役割があります。
不適切
相談支援専門員は、障害をもつ利用者や家族からの相談を受け、福祉サービスの利用を調整する役割があります。選択肢にある相談支援専門員の「許可」は必要ありません。相談支援専門員への「相談」を勧めたり、介護福祉職から利用者のニーズを報告する対応などを行うと良いでしょう。
介護福祉職は、障害のある利用者の「意思決定」を支援する立場にあります。障害の程度によらず可能な限り、利用者自身の思いが反映される生活が送れるように支援します。
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