介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
総合問題 問2

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問題

介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 総合問題 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

次の事例を読んで問題に答えなさい。
〔事例〕
Aさん(80歳、女性)は、自宅で一人暮らしをしている。同じ県内に住む娘が、月に一度Aさんの自宅を訪れている。
最近、Aさんの物忘れが多くなってきたため、不安になった娘が、Aさんと一緒に病院を受診したところ、医師から、脳の記憶をつかさどる部分が顕著に萎縮したアルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimerʼs type)であると診断された。Aさんはこのまま自宅で暮らすことを希望し、介護保険の訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしを継続することになった。
ある日、娘からサービス提供責任者に、今年はAさんが一人で雪かきができるか不安であると相談があった。そこで、サービス提供責任者が、Aさんと一緒に地区の民生委員に相談したところ、近所の人たちが雪かきをしてくれることになった。

地域包括ケアシステムにおいて、Aさんの雪かきの課題への対応を示すものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 自助
  • 互助
  • 介助
  • 扶助
  • 公助

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この過去問の解説 (3件)

01

地域包括システムに関する問題です。

”4つの助”といわれる用語をそれぞれ解説します。

自助とは、自分で自分を助けることを意味します。

生活を送るために、必要なサービスを自分で購入し、介護予防に取り組むことです。

互助とは、家族や友人など個人的な関係の人たちが支えあうことを意味します。

住民同士の助け合いやサークル活動、コミュニティや自治会活動などのことです。

共助とは、制度化された相互の助け合いを意味します。

年金や介護保険、社会保険など、被保険者同士の負担で成立しています。

公助とは、自助、互助、共助では対応できない物事に対して、生活保障をおこなう社会福祉制度のことを意味します。

税金による負担でおこなうもので、生活保護や人権擁護、高齢者福祉事業などのことです。

選択肢として、以下の2つの言葉もありましたので、意味を記載します。

介助は、食事や起居動作、排便など、ひとりで動作ができない人の動作を手助けすることを意味します。

扶助は、人を手伝い、助けることを意味します。

選択肢1. 自助

×:自助は、自分で自分を助けることを意味します。

雪かきができないAさんですから、自助にはあたりません。

選択肢は不適切です。

選択肢2. 互助

〇:互助は、住民同士の助け合いや自治会活動などを意味します。

近所の人たちが雪かきをしてくれることになったのですから選択肢は適切です。

選択肢3. 介助

×:介助は、ひとりで動作ができない人の動作を助けることです。

近所の人たちが雪かきをしてくれたことは介助ではありません。

選択肢は不適切です。

選択肢4. 扶助

×:扶助は、人を助け、手伝うことを意味します。

地域包括ケアシステムの用語ではありません。

選択肢は不適切です。

選択肢5. 公助

×:公助とは、生活保障をおこなう社会福祉制度のことを意味します。

選択肢は不適切です。

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02

地域包括ケアシステムとは、介護が必要な状態になっても住み慣れた地域で生活していけるよう、医療・介護だけでなく、さまざまな団体や人々が連携・協力する仕組みのことです。この問題では、『近所の人たちが雪かきを…』という対応が、選択肢のどれに当てはまるのかが問われています。

選択肢1. 自助

誤答です。自助とは、自分のことは自分で行うということです。自らの生活課題に対して、自発的に取り組み解決を目指します。

選択肢2. 互助

正答です。互助とは、家族・友人・近隣住民・ボランティア団体などの助け合いのことです。自発的な支え合いであり、助け合うことでそれぞれが抱える生活課題の解決を目指します。

選択肢3. 介助

誤答です。介助とは、日常生活を送る上で必要となる、食事・排泄・入浴・移動などの行為の手助けを行うことです。

選択肢4. 扶助

誤答です。扶助とは、経済的に困窮している人や社会的に弱い立場の人を救うために、国などが経済的な支援を行うことをいいます。

選択肢5. 公助

誤答です。公助とは、自助・互助・共助では対応できない事柄に対して行う、最終的に必要な生活保障を行う社会福祉制度のことです。公費によって行政で行われます。生活保護・人権擁護・虐待対策などが挙げられます。

まとめ

共助とは、医療保険・年金・介護保険など、被保険者による相互の負担で成り立つ、制度化された社会保障制度のことです。

地域包括ケアシステムが効果的に機能するためには、『自助互助共助公助』の4つの助が連携していることが大切です。

参考になった数9

03

地域包括ケアシステムにおいては、「4つの助(自助・互助・共助・公助)」の支援体制と連携が重要です。それぞれの「助」についての知識を問われています。

選択肢1. 自助

不適切

「自助」とは、自分のことを自分で行うことです。また、自身で解決のために市場サービスを購入することも含まれます。Aさんは雪かきを自身や市場サービスにより行うと記述はありません。

選択肢2. 互助

適切

「互助」とは、相互に支え合うもので、制度化されていないものを言い、家族や地域などによる支援です。Aさんの雪かきは近所の方、つまり地域による支援であり適切です。

選択肢3. 介助

不適切

「介助」とは、食事・入浴・排泄などの基本的な日常生活の手助けのことを言います。地域包括ケアシステムのおける「4つの助」とは関係ありません。

選択肢4. 扶助

不適切

「扶助」とは、最低限の生活を保障するために行う経済的な援助のことを言います。地域包括ケアシステムのおける「4つの助」とは関係ありません。

選択肢5. 公助

不適切

「公助」とは税による公費負担による生活保障のための社会福祉制度です。Aさんの雪かきは公費負担で賄われるものではありません。

まとめ

選択肢にはありませんが、追加で「共助」についても覚えておきましょう。「共助」とは、納付された保険料などで負担されている医療保険や介護保険、年金などの社会保障制度のことを言います。

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