介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
総合問題 問4
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 総合問題 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで問題に答えなさい。
〔事例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
入所から2か月が経過した。C介護福祉士は、Bさんの四点杖歩行(よんてんづえほこう)の様子を観察したところ、左立脚相と比べて、右立脚相が短いことが気になった。Bさんの短期目標を達成するために、理学療法士と相談して、転倒予防の観点から、見守り歩行をするときの介護福祉職の位置について、改めて周知することにした。
Bさんの四点杖歩行(よんてんづえほこう)を見守るときに介護福祉職が立つ位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
入所から2か月が経過した。C介護福祉士は、Bさんの四点杖歩行(よんてんづえほこう)の様子を観察したところ、左立脚相と比べて、右立脚相が短いことが気になった。Bさんの短期目標を達成するために、理学療法士と相談して、転倒予防の観点から、見守り歩行をするときの介護福祉職の位置について、改めて周知することにした。
Bさんの四点杖歩行(よんてんづえほこう)を見守るときに介護福祉職が立つ位置として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- Bさんの右側前方
- Bさんの右側後方
- Bさんの真後ろ
- Bさんの左側前方
- Bさんの左側後方
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この過去問の解説 (3件)
01
歩行介助に関する事例の問題です。
立脚相とは、片方の足が地面に付いている時期のことをいいます。
右足の踵が地面についてから、右足のつま先が地面から離れるまでの時期を右立脚相、
左足の踵が地面についてから、左足のつま先が地面から離れるまでの時期を左立脚相といいます。
また、歩行の見守り時、見守る人は要介助者の斜め後ろの位置で見守ります。
麻痺がある時は麻痺側に立ち、杖を持っている時は杖を持っていない側に立ちます。
×:前方ではバランスを崩した時にすぐ対応できません。不適切です。
〇:麻痺のある右側の後方で見守ることが大切です。正解です。
×:真後ろでは、バランスを崩した時にすぐ支えることが難しくなります。
不適切です。
×:麻痺のある側の後方で見守り、転倒しそうになったらすぐ支えられる位置にいることが重要です。選択肢は非麻痺側(健側)の前方ですから不適切です。
×:麻痺側の後方が基本です。左は非麻痺側(健側)です。選択肢は不適切です。
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02
立脚相とは、歩行中に足が床面についてから、体重がかかっている間のことをいいます。『右立脚相が短い』ということは、歩行時に右足に体重がかかっている時間が短いということです。この場合の歩行時に、適切な見守り位置がどこであるかが問われています。
誤答です。前方に位置すると、利用者がバランスを崩した時にとっさに支えることができません。
正答です。麻痺側の斜め後ろに位置するのが適切です。よって、Bさんの場合は右側後方ということになります。
誤答です。麻痺がある利用者の歩行の見守りは、麻痺側の斜め後ろに位置して行います。
誤答です。Bさんは右片麻痺なので、左側に位置するのは適切ではありません。
誤答です。Bさんは右片麻痺なので、四点杖を左手で使用していると考えます。杖を使用している場合、見守り位置は杖を使用している側とは反対側に位置するのが適切です。
歩行介助時の基本的な位置は、斜め後ろです。近すぎず遠すぎず、ふらついた時にすぐに支えられる位置で行います。
・麻痺がある時は、麻痺側の斜め後ろ。
・杖を使用している時は、杖とは反対側の斜め後ろ。
・階段は上る時は斜め後ろ、下りる時は斜め前。
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03
歩行状態に関するアセスメントより、適切なケア方法を選択する問題です。
基本的には、片麻痺がある方は麻痺側後方へバランスを崩しやすいため、歩行介助は麻痺側の半歩後方から見守り介助を行います。Bさんは「右片麻痺で四点杖使用」「左立脚相と比べて、右立脚相が短い→転倒リスクがある」という歩行状態がこの問題のポイントです。
尚、「立脚相」とは、歩行の終期において、足が床に着いている時間のことです。それに対して、足が床から離れ前方へ振り出されている時間のことを「遊脚相」と言います。歩行周期は、この「立脚相」と「遊脚相」に分けられます。
不適切
右側に位置することは正しいですが、前方に位置することは誤りです。
適切
麻痺側の後方に位置しており、記述の通りです。
不適切
片麻痺の方の場合には、真後ろから介助することは誤りです。
不適切
健側に位置することも、前方に位置することも誤りです。
不適切
健側に位置することは誤りです。
片麻痺で杖を使用している方の歩行は、「杖→麻痺側→健側」の順番で行います。健側に体重を乗せる時に体を大きく倒す姿勢となります。介助時に転倒予防として介助者が密着して介助することは、反対に事故が起きやすくなることも知っておきましょう。
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