介護福祉士の過去問
第35回(令和4年度)
総合問題 問5
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問題
介護福祉士国家試験 第35回(令和4年度) 総合問題 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで問題に答えなさい。
〔事例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Bさん(75歳、男性、要介護3)は、1年前に脳梗塞(cerebral infarction)を発症し、右片麻痺(みぎかたまひ)がある。自宅では、家具や手すりにつかまって、なんとか自力歩行し、外出時は車いすを使用していた。うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。数か月前から着替えや入浴に介助が必要になり、在宅生活が難しくなったため、1週間前にU介護老人福祉施設に入所した。
入所時の面談でBさんは、自分の力で歩きたいという意思を示した。U介護老人福祉施設では、C介護福祉士をBさんの担当者に選定した。C介護福祉士は、カンファレンス(conference)での意見に基づいて、Bさんが、四点杖(よんてんづえ)を使用して、安全に施設内を歩行できることを短期目標とした介護計画を立案した。
C介護福祉士がBさんとコミュニケーションをとるための方法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 補聴器を使用する。
- 五十音表を使用する。
- 手話を使う。
- 大きな声で話しかける。
- 「はい」「いいえ」で回答できる質問を中心に用いる。
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この過去問の解説 (3件)
01
事例検討問題です。
問題は、Bさんとコミュニケーションをとるための方法について問うています。
Bさんのコミュニケーションに関する問題文の記載内容を整理して回答していきます。
Bさんは、”うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできていて、介護保険サービスを利用しながら、一人で暮らしていた。”と記載されています。
×:難聴や補聴器については、問題に記載がありません。
選択肢は不適切です。
×:五十音表の利用については、問題に記載がありません。
選択肢は不適切です。
×:手話は、聴覚障害の方のコミュニケーション手段です。
手話について問題に記載がありません。選択肢は不適切です。
×:大きな声で話しかけることが有効という記載は問題にありません。
選択肢は不適切です。
〇:Bさんは、うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできているので、「はい」「いいえ」で回答できる質問が有効です。
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02
コミュニケーションの配慮や工夫についての問題です。利用者の能力に応じて適切なコミュニケーション方法を選択することができるかが問われています。
誤答です。補聴器は、難聴の人が音声をよく聞こえるようにするために使用するものです。Bさんには『うまく話すことができない』という症状がありますが、難聴ではないので、補聴器は適切ではありません。
誤答です。五十音表は、構音障害がある人とのコミュニケーションに有効です。Bさんは『うまく話ができないこともある』という状態で、声が出せない・話ができないという訳ではないということです。なので、声を出す・話をする機会を奪わないためにも五十音表の使用は適切ではありません。
誤答です。手話は、聴覚障害がある人とのコミュニケーション手段です。問題文には『他者の話を聞き取って理解することは、問題ない』と書かれており、聴覚障害がある様子は見られません。よって、手話は適切ではありません。
誤答です。大きな声で話しかけるのが有効なのは、難聴の人に対してです。問題文にはBさんが難聴である様子は書かれていませんので、この選択肢は適切ではありません。
正答です。Bさんの『うまく話すことができないこともある』という状態は、脳梗塞の後遺症による運動性失語症(ブローカ失語症)と考えられます。目的の言葉を発するのに努力を要する状態で、言語の理解は保たれています。なので、「はい」「いいえ」で答えられる閉じられた質問はBさんに最も適切といえます。
視覚障害者・聴覚障害者・盲ろう者・失語症がある人など、それぞれとの適切なコミュニケーション方法について、しっかり覚えておくとよいでしょう。
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03
脳梗塞による言語コミュニケーション機能障害についての知識を問う問題です。
Bさんは、「うまく話すことができないこともあるが、他者の話を聞き取って理解することは、問題なくできている」とあります。このことより、ブローカ失語の状態であることが推測できます。
ブローカ失語とは、ブローカ野に損傷を受けることにより、言葉の意味は理解でき返答したいと思っていても、それをうまく言葉にできない状態です。
不適切
補聴器は聴力の低下した方に使用される補助具です。Bさんは、他者の話を聴き取りできているため、適切ではありません。
不適切
五十音表の使用に適応する方は、発話・発語に障害を持つ方です。Bさんは、上手くはできませんが、話すこと自体はできていますので、五十音表を使用することは適切ではありません。
不適切
手話は聴覚に障害のある方(聾者)が視覚から入る情報でコミュニケーションを図る手段です。Bさんは、他者の話を聴き取りできているため、適切ではありません。
不適切
Bさんは、他者の話を聴き取りできており、聴力低下についての記述はなく、適切ではありません。
適切
Bさんは、冒頭の通り、うまく言葉にできない状態であるため、「はい」「いいえ」で回答し易いようにコミュニケーションを図る方法は適切です。
失語症については、ブローカ失語(感覚性失語)とウェルニッケ失語(運動性失語)がありますので、区別して覚えておきましょう。
ブローカ失語は冒頭の通りです。
ウェルニッケ失語とは、ウェルニッケ野に損傷を受けることにより、話す言葉も書いた言葉も理解ができなくなります。それにより内容は支離滅裂で、言葉を羅列したものとなりますが、本人は自覚がありません。
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