介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
認知症の理解 問2

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 認知症の理解 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

認知症(dementia)の行動・心理症状(BPSD)であるアパシー(apathy)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
  • 感情の起伏がみられない。
  • 将来に希望がもてない。
  • 気持ちが落ち込む。
  • 理想どおりにいかず悩む。
  • 自分を責める。

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この過去問の解説 (3件)

01

認知症におけるアパシーとは無気力状態をさします。古代ギリシア語のpassion(情熱)が語源とされ、情熱がなくなったと解する事ができます。

選択肢1. 感情の起伏がみられない。

〇 解説の通りで感情の起伏が減退する事も1つの症状です。

選択肢2. 将来に希望がもてない。

× 認知症と診断されることで将来に希望が持てなくなる方もいますが、アパシーの記述とは異なります。

選択肢3. 気持ちが落ち込む。

× 気持ちが落ち込むは認知症周辺症状の1つですが、アパシーの記述ではありません。

選択肢4. 理想どおりにいかず悩む。

× 選択肢「将来に希望がもてない。」同様、自分が思っている行動ができなくなる事も認知症の症状です。そのため、理想通りにいかないで悩むこともあると思いますが、アパシーの記述ではありません。

選択肢5. 自分を責める。

× 自分を責めることは認知症周辺症状の1つですが、アパシーの記述ではありません。

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02

認知症の行動におけるアパシーとは、【本来感情が揺さぶられる局面に遭遇しても、興味・関心を示さず無意欲になってしまう状態】を表します。

無気力や気分の落ち込みというより、感情の抑揚がないことが特徴であるため、今回の問いにおいては「感情の起伏がみられない」が適切となります。

選択肢1. 感情の起伏がみられない。

〇ː適切です。

選択肢2. 将来に希望がもてない。

×:アパシーでは、現状置かれている状況に対しての感情の有無を表すため、適切ではありません。

選択肢3. 気持ちが落ち込む。

×:少し似ているような気がしてしまいますが、「落ち込む」ではなく「無反応」が違い表現になるため適切ではありません。

選択肢4. 理想どおりにいかず悩む。

×:「悩む」という表現よりも「無反応」に近い状態なので、適切ではありません。

選択肢5. 自分を責める。

×:適切ではありません。

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03

アパシーとは、物事や自分自身について、やる気や関心が失われていく無気力な状態のことをいいます。

うつ病とは違い気分に浮き沈みがなく、自覚もありません

 

選択肢1. 感情の起伏がみられない。

正解です。

気分の浮き沈みがあるうつ病と異なり、アパシーでは常に気分ややる気がフラットで、全てにおいて無関心になります。

選択肢2. 将来に希望がもてない。

不正解です。

将来に希望がもてないという心理状態は、不安障害やうつ病などの可能性があります。

アパシーには該当しない状態です。

選択肢3. 気持ちが落ち込む。

不正解です。

うつ病と異なり、アパシーの状態では、気分が落ち込むことはありませんし、逆に意欲的になる事もありません。

選択肢4. 理想どおりにいかず悩む。

不正解です。

アパシーの人はその自覚がなく、理想どおりにいかずに悩む状態は該当しません。

選択肢5. 自分を責める。

不正解です。

アパシーの状態では、無気力である自覚もない状態です。

気分もフラットな状態のため、自分を責めたりする行動はアパシーに該当しません。

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