介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問51 (障害の理解 問3)

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 問51(障害の理解 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、障害を受容した心理的段階にみられる言動として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 障害があるという自覚がない。
  • 周囲に不満をぶつける。
  • 自分が悪いと悲観する。
  • 価値観が転換し始める。
  • できることに目を向けて行動する。

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この過去問の解説 (3件)

01

障害の受容は「ショック期」→「否認期」→「混乱期」→「解決への努力期」→「受容期」の5つの段階に分かれています。

ここでは最後の段階となる受容期にどのような心理状態であるかを答える必要があります。

 

「ショック期」→自分自身に何が起きたか理解できない

「否認期」→障害はないと目を背けるする

「混乱期」→否認できずに混乱し「怒り」「悲しみ」などが現れる

「解決への努力期」→前向きに努力を図る

「受容期」→障害を自分の個性として受け入れ、前向きに行動する

選択肢1. 障害があるという自覚がない。

不正解です。

こちらは否認期にあたります。

自分の障害から目を背けて認めようとしない時期です。

選択肢2. 周囲に不満をぶつける。

不正解です。

こちらは混乱期になります。

不安などの感情から「怒り」などが現れることがあります。

この時期は、行き場のない感情が溢れ、介助者へ怒りをぶつけてしまうことでトラブルが生まれやすい時期です。

混乱期を理解して受け止めることが大切です。

選択肢3. 自分が悪いと悲観する。

不正解です。

混乱期になります。

「怒り」だけでなく、「悲しみ」「抑うつ」などが現れやすい時期になります。

選択肢4. 価値観が転換し始める。

不正解です。

こちらは解決への努力期になります。

障害に負けずに生きようと他の障害者や患者を観察したり学習する努力をする時期です。

そういった中で障害があってもできることがあるということに気づき(価値感の転換)前向きな姿勢が生まれてきます。

選択肢5. できることに目を向けて行動する。

正解です。

受容期になります。

障害を受容し、自分の一部と受け止めることができるようになる時期です。

障害があっても色々なことができることを感じ、社会や家庭の中でも役割を感じることで、生きがいを見出して前向きに生活が送れるようになります。

まとめ

障害者の受容過程は過去にも多く出題されています。

障害における人間としての価値の損失から、再発見に至る5つの心理反応を整理しておき、どの段階にあてはまるかが判断できるようになっておきましょう。

 

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02

障害における心理反応の過程は5つの段階を経て進んでいくと言われています。

①ショック期→②否認期→③混乱期→④解決への努力期→⑤受容期という流れと、段階ごとの特徴を理解することが大切になってきます。

 

選択肢1. 障害があるという自覚がない。

不正解です。

これはショック期にあたります。

ショック期は不安はあまり強くなく、どこか他人事のような状態になったり障害があるという自覚がなかったりします。

選択肢2. 周囲に不満をぶつける。

不正解です。

これは混乱期にあたります。

混乱期では否認することもできず周囲に当り散らすといったことを起こしやすくなります。

選択肢3. 自分が悪いと悲観する。

不正解です。

これも混乱期にあたります。

混乱期は周囲への怒りだけでなく、悲観や抑うつなどの症状も出やすくなります。

 

選択肢4. 価値観が転換し始める。

不正解です。

これは解決への努力期にあたります。

解決への努力期では価値感の転換し始め、前向きに生きていこうと努力するようになります。

選択肢5. できることに目を向けて行動する。

正解です。

受容期は自身の障害を受け止め新たな生きがいを感じるようになるなど、自身の障害をポジティブに捉えることができるようになります。

 

まとめ

否認期では、ショックを和らげるために自身の障害から目を背け否認しようとする時期です。

この時期には治療やリハビリを拒否するといった状態になることもあります。

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03

この設問は、【障害受容の段階】についての理解を図るもので、

障害受容とは、中途障害者がその現実を受け入れるまでに、

どのような心理プロセスをたどるかという理論です。

 

【ショック期→否認期→混乱期→適応への努力期→受容期】

の5段階とされていて、受容期に該当するものを選ぶ設問です。

それぞれの段階の詳細は以下の通りです。

・ショック期:「いったい何が起きたんだ?」「これは夢か?」

   →自分に起きたことが理解できず、まだ現実味がない状態。

・否認期:「自分がこんな体になるなんて間違っている。治るはずだ!」

   →突きつけられた事実に対して、否定している状態。

    防衛機制が働いている状態。

    何かを犠牲にすれば回復できると思い、

          (神など非科学的なもの含み)取り引きをしようとする。

・混乱期:否認しても変わらない現実への混乱が内面的、外面的に現れる時期

  (内面的)「もうどうしようもないんだ・・・」

   →現実は変えられないことを自覚し抑うつ状態になる。

  (外面的)「なんで自分なんだ!」、「なんだお前ら同情しやがって!」

   →やり場のない、理不尽とも思えるような怒りを表出する。

解決への努力期:「ふさぎこんでいても、仕方ないよな。頑張ってみよう。」

   →下を向いていたり、周囲に怒りをぶつけても何も解決しないと、

    前向きになり始める時期。

・受容期:「今の自分の状態を受け入れて、人生を好転させていこう。」

   →言葉の通り現実を受容し、できることに取り組んでいる状態。

選択肢1. 障害があるという自覚がない。

間違いです。

 

これは【ショック期】に該当します。

障害という事実を自分事として捉えられていません。

選択肢2. 周囲に不満をぶつける。

間違いです。

 

これは【混乱期】に該当します。

外面的に混乱が出ている状態です。

選択肢3. 自分が悪いと悲観する。

間違いです。

 

これも【混乱期】に該当します。

内面的に混乱がある状態です。

選択肢4. 価値観が転換し始める。

間違いです。

 

これは【解決への努力期】に該当します。

考え方が前向きに変わった段階で、

まだ行動には移されていない状態が

解決への努力期になります。

選択肢5. できることに目を向けて行動する。

正答です。

 

実際に前向きな行動をしているので、

障害を受け入れている【受容期】となります。

まとめ

(参考)

キューブラーロスの提唱した【死の受容過程】

中途障害者の障害受容に適用される理論です。

否認→怒り→取り引き→抑うつ→受容

 

※第27回、第36回で出題されています。

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