介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
障害の理解 問4

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 障害の理解 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 振戦せん妄
  • 妄想
  • 強迫性障害
  • 抑うつ気分
  • 健忘

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この過去問の解説 (2件)

01

統合失調症は脳の様々な働きや行動などをうまくまとめることができなくなるために、様々な症状が起こる病気です。

主に「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つの症状があり、その中の幻覚、妄想は統合失調症の特徴的な症状といえるでしょう。

 

選択肢1. 振戦せん妄

不正解です。

振戦せん妄は重度のアルコール依存症に見られる禁断症状のひとつです。

選択肢2. 妄想

正解です。

妄想、幻覚といった陽性症状が統合失調症の特徴的な症状になります。

選択肢3. 強迫性障害

不正解です。

脅迫性障害は強い不安や恐怖感を打ち消すために、特定の行為をしないでいられなくなり、日常生活に支障がでてしまう病気です。

例えば「手が汚れているのではないか」という強迫観念を打ち消すために手を何十回も洗ってしまったり「戸締りや火の始末をしたか」不安になり、何十回も確認してしまったりします。

選択肢4. 抑うつ気分

不正解です。

抑うつ気分とは、一時的に憂鬱な気持ちや落ち込む気分障害の症状です。

統合失調症でも気分が落ち込んだり、無気力な症状が出ますが、特徴的な症状としては幻覚や妄想が挙げられます。

選択肢5. 健忘

不正解です。

健忘は老化、ストレス、睡眠不足などが主な原因とされています。

統合失調症は認知機能障害であるため健忘とは異なります。

まとめ

統合失調症の主な症状には「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つがあります。

実際に出てくる症状は種類が多く、人によって出かたが異なりますが、主にどのような症状があるのかを覚えておきましょう。

 

「陽性症状」

幻覚(ないものが見えたり聞こえたりして現実のものと思い込む)

妄想(実際にないことを強く確信する)

思考障害(会話に脈絡がなくなったり、考え方に一貫性がなくなる)

など

 

「陰性症状」

無気力(自発的に何かを行う意欲がなくなる)

自閉(他者とのコミュニケーションをとらなくなる)

感情の平板化(喜怒哀楽の表現が乏しくなる)

など

 

「認知機能障害」

記憶力の低下(何かを覚えることに時間がかかったり、忘れっぽくなる)

実行機能の低下(計画を立てたり、効率や手順を考えて行動することができない)

集中力の低下(周囲のものに気を取られ、落ち着きがなくなったり、必要なものだけに注意を向けることができなくなる)

など

 

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02

統合失調症は後天的に発症するとされている精神疾患です。統合失調症には「幻覚」「幻聴」「妄想」といった代表的な症状があるので他の疾患の症状と混同しないよう注意して覚えておきましょう。

選択肢1. 振戦せん妄

不正解です。

振戦せん妄は長期間の飲酒後の離脱中に現れる症状です。

選択肢2. 妄想

正解です。

統合失調症でみられる妄想は恐怖や不安を感じるものが多く、本人は妄想と感じていないことも特徴のひとつです。

選択肢3. 強迫性障害

不正解です。

強迫性障害は精神疾患のひとつで、不安やこだわりから強迫観念は強迫行為がみられるといった症状があります。

選択肢4. 抑うつ気分

不正解です。

抑うつ気分は「気分はふさぎ込む憂鬱な状態」のことで、統合失調症の症状としては適切ではありません。

選択肢5. 健忘

不正解です。

健忘とは記憶を思い出す能力が部分的もしくは完全に失われる障害をいい、統合失調症の症状としては適切ではありません。

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