介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問52 (障害の理解 問4)

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 問52(障害の理解 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

統合失調症(schizophrenia)の特徴的な症状として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 振戦せん妄
  • 妄想
  • 強迫性障害
  • 抑うつ気分
  • 健忘

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この過去問の解説 (3件)

01

統合失調症は脳の様々な働きや行動などをうまくまとめることができなくなるために、様々な症状が起こる病気です。

主に「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つの症状があり、その中の幻覚、妄想は統合失調症の特徴的な症状といえるでしょう。

 

選択肢1. 振戦せん妄

不正解です。

振戦せん妄は重度のアルコール依存症に見られる禁断症状のひとつです。

選択肢2. 妄想

正解です。

妄想、幻覚といった陽性症状が統合失調症の特徴的な症状になります。

選択肢3. 強迫性障害

不正解です。

脅迫性障害は強い不安や恐怖感を打ち消すために、特定の行為をしないでいられなくなり、日常生活に支障がでてしまう病気です。

例えば「手が汚れているのではないか」という強迫観念を打ち消すために手を何十回も洗ってしまったり「戸締りや火の始末をしたか」不安になり、何十回も確認してしまったりします。

選択肢4. 抑うつ気分

不正解です。

抑うつ気分とは、一時的に憂鬱な気持ちや落ち込む気分障害の症状です。

統合失調症でも気分が落ち込んだり、無気力な症状が出ますが、特徴的な症状としては幻覚や妄想が挙げられます。

選択肢5. 健忘

不正解です。

健忘は老化、ストレス、睡眠不足などが主な原因とされています。

統合失調症は認知機能障害であるため健忘とは異なります。

まとめ

統合失調症の主な症状には「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つがあります。

実際に出てくる症状は種類が多く、人によって出かたが異なりますが、主にどのような症状があるのかを覚えておきましょう。

 

「陽性症状」

幻覚(ないものが見えたり聞こえたりして現実のものと思い込む)

妄想(実際にないことを強く確信する)

思考障害(会話に脈絡がなくなったり、考え方に一貫性がなくなる)

など

 

「陰性症状」

無気力(自発的に何かを行う意欲がなくなる)

自閉(他者とのコミュニケーションをとらなくなる)

感情の平板化(喜怒哀楽の表現が乏しくなる)

など

 

「認知機能障害」

記憶力の低下(何かを覚えることに時間がかかったり、忘れっぽくなる)

実行機能の低下(計画を立てたり、効率や手順を考えて行動することができない)

集中力の低下(周囲のものに気を取られ、落ち着きがなくなったり、必要なものだけに注意を向けることができなくなる)

など

 

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02

統合失調症は後天的に発症するとされている精神疾患です。統合失調症には「幻覚」「幻聴」「妄想」といった代表的な症状があるので他の疾患の症状と混同しないよう注意して覚えておきましょう。

選択肢1. 振戦せん妄

不正解です。

振戦せん妄は長期間の飲酒後の離脱中に現れる症状です。

選択肢2. 妄想

正解です。

統合失調症でみられる妄想は恐怖や不安を感じるものが多く、本人は妄想と感じていないことも特徴のひとつです。

選択肢3. 強迫性障害

不正解です。

強迫性障害は精神疾患のひとつで、不安やこだわりから強迫観念は強迫行為がみられるといった症状があります。

選択肢4. 抑うつ気分

不正解です。

抑うつ気分は「気分はふさぎ込む憂鬱な状態」のことで、統合失調症の症状としては適切ではありません。

選択肢5. 健忘

不正解です。

健忘とは記憶を思い出す能力が部分的もしくは完全に失われる障害をいい、統合失調症の症状としては適切ではありません。

参考になった数24

03

統合失調症の主な症状は以下の通りです。

陽性症状:幻覚、妄想などの急性期に多い症状

陰性症状:意欲減退、感情の平板化など

解体症状:支離滅裂な思考、言動

認知機能障害:記憶力、判断力、集中力の低下

 

外部から影響を受けたり与えたりするものを陽性症状

自らへの内向きなものは陰性症状

そのどちらにも属さない解体症状

(解体という言葉が統合失調という名称の由来です)

 

といったイメージです。

選択肢1. 振戦せん妄

間違いです。

 

【振戦せん妄】は、アルコール離脱症状です。

アルコール離脱以外を原因とした【せん妄】とは

区別されます。

・振戦せん妄:アルコール離脱症状

・せん妄:原因は不明。多岐にわたる。

 

どちらにしろ、薬剤や体調不良等の明確な原因から急性的、一時的であることが多いです。

長期的、慢性的である統合失調症とは区別されます。

 

 

 

選択肢2. 妄想

正解です。

 

他の選択肢でも説明していますが、

せん妄と区別してください。

選択肢3. 強迫性障害

間違いです。

 

強迫性障害は

過剰な不安を感じる【強迫観念】

それに伴う繰り返しの行動【強迫行為】

主症状としているものです。

 

統合失調症の症状である【支離滅裂な思考、言動】と異なり

・泥棒に入られたら困ると施錠を繰り返し確認する

・不衛生と思い何度も手を洗う

など、『わずかばかりの合理性』もあるものだと

区別しておくと覚えやすいです。

選択肢4. 抑うつ気分

間違いです。

 

抑うつ気分

:くよくよ、落ち込んでいるなどの一つの感情が、一時的に起きているもの

抑うつ症状

複数の感情であったり、一日中ずっと続いていたり毎日継続している

 

これらは、

統合失調症の【感情の平板化】と混同されやすい

ので注意が必要です。

感情の平板化が、無の状態としたら

抑うつがマイナス状態とイメージしてください。(自虐的なイメージ)

選択肢5. 健忘

間違いです。

 

【健忘】は、過去の記憶が欠落するものです。

統合失調症の【認知機能障害】とは区別されます。

認知機能障害は、判断力の低下や記憶力の低下が挙げられます。

 

健忘は本人が忘れていることを自覚していますが、

認知機能障害では、その自覚に乏しいのが特徴です。

 

まとめ

【まとめ】

・せん妄と妄想

・強迫と支離滅裂

抑うつと感情の平板化

・健忘と認知機能障害

 

の区別を意識してください。

赤字が統合失調症の症状です。

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