介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
障害の理解 問5
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問題
介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 障害の理解 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
Bさん(60歳、男性)は、一人暮らしをしている。
糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視覚障害(身体障害者手帳1級)があり、末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい)の症状がでている。
Bさんの日常生活において、介護福祉職が留意すべき点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
糖尿病性網膜症(diabetic retinopathy)による視覚障害(身体障害者手帳1級)があり、末梢神経障害(まっしょうしんけいしょうがい)の症状がでている。
Bさんの日常生活において、介護福祉職が留意すべき点として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 水晶体の白濁
- 口腔粘膜(こうくうねんまく)や外陰部の潰瘍
- 振戦や筋固縮
- 足先の傷や壊疽(えそ)などの病変
- 感音性の難聴
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は糖尿病における合併症の現在の状態とそれが進行することでどのようなことが起こり得るかを知っておく必要があるということです。
糖尿病の三大合併症を知り、気づくことができるかがポイントです。
白内障の症状です。
白内障は目の水晶体の濁りにより視界が霞んだり視力が低下する症状です。
それに対し、網膜症は高血糖により網膜の血管に障害が生じ視力低下や失明に繋がります。
ベーチェット病の症状です。
ベーチェット病は口腔粘膜、外陰部などに潰瘍が現れたりおさまったりすることを繰り返す慢性再発性の炎症性疾患で指定難病に指定されています。
糖尿病で現れる症状ではありません。
パーキンソン病に見られる症状です。
振戦、動作緩慢、筋固縮、姿勢反射障害といった症状が代表的で、病気が進行すると日常生活に支障をきたす指定難病です。
糖尿病で現れる症状ではありません。
正解です。
糖尿病の三大合併症のうちの神経障害は、高血糖により手足の神経に異常をきたし、足先や手指に痺れなどの感覚異常が現れます。
進行すると足潰瘍や壊疽となることも考えられる合併症です。
この点に留意し、日常生活で介護福祉職が皮膚状態の確認を継続することは大切なことです。
感音性の難聴は、内耳や中枢神経に障害がある場合に起こる難聴です。
糖尿病の場合でも内耳の血管に障害を引き起こすことで難聴のリスクもあると考えられていますが、問題では「視覚障害や末梢神経障害が現れている」となっており「最も注意する」といった点では不正解となります。
糖尿病は自覚症状がなくても、見えないところで合併症が進行しています。
中でも「神経障害」「網膜症」「腎症」の三大合併症を念頭に、日常生活での変化に留意する必要があります。
「神経障害」 足先や手指に痛みや痺れなどの感覚異常がみられ、進行すると足潰瘍や足壊疽となる場合もあります
「網膜症」 高血糖により、目の網膜の血管に障害をきたし、進行してしまうと失明に至ります
「腎症」 高血糖により、腎臓にある細い血管が蝕まれていき、進行すると腎臓の機能が失われ透析治療が必要になります。
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02
糖尿病性網膜症は糖尿病合併症のひとつです。合併症には急性のものから慢性的なものがあるため、網膜症の進行具合だけでなく他の合併症にも注意する必要があります。
糖尿病合併症の代表的には網膜症、腎症、神経障害、脳卒中、心筋梗塞、足の壊疽などが挙げられます。
不正解です。
水晶体の白濁は白内障でみられる症状です。
不正解です。
口腔粘膜や外陰部といった部位は糖尿病合併症では該当しないので不適切です。
不正解です。
振戦は体の部位で起こる不随意の動きや震えをいい、筋固縮は筋肉の緊張から固く強張る症状をいいます。どちらも糖尿病合併症として留意する症状ではありません。
正解です。
糖尿病では足の血管や神経機能が弱くなり、菌の感染や潰瘍ができやすくなります。
足の傷や潰瘍から壊疽へと進行していくことがあるため足の皮膚状態などの観察も大切になってきます。
不正解です。
感音性の難聴は音が脳に伝わりにくくなる聴覚障害で、糖尿病合併症から留意するものではありません。
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