介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
障害の理解 問6

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 障害の理解 問6 (訂正依頼・報告はこちら)

Cさん(55歳、男性)は、5年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。
現在は症状が進行して、日常生活動作に介護が必要で、自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。
次の記述のうち、Cさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。

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この過去問の解説 (1件)

01

この問題では筋萎縮性側索硬化症(ALS)がどのような病気なのか、どのような進行をするのかを知っているかがポイントになります。

筋萎縮性側索硬化症の主な症状や時間が経過しても失われない機能について覚えておく必要があります。

選択肢1. 誤嚥(ごえん)せずに食事することが可能である。

筋萎縮性側索硬化症の症状の一つには、喉の筋肉に力が伝わらず、食べ物や飲み物がうまく飲み込めない嚥下障害があります。

発症の順序としては手足の筋肉が低下する印象がありますが、人によっては口腔内や喉の筋力から症状が出ることもあります。

選択肢2. 明瞭に話すことができる。

口腔内がうまく動かせなくなったり、筋力が低下するため、声が出しにくくなったり、呂律が回らなくなる構音障害が発症します。

発症の順序としては手足の筋肉が低下する印象がありますが、人によっては口腔内や喉の筋力から症状が出ることもあります。

 

選択肢3. 身体の痛みがわかる。

正解です。

筋萎縮性側索硬化症では病気が進行しても、意識や感覚が損なわれることはありません。

選択肢4. 自力で痰(たん)を排出できる。

筋萎縮性側索硬化症では、口腔内や喉の筋肉に力が入らなくなるため、痰やよだれが多くなります。

口腔内の筋力低下により自力での排出は難しくなりますし、嚥下機能の障害もあるため飲み込むことも困難です。

また、呼吸の力も弱まるため、咳嗽(咳)する力も低下することで自力での排出は難しくなります。

選択肢5. 箸を上手に使える。

手足の筋力低下は筋萎縮性側索硬化症に見られる典型的な症状です。

手に筋力低下の症状が現れると腕を上げたりすることも困難になり、進行とともに箸などの軽いものも使うことが難しくなります。

まとめ

筋萎縮性側索硬化症は体を動かすための神経細胞が消失していく疾患で、手足、咽頭、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せていく病気です。

 

主な症状について次のようなものがあります。

①筋力低下 進行すると筋肉が痩せて力が入らなくなり、歩くことが難しくなります。

②構音障害・嚥下障害 口や咽頭の筋肉も弱まるため、声が出しにくくなったり、飲食の飲み込みが難しくなります。

③呼吸障害 呼吸の力が弱まり呼吸がしにくくなります。

 

初期症状としては上肢型・下肢型・球麻痺型(口腔内の機能低下)・呼吸筋麻痺型に分かれ、人によって異なります。

発症の進行スピードも人それぞれですが、症状が進行しても意識や感覚が損なわれることはありません。

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