介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問54 (障害の理解 問6)
問題文
Cさん(55歳、男性)は、5年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。
現在は症状が進行して、日常生活動作に介護が必要で、自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。
次の記述のうち、Cさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
現在は症状が進行して、日常生活動作に介護が必要で、自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。
次の記述のうち、Cさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
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問題
介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 問54(障害の理解 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
Cさん(55歳、男性)は、5年前に筋萎縮性側索硬化症(amyotrophic lateral sclerosis:ALS)と診断された。
現在は症状が進行して、日常生活動作に介護が必要で、自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。
次の記述のうち、Cさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
現在は症状が進行して、日常生活動作に介護が必要で、自宅では電動車いすと特殊寝台を使用している。
次の記述のうち、Cさんの現在の状態として、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 誤嚥(ごえん)せずに食事することが可能である。
- 明瞭に話すことができる。
- 身体の痛みがわかる。
- 自力で痰(たん)を排出できる。
- 箸を上手に使える。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題では筋萎縮性側索硬化症(ALS)がどのような病気なのか、どのような進行をするのかを知っているかがポイントになります。
筋萎縮性側索硬化症の主な症状や時間が経過しても失われない機能について覚えておく必要があります。
筋萎縮性側索硬化症の症状の一つには、喉の筋肉に力が伝わらず、食べ物や飲み物がうまく飲み込めない嚥下障害があります。
発症の順序としては手足の筋肉が低下する印象がありますが、人によっては口腔内や喉の筋力から症状が出ることもあります。
口腔内がうまく動かせなくなったり、筋力が低下するため、声が出しにくくなったり、呂律が回らなくなる構音障害が発症します。
発症の順序としては手足の筋肉が低下する印象がありますが、人によっては口腔内や喉の筋力から症状が出ることもあります。
正解です。
筋萎縮性側索硬化症では病気が進行しても、意識や感覚が損なわれることはありません。
筋萎縮性側索硬化症では、口腔内や喉の筋肉に力が入らなくなるため、痰やよだれが多くなります。
口腔内の筋力低下により自力での排出は難しくなりますし、嚥下機能の障害もあるため飲み込むことも困難です。
また、呼吸の力も弱まるため、咳嗽(咳)する力も低下することで自力での排出は難しくなります。
手足の筋力低下は筋萎縮性側索硬化症に見られる典型的な症状です。
手に筋力低下の症状が現れると腕を上げたりすることも困難になり、進行とともに箸などの軽いものも使うことが難しくなります。
筋萎縮性側索硬化症は体を動かすための神経細胞が消失していく疾患で、手足、咽頭、舌の筋肉や呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せていく病気です。
主な症状について次のようなものがあります。
①筋力低下 進行すると筋肉が痩せて力が入らなくなり、歩くことが難しくなります。
②構音障害・嚥下障害 口や咽頭の筋肉も弱まるため、声が出しにくくなったり、飲食の飲み込みが難しくなります。
③呼吸障害 呼吸の力が弱まり呼吸がしにくくなります。
初期症状としては上肢型・下肢型・球麻痺型(口腔内の機能低下)・呼吸筋麻痺型に分かれ、人によって異なります。
発症の進行スピードも人それぞれですが、症状が進行しても意識や感覚が損なわれることはありません。
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02
筋委縮性側索硬化症(ALS)は筋肉を動かすための神経系統に障害を受ける進行性の神経変性疾患です。
ALSは進行によって介護を必要とすることも多いため、介護福祉士の問題でも出題されやすい疾患のひとつです。進行とそれに伴う症状、疾患の影響を受けにくい機能など押さえておきましょう。
不正解です。
進行することによって舌や口が動きにくくなり、食事が飲み込みにくいといった状態が起きやすくなります。
不正解です。
こちらも舌と口の動きが悪くなることから、ろれつが回りにくいといった症状が出やすくなります。
正解です。
筋萎縮性側索硬化症には「考える」「見る」「聞く」「感じる」といった機能は失われず、比較的維持されるといわれています。
不正解です。
物が飲み込みにくくなり嚥下機能も低下するため、自力での痰の排出は困難になってきます。
不正解です。
初期症状のひとつには、手や足に力が入りにくくなるというものがあります。
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03
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は
筋肉動きを司っている運動ニューロンが障害される病気で、
全身性障害の一つです。
ニューロンは3種類あることを覚えておいてください。
・感覚ニューロン:受容体で受けた刺激(光、痛み、寒暖など)を中枢に伝える
・運動ニューロン:中枢(脳やせき髄など)からの指令を筋肉などに伝える
・介在ニューロン:中枢に存在しで感覚ニューロンと運動ニューロンの仲介役
間違いです。
嚥下は舌や喉の筋肉がうまく動かせないことによって生じます。
設問のように症状が進行しているALSでは
嚥下困難が頻繁にみられます。
間違いです。
発語を司る声帯も筋肉です。
当然、進行したALS患者は発語が不明瞭になりやすいです。
正解です。
痛みを感じるのは感覚ニューロンです。
ALSはあくまでも運動ニューロンの障害であり、
感覚ニューロンが障害を受けていなければ、
外部からの刺激を感じることができます。
間違いです。
痰を出す行為(喀痰排出)をするために重要な
横隔膜と声帯は筋肉です。
横隔膜を下げて深い呼吸をしながら声帯を閉じて空気を貯め
一気に横隔膜を挙げると同時に声帯を開くことで
痰を出すことができます。
間違いです。
箸を使うには、手指を巧妙に動かさなければなりません。
当然、手指の筋肉を使うことになります。
この設問自体は、なんとなくの理解でも正答は可能ですが、
3つのニューロンの役割を理解しておくことで
応用された問題にも対応できます。
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