介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
医療的ケア 問5

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 医療的ケア 問5 (訂正依頼・報告はこちら)

Eさん(75歳、女性)は、介護老人福祉施設に入所している。
脳梗塞(cerebral infarction)の後遺症があり、介護福祉士が胃ろうによる経管栄養を行っている。
ある日、半座位で栄養剤の注入を開始し、半分程度を順調に注入したところで、体調に変わりがないかを聞くと、「少しお腹が張ってきたような気がする」とEさんは答えた。
意識レベルや顔色に変化はなく、腹痛や嘔気(おうき)はない。
次のうち、介護福祉士が看護職員に相談する前に行う対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 嘔吐(おうと)していないので、そのまま様子をみる。
  • 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))にする。
  • 腹部が圧迫されていないかを確認する。
  • 注入速度を速める。
  • 栄養剤の注入を終了する。

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この過去問の解説 (2件)

01

経管栄養の実施においては、感染をはじめ、様々な体調の変化が起き得ます。

医師や看護師と連携する場合にも、確認ポイントを正しく知っておく必要があります。
起こり得るトラブルを想定し、一つ一つを確認できるようにしましょう。
 

選択肢1. 嘔吐(おうと)していないので、そのまま様子をみる。

不正解です。
嘔吐はしていませんが、「お腹が張っている」という発言もあるため、経管速度や腹部などの確認をして看護職員に相談しましょう。
 

選択肢2. 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))にする。

不正解です。
仰臥位は嘔吐を誘発し、誤嚥の恐れもあります。
側臥位が望ましいです。

選択肢3. 腹部が圧迫されていないかを確認する。

正解です。
腹痛や嘔気はない場合、「お腹が張ってきた」という本人の発言もあるように、腹部の圧迫が考えられます。
姿勢や注入速度も合わせて確認し、看護職員に相談しましょう。
 

選択肢4. 注入速度を速める。

注入速度を速めると、嘔吐や下痢の原因になります。
不正解です。
 

選択肢5. 栄養剤の注入を終了する。

腹部を確認し、張りや漏れがあった場合には中止することが望ましいです。
不正解です。

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02

介護職員でも一定の条件を満たすことで経管栄養の医療行為も実施できるようになりました。

医療的ケアのため基本的な手順などはもちろん、医療従事者からの注意事項を守ることや独断で処置を行わないといったことも頭に入れておく必要があります。

選択肢1. 嘔吐(おうと)していないので、そのまま様子をみる。

不正解です。

お腹が張ってきたことが嘔吐につながるとは限りません。訴えからの自己判断のような対処は厳禁です。

選択肢2. 仰臥位(ぎょうがい)(背臥位(はいがい))にする。

不正解です。

仰臥位(背臥位)は誤嚥のリスクが最も高くなる体位のため適切ではありません。

選択肢3. 腹部が圧迫されていないかを確認する。

正解です。

Eさんの訴えを聞き腹部に異常がないか確認し、看護職員に報告することが介護士として最も適切な対応です。

選択肢4. 注入速度を速める。

不正解です。

注入速度が速くなると嘔吐や腹痛を起こす可能性が高くなり、この場合には状態を悪化させることに繋がるため不適切です。

選択肢5. 栄養剤の注入を終了する。

不正解です。

注入の速度の変更や中止は介護士の判断で行える行為ではありません。

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