介護福祉士 過去問
第36回(令和5年度)
問62 (医療的ケア 問4)

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 問62(医療的ケア 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、経管栄養で起こるトラブルに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • チューブの誤挿入は、下痢を起こす可能性がある。
  • 注入速度が速いときは、嘔吐(おうと)を起こす可能性がある。
  • 注入物の温度の調整不良は、脱水を起こす可能性がある。
  • 注入物の濃度の間違いは、感染を起こす可能性がある。
  • 注入中の姿勢の不良は、便秘を起こす可能性がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

経管栄養を実施する際には、栄養剤の注入に関連した嘔吐や下痢などのトラブルが起きえます。

どういったトラブルが考えられるのか、どのような異変があるのかを覚えておきましょう。

選択肢1. チューブの誤挿入は、下痢を起こす可能性がある。

チューブの誤挿入は食道や胃を傷つけてしまう可能性があります。

不正解です。

選択肢2. 注入速度が速いときは、嘔吐(おうと)を起こす可能性がある。

正解です。

注入速度が速いと嘔吐の原因となります。

誤嚥防止のためにも注入速度には注意が必要です。

選択肢3. 注入物の温度の調整不良は、脱水を起こす可能性がある。

注入物が冷たかったりすると下痢などの原因になります。

不正解です。

選択肢4. 注入物の濃度の間違いは、感染を起こす可能性がある。

高濃度の栄養剤を注入すると下痢などの副作用が起きる原因となります。

不正解です。

選択肢5. 注入中の姿勢の不良は、便秘を起こす可能性がある。

姿勢不良があると胃が圧迫されて漏れたり、逆流を引き起こし誤嚥の危険があります。

不正解です。

まとめ

医療的ケアを実施する際には、様々なトラブルが発生することを想定して、医師や看護職との連絡体制を整えておく必要があります。

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02

経管栄養は口からの食事摂取が困難になったときに胃や腸にチューブを挿入して栄養剤を直接注入できるようにする方法です。

経管栄養は介護士でも一定の条件を満たすことで行える医療行為になりますが、医療従事者との連携が重要になる行為でもあります。

選択肢1. チューブの誤挿入は、下痢を起こす可能性がある。

不正解です。

チューブの誤挿入はチューブが目的の部位に挿入されていないことを指し、肺炎などの重篤な合併症を起こす可能性があります。

選択肢2. 注入速度が速いときは、嘔吐(おうと)を起こす可能性がある。

正解です。

注入速度が速いと胃、食道の逆流から嘔吐を起こす可能性があります。

選択肢3. 注入物の温度の調整不良は、脱水を起こす可能性がある。

不正解です。

注入物の温度の調整不良は下痢を起こす可能性があります。

選択肢4. 注入物の濃度の間違いは、感染を起こす可能性がある。

不正解です。

注入物の濃度の間違いはカテーテルやチューブの閉塞を起こす可能性があります。

選択肢5. 注入中の姿勢の不良は、便秘を起こす可能性がある。

不正解です。

注入中の姿勢の不良は胃の圧迫から嘔吐や誤嚥を起こす可能性があります。

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03

経管栄養で栄養摂取をしている利用者は、

自らの不調を訴えることが難しいことが多いです。

ゆえに、より安全に配慮したケアが求められます。

選択肢1. チューブの誤挿入は、下痢を起こす可能性がある。

間違いです。

 

チューブの誤挿入で下痢を起こすことはありません。

 

誤挿入は、食道などを傷つける出血や

チューブが気管に入ったことによる誤嚥性肺炎などの

リスクが考えられます。

選択肢2. 注入速度が速いときは、嘔吐(おうと)を起こす可能性がある。

正解です。

 

注入速度が速いと、十二指腸に流しきれず逆流して嘔吐したり、

消化しきれずに下痢になることがあります。

選択肢3. 注入物の温度の調整不良は、脱水を起こす可能性がある。

間違いです。

 

脱水ではなく、下痢を起こしやすくなります。

健常者でもお腹が冷えると下痢を起こしやすくなるのと同じです。

ぬるま湯や人肌程度に温めるのが望ましいです。

選択肢4. 注入物の濃度の間違いは、感染を起こす可能性がある。

間違いです。

 

濃度の違いで感染症を起こすことはありません。

感染症を起こすのは、チューブの不衛生さや、

栄養剤の保管方法が不適切で不衛生な状態になった場合が考えられます。

 

注入物の濃度の間違いで起こる現象として考えられるのは、下痢や腹痛で

経管栄養剤は浸透圧が血液より高いことが多いため、

希釈が弱く濃度が濃すぎたり注入速度が速すぎると、

栄養剤が小腸などの腸管を通るときに

腸壁の水分が腸管内に拡散されることなどが原因となります。

 

※圧力は高いところから低いところへ流れる

 甘い飴をずっとなめていると、口の中がふやけてしまうのと同じ原理です。

選択肢5. 注入中の姿勢の不良は、便秘を起こす可能性がある。

間違いです。

 

姿勢不良は、嘔吐の原因になります。

投与中の姿勢は座位かファーラー位(30度くらいのギャッジアップ)が

望ましいです。

 

両臥位だと、胃からのどの方に栄養剤や水分が流れてくる、

中途半端な角度の姿勢だと、胃などを圧迫して栄養剤が流れにくい

等が原因として考えられます。

まとめ

医療的な知識は、一見とっつきにくいですが

そのメカニズムを少しだけ掘り下げると

丸暗記よりも覚えやすくなります。

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