介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
介護の基本 問9

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) 介護の基本 問9 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、介護における感染症対策として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 手洗いは、液体石鹸(えきたいせっけん)よりも固形石鹸(こけいせっけん)を使用する。
  • 配膳時にくしゃみが出たときは、口元をおさえた手でそのまま行う。
  • 嘔吐物(おうとぶつ)の処理は、素手で行う。
  • 排泄(はいせつ)の介護は、利用者ごとに手袋を交換する。
  • うがい用のコップは、共用にする。

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この過去問の解説 (2件)

01

利用者が感染症にかかること、かかったことを想定して介護福祉士自身が日頃から感染予防と感染拡大の防止に努める必要があります。

全ての血液、体液、排泄物を感染源として扱う「スタンダードプリコーション」という考え方を覚えておきましょう。

 

選択肢1. 手洗いは、液体石鹸(えきたいせっけん)よりも固形石鹸(こけいせっけん)を使用する。

不正解です。

固形石鹸は細菌の繁殖がしやすいため、液体石鹼を使用することが望ましいです。

選択肢2. 配膳時にくしゃみが出たときは、口元をおさえた手でそのまま行う。

不正解です。

くしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れると細菌やウイルスがついてしまいます。

それを他の人が触れてしまうと接触感染を引き起こしてしまう可能性があります。

選択肢3. 嘔吐物(おうとぶつ)の処理は、素手で行う。

不正解です。

嘔吐物はウイルスなどが含まれている可能性があるため、感染対応をしての処理が必要です。

手袋の着用はもちろん、マスクやガウンなどが必要であり、素手で行うのは不適切です。

選択肢4. 排泄(はいせつ)の介護は、利用者ごとに手袋を交換する。

正解です。

排泄物をはじめ、血液、体液などは感染予防の観点から、利用者ごとに手袋を交換することが適切です。

選択肢5. うがい用のコップは、共用にする。

不正解です。

コップの共用は唾液が付着し、感染を拡大させる恐れがあります。

まとめ

感染予防には「感染源の排除」「感染経路の遮断」「抵抗力を高める」といった3つの原則があります。

「感染源の排除」「感染経路の遮断」のためにもスタンダードプリコーションは必要不可欠なものです。

 

感染症の問題は出題率が高くなっています。

スタンダードプリコーションの具体的な内容も合わせて覚えておくといいでしょう。

・手指衛生 適切な手洗い

・防護用具の着用 使い捨て手袋、マスクガウンなどの着用

・鋭利な器具の適切な取り扱い 針刺し事故の防止

・使用機材・廃棄物の適切な取り扱い 消毒、廃棄物の管理など

 

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02

感染症対策は抵抗力の低い方が多い福祉施設においては必須の事柄になります。

介護では感染源を「持ち込まない」「持ち出さない」「拡げない」ことはもちろん、感染症の種類や処置方法などを周知しておくことも必要になってきます。

選択肢1. 手洗いは、液体石鹸(えきたいせっけん)よりも固形石鹸(こけいせっけん)を使用する。

不正解です。

固形石鹸は使い方によって泡立ちが悪くなることや他の利用者と共用してしまうといったことも考えられるため、感染症対策では液体石鹸の使用が適切とされています。

選択肢2. 配膳時にくしゃみが出たときは、口元をおさえた手でそのまま行う。

不正解です。

咳エチケットとして、くしゃみや咳は手ではなく肘の内側で押さえるようにするとされています。

手で押さえたとしても、配膳は一時中断し、手洗いと消毒を行ってから再開します。

選択肢3. 嘔吐物(おうとぶつ)の処理は、素手で行う。

不正解です。

感染の可能性のあるものの処理は素手で行わないことが常識です。

選択肢4. 排泄(はいせつ)の介護は、利用者ごとに手袋を交換する。

正解です。

手袋は1ケア、1介助ごとに交換します。手袋をつけたままでいると手袋内が汗などで不潔になること、使いまわすことで感染を拡げる原因となるためです。

選択肢5. うがい用のコップは、共用にする。

不正解です。

直接手や粘膜に触れるものの共用は厳禁です。個人のものでも、使い捨てのコップを選んだり、使用後の洗浄・殺菌を行うことが感染症対策になります。

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