介護福祉士の過去問
第36回(令和5年度)
コミュニケーション技術 問4

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問題

介護福祉士国家試験 第36回(令和5年度) コミュニケーション技術 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

Fさん(70歳、女性)は、最近、抑うつ状態(depressive state)にあり、ベッドに寝ていることが多く、「もう死んでしまいたい」とつぶやいていた。
Fさんの発言に対する、介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 「落ちこんだらだめですよ」
  • 「とてもつらいのですね」
  • 「どうしてそんなに寝てばかりいるのですか」
  • 「食堂へおしゃべりに行きましょう」
  • 「元気を出して、頑張ってください」

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この過去問の解説 (2件)

01

Fさんは抑うつ状態にあります。

抑うつ状態は、意欲が低下し、自分自身や周囲のことに無関心になっている状態です。

 

抑うつ状態の人には、励ましたり、否定すること、責めることは厳禁です。

自発的な行動を促せるよう、受容的な態度で共感するコミュニケーションをとることで信頼関係を構築していく必要があります。

 

選択肢1. 「落ちこんだらだめですよ」

不正解です。

抑うつ状態のFさんにとって「だめ」という言葉は否定的であり逆効果になる可能性があります。

受容的、共感的なコミュニケーションが必要になります。

選択肢2. 「とてもつらいのですね」

正解です。

「もう死んでしまいたい」という言葉に対して、受容的・共感的で最適な言葉がけです。

選択肢3. 「どうしてそんなに寝てばかりいるのですか」

不正解です。

ベッドに寝ていることが多い、Fさんの行動に対する否定的な言葉がけになっているため不適切です。

選択肢4. 「食堂へおしゃべりに行きましょう」

不正解です。

Fさんの「もう死んでしまいたい」という言葉に対して、受容や共感がみられません。

また、自発的な行動を促す言葉がけでもないため不適切です。

選択肢5. 「元気を出して、頑張ってください」

不正解です。

Fさんの「もう死んでしまいたい」という言葉に対して、励ましの言葉をかけることは逆効果になる可能性があるため不適切です。

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02

抑うつ状態は、気分の落ち込みや活動力の低下などから身体の不調が現れる状態をいいます。

やる気が起きなかったり、今まで興味があったことにも関心が持てなかったり、生きる気力をなくすといったものがみられるときには不用意な発言を控えた適切な対応が求められます。

選択肢1. 「落ちこんだらだめですよ」

不正解です。

抑うつ状態では落ち込みたくなくても落ち込んでしまうといった状況であることが多いので、この発言は本人が分かっていることに対して追い討ちをかけるような対応になってしまいます。

選択肢2. 「とてもつらいのですね」

正解です。

抑うつ状態の相手に対しては余計なことを言わず、今の状態を受け止める姿勢や体調を気遣うような声掛けを行うことが適切です。

選択肢3. 「どうしてそんなに寝てばかりいるのですか」

不正解です。

自分に自信が持てず否定的になっている状態で、あえてそのことを指摘するような発言になっているので適切ではありません。

選択肢4. 「食堂へおしゃべりに行きましょう」

不正解です。

気晴らしや気分転換に誘うことは抑うつ状態の方には効果的な対応ではありません。誘ってくれたこと自体に申し訳なさや、良い返事をできないことへの責任も感じさせてしまうことになります。

選択肢5. 「元気を出して、頑張ってください」

不正解です。

抑うつ状態の方に励ましや説教のような発言をすることは厳禁です。できない自分を責めているときに「頑張って」ということを言われると、共感してもらっているというよりも理解してもらえてないと苦しさを感じさせてしまいます。

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